磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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「核の今」がわかる本

2011年12月06日 | 読書日記など
『「核の今」がわかる本 講談社+α新書 570-1C』
   太田昌克・著/共同通信核取材班・編/講談社2011年

「想定外」だったと反省する著者……。
本当にそうだったの? 考えられない……。



表紙の写真について。下「」引用。

「遠く福島第一原発を望む(大)、フランス「核の棄民」パルフェ氏(小)、カザフスタンのパルス型研究炉(小)」

『闇商人』のカーンと日本企業、2009年。下「」引用。

「パキスタンの「核開発の父」、A・Q・カーン博士が核開発に必要な資機材を調達する目的で、一九七○年代から日本企業と取り引きを秘密裏に重ねていたとする博士自身の証言内容がメールに記されていた。思わず息をのむビッグニュースである。-略-そしてカーン博士やその部下と当時直接やり取りした一人の日本側関係者に行き当たったことが、ブレークスルーとなり、遠心分離機に不可欠な特殊磁石などが日本の企業から供給されていたという新たな事実を突き止めた。博士を扇の要とした「核の闇市場」に、被爆国日本が深く関与していたのである。」

東日本大震災が……。下「」引用。

「本書の編集・推敲作業を進める過程で、東日本大震災が日本を襲った。そして東京電力福島第一原発の事故は被爆国日本のみならず全世界に対し、現代社会が避けて通れない重大な問いをあらためて突きつけた。
 人類は核のパワーに共存していけるのか。
 本書が「核の今」に関する知見を含め、この重大にの問いに対する「解」を導き出すと一助なることを心より願う。それが取材班の総意であり、読書の皆さまへのメッセージである。」

「K25」「広島原爆ウラン製造の施設は今」 下「」引用。

「米南部アトランタから車で北へ四時間。山あいの一本道の視界が広がると、巨大な建物を砕く重機の音が響いた。広島の原爆に使われた高濃縮ウランを製造、冷戦中も核兵器の原料を大量生産し続けたテネシー州オークリッジの核施設群。二○○九年七月、焼けつくような日差しの中、「K25」と呼ばれ、かつては南北約八○○メートル、東西約三○○メートルに及んだ巨大なU字形の建物の一角が崩れた。
「もう二年もすれば跡形もなくなってしまう」。砂煙を上げ姿を変えていく建物を、第二次大戦中に同施設で濃縮ウラン精製を担当した元科学者ウィリアム・ウィルコックス(八六)は、複雑な思いで見つめた。」

「「核の遺産」で先端研究 カザフ」日本と共同試験。下「」引用。

「クルチャトフから核実験場の中心部へ五○キロ。三重の鉄条網越しに武装兵が警戒する『パルス型研究炉』で、独立行政法人「日本原子力研究開発機構」などが高速増殖炉の安全性を検証する共同試験を始めて約一○年になる。」
 -略-パルス型研究炉の副責任者アンドレイ・コトリャル(三九)も「あれほど大規模な核実験は不要だった」としながらも、「米国は核でソ連を脅かした。対抗手段が必要だった」と自分に言い聞かせるように語った。」

表紙のパルフェ。下「」引用。

「一九六二年五月一日、フランス領アルジェリアのサハラ砂漠にあるイネケル(現地名インケエル)。コード名から「ベリル事故」と呼ばれるフランス最悪の核実験事故だった。召集兵の一人、リュシアン・パルフェの人生はこの日を境に暗転した。-略-
 一九六二年六月の除隊後、間もなく皮膚と下あごにがんを患った。石工の仕事をやめ、一九六六年に最初の皮膚がん切除手術。以来毎週のように病院に通い、数百回に及ぶ手術を受けた。政府からは一ユーロの補償もなかった。」

小泉純一郎、カザフ訪問2006年夏。下「」引用。

「「日本とカザフが協力すれば、世界一の原子力産業のチェーンができ上がる」。ジャキシェフのこの提言が望月の脳裏に刻まれたる」

【一部のみ】

「韓国の原発輸出戦略」

「四人の暴漢が難なく突破 南ア」 下「」引用。

「襲撃から三年以上が経過したが、「居眠りなど警備上の怠慢があった」とゲルバーらが南ア原子力公社に損害賠償を求めた訴訟は今も係争中。ゲルバーが法廷に提出した書面で「事情聴取さえされない」と嘆いた警察の捜査は進展が見られず、武装集団の正体は不明のままだ。」

「核テロに鈍感な日本」

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「カーン博士と日本つないだ政商」 下「」引用。

「パキスタンの核開発を主導したカーン博士と、資機材を供給した日本の商社ウエスターン・トレーディング。両者をつないだのは実業家のS・M・ファルークだ。関係者の証言からは、自ら課した鉄則を口癖に一九七○年代以降、カーンに食い込んだ「政商」の姿が浮かび上がる。」

--「おわり」にだけ福島原発災害。

「想定外」だった著者。下「」引用。

「私自身、全世界を震撼させる原発事故がよもや日本で起きるとは思っておらず、そうした意味では「原子力村」の専門家同様、今回の事故は「想定外」だった。先見の甘さと洞察の弱さを猛省するほかない。」

そうではないと思いますが……。

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「フクシマ核危機」 下「」引用。

「しかし「フクシマ核危機」は、本音が「解」を探求してきた問いの中にある「核のパワー」が決して核兵器に限定されるものではなく、民生利用を体現する原子力発電をも意味することを、あらためて、そして今さらながら痛感させてくれた。」














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