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岩波現代選書NS 508 核文明の恐怖-原発と核兵器-

2008年08月17日 | 読書日記など
『岩波現代選書NS 508 核文明の恐怖-原発と核兵器-』
   H.コルディコット(著)/高木仁三郎、
      阿木幸男(訳)/岩波書店1979年

著者について。下「」引用。

「1938年、オーストラリアのメルボルン生れ。現在ボストン小児科病院センターに勤務。17歳で医学校に入学。-略-1971年からフランスの核実験範囲運動をオーストラリアで始め、大気圏内核実験を中止させる。-略-」



ボイコット運動もしたという……。下「」引用。

「著名な科学者による、核実験の中止を要求する社説や声明が出された。各新聞は紙面をいっぱいにさいて、読者からの怒りの手紙をのせた。港湾労働者はフランス船への荷の積み込みを拒否した。郵便労働者はふらふらすの郵便の配達を拒否した。消費者はフランス製品をボイコットした。世論調査によると、オーストラリア国民の七五パーセントがフランスの核実験に反対するようになっていた。一九七二年の六月一五日には、広範な大衆の抗議に応えて、オーストラリア政府は国連主催のストックホルム環境会議に代表を送り、すべての核実験の中止を要求するように呼びかけた。」

染色体に傷をつけることは、1927年に知られていた……。下「」引用。

「一九二七年にH・J・マラー博士は、エックス線がショウジョウバエに突然変異の増加をひき起こすという発見で、ノーベル賞を受けた。マラー博士の発見は、その後他の多くの研究者によって確かめられた。そして、多くの動物の遺伝子と染色体が、放射線に傷つけられやすいことがわかった。人間の生殖器官も同様に放射線に影響されやすいと考えられている。さらに、突然変異の数は一回の大線量を浴びた場合も、小線量を何回か浴びた場合も同様に、生殖腺の浴びた放射線量を正比例することがわかった。」

オーストラリアの矛盾はひどいと思う。下「」引用。

「オーストラリアは、現在確認されている自由世界のウラン資源--あらゆる原子力技術が基本的に依存しているといってもよい原料--の二○-三○パーセントを保有している。一九七四年の石油ショック以降オーストラリアの労働党政府は、一九七四年の石油ショック以降オーストラリアの労働党政府は、このウランを世界の市場で売ることを提案してきた。皮肉なことに、その同じ政府が二年前には、ハーグの国際法廷にフランスを提訴して、核実験を地下で行なうように要求したばかりだった。おまけに、オーストラリア政府は、原子力発電を行わないことを国策として決めていた。そして今、オーストラリア政府は国の利益のために、原子力発電のための原料を売る用意があることを公表したのである。」

そして、原住民の知恵ある神話。下「」引用。

「* オーストラリアの豊かなウラン鉱床の多くは原住民部族の聖地にある。原住民の土地をさらに没収しようとする政府は、何千年間もオーストラリア大陸に住みついてきた、内気でお人よしの原住民たちを心なくも、文化的、宗教的に迫害し続けているわけだ。オーストラリアの アヌンク族の神話によれば、“レインボー・スネイク”はウランに富むブロックマン山に住む。静けさを乱されると、レインボー・スネイクはその地方の原住民と白人たちに大災害をもたらし、また世界にも広く災害が及ぶであろうといわれる。」

『原爆神話』、『原発経済神話』、『原発安全神話』などの愚かな神話、それを語る詐欺師とは大きく異なるだろう……。












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