磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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チェルノブイリ被曝-ベラルーシから-

2008年08月07日 | 読書日記など
『チェルノブイリ被曝-ベラルーシから-』
   ワシーリー・ギゲビッチ、オレグ・チェルノフ(著)/
     瀬尾英吉(訳)/草土文化1993年

チェルノブイリ原発があるウクライナよりも、放射能の悪影響を受けたというベラルーシの状況が書かれてあります。



表紙の裏に書かれてあります。下「」引用。

「*--「原子力発電」の問題は、わたしたちがそれを欲す欲しないということで片づけるには、あまりにも大きく、深く、わたしたちをして、地球規模での進化の法則と、地球上のこれからの文化発展の道についての思索を迫るものである。わたしたちはここで厳かに未来を予言するつもりもない。わたしたちの意図するところはあのチェルノブイリの悲劇にかかわる一連の事件の動きを客観的に描き示すことである。-略-ある人びとにとっては、痛み、病い、絶望、そして逃げ場のない状態、また別の人びとにとってはシニズム、不道徳、出世主義、すべてのこうしたことがチェルノブイリとともにわが国民の上に襲いかかってきたのだ。まさにこのことこそが、わたしたちをして本書を書かしめたいちばんの理由である。」

「ゆがめられた情報」という小タイトル。下「」引用。

「-略-幹部たちや、党、ソビエト機関の人びとは、チェルノブイリの災厄がそんな程度のものではないということに気がつかなかったのだろうか?
 まことに残念なことに、現在このグラスノスチの時代にあっても、われわれはこの問いに答えることができない。当時「ゾーン」内で働いていた原子力関係の学者たちでさえもはっきりしたことはなにも言えないで公式発表をくり返すだけなのだ……。」

飲めない、買えない……。物価も混乱……。下「」引用。

「なぜネーブルを買わないのか? だってわたしのところには子どもが三人もいるし、一キロが四ルーブルもするのですから買えるはずがありません。うちでは副業に牛と豚を飼っていてそのため毎日その世話にかなり時間をとられます。それでもミルクを飲むことも、肉を食べることもできないのです。せっかく豚や牛を飼っても、それをみんなよそに安い価格で出してしまい、自分では同じものを協同組合価格で買うのはおかいしでしよう?」

そして、情報で右往左往……。下「」引用。

「スカンポではたいへんでした! はじめは食べてもいいと言われ、その後地方新聞『レーニンスキイ・スチヤク』に、ある医者がだめだと書いたのです。うちのおじいさんなどは農園できれいに刈り取ってしまった。ほかの人たちもそれにならって刈り取り、そしたらこんどは食べられないのは野生のスカンポで、農地のは大丈夫だと書かれました。こんな調子でどの意見が正しいのやらわからない。どうしてこうなんでしょう? きっと食品の検査などしっかりやっていないからなのでしょう。」

恐怖症といわれても、納得する人……。下「」引用。

「--あなたがたはただたんにラジオファービア(放射線恐怖症)にかかっているのだという人がいます。それに対してどうお考えですか?
アレクサンドロフ そのとおり。われわれは、原子炉に行ったときはなにも恐れなかった。そこで何日も働いた。それはなんでもないことだった。ところがいまわれわれはラジオファービアだ。恐ろしいとか恐ろしくないという問題ではない。もうどうしようもない感覚だ。もう骨のなかにしみついてしまっている。」

そして、きびしい教訓を得た人たち……。下「」引用。

「ベラルーシでは人びとの意識が『平和な』原子力というイメージをもつ方向に転換することはないでしょう。おそらくウクラナイでも同じでしょう」

TMIでも充分教訓を得られたはずです……。

しかし、日本でも、チェルノブイリからも教訓を得られない人たちもいます……。

いつものことに関わる人たちですね。

情報を操作し、ウソをつき、いいイメージだけをくださる……。








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