磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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原爆症認定訴訟 熊本のヒバクシャたち

2006年08月22日 | 読書日記など
『原爆症認定訴訟 熊本のヒバクシャたち』
  北岡英郎、熊本県原爆被害者団体協議会、
    原爆症認定訴訟熊本弁護団(編)/
      医師 牟田喜雄(監修)/花伝社2006年

表紙に書かれています。
「原爆症は終っていない
原爆症認定訴訟はいま……」



たしかに終っていない。
現在進行形の問題です。
いったい何年たっているのか?

原爆認定裁判は続く、この訴訟に関する記事は続々マスコミでも取り上げられております。

認定基準の誤りについても書かれてあります。下「」引用。

「基礎になるDS86はもともと爆発から一分以内に被爆者に到達した初期放射線しか考えられていません。この場合、当時の測定技術の限界もあって、機械的に当てはめると爆心地から二キロメートルを越えるとほとんど影響がないことになります。また原爆投下直後に爆心地周辺に近づいた人ちが被った残留放射線や内部被爆の影響が欠落しているためどんなひどい症状を呈していても原爆が原因でないとされてしまっているのです。−略−そして、そのことの誤りはこれまでの各種の原爆訴訟によってすでに明らかになっていることなのです。」


足切りの道具でしかないと表現は理解しやすいと思います。下「」引用。

「科学的にはどんな被爆者であっても、予算の枠がいっぱいであれば認定にならないというおかしなことがまかり通っているのです。そしてこのおかしなことを科学的装いのもとで「認定しない」とする足切りの道具が原因確率論だったのです。」

手帳の申請さえ困難な被爆者と書かれあります。

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その手帳ももらっていない被爆者もおられ、
被爆手帳を持っている人の0.8%しか、
認定を受けた人はいないといいます。

最高裁で負けても基準を変えない国。
これは今年のニュースでもそうでしたね。

そこで、個人の裁判ではなく、集団訴訟に立ち上がられたそうです。

水俣病の調査活動の経験から、プロジェクト'04を計画。
そして、ガン以外でも、甲状腺機能低下症、肝機能障害など多くの病気で有意だったという。

米兵のことも書かれてありました。下「」引用。

「アメリカ政府が、広島・長崎に原爆投下一カ月後に入市した米軍兵士は「放射線の危険な作業に当たった」として「退役被爆軍人補償法」を制定し、その癌疾病に治療費・生活費・死没補償金を給付していることも明らかになっています。日本政府の対策はあまりにもこれらの実態からかけ離れています。」

その「放射線被爆退役軍人補償法」1988年のことも書かれてありました。下「」引用。

「米国でも広島・長崎のヒバクシャへの保障法があります。
21種のがんに適用されています。
−略−
【治療と生活費】月額68ドル〜2325ドルの範囲
【死亡補償費】5万ドル(遺族に)」


熊本県の方は水俣病から多くのことを学ばれたのだなあと、ボクは思いました。

いつものことをいつものこととしない人たちがいます。






民医連新聞 2004年11月1日 1343号





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