磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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124だまされた人々の方が幸運

2006年07月20日 | Ra.
ラヂオアクティヴィティ[Ra.]
第二部・国境なき恐怖

七、放射能フィーバー

124だまされた人々の方が幸運




「一九三二年には自称「イギリスの著名な毛髪研究家」のフレデリック・ゴドフレイは放射性ヘアトニックの宣伝をしました。最もよく知られたラジウムを含んだ商品の一つはラジウム・ウオーターで、一般的な強壮剤として売られ「液体の太陽光」と宣伝されました。ニューヨークの一会社はラジウム・ウオーターを十五万人の顧客に売ったらしい。また、ラジウムを埋めこんだ陶器で水道水を濾しただけの自家製ラジウム・ウオーターが何千という家庭でつくられました。多くの人々がだまされて、ラジウムを全く含んでいないラジウム・ウオーターを高い金で買わされました。この中にはよく知られたメーカー品「ラドル」もありました」

博士「毒物をわざわざ買っていたのか……」

ミス・ホームズ「でも、買っていた人たちは、そんなことは想ってもみなかったことでしょうね……」

「しかし、これらのだまされた人々の方が幸運でした。不幸だったのは高い金に値するラジウムを買った人々でした。ラジウム・ウオーターの一商品「ラジソール」は放射能が非常に強く、この常用者はラジウム毒で死亡しました。その一人に全国アマチュア・ゴルフ選手権をとったエベン・バイヤーズがいました。彼は数年間にわたり毎日二オンス、つまり五十七グラム入りビンを二本飲んでいたのです。飲み始めたころ「若さの泉」を見つけたと信じました。しかし最後には病気になり、一九三二年、貧血、脳腫瘍、あご骨の崩壊による激痛の中で苦しみ抜いて死んだのです」

李「偽物の方がよかったなんてね、皮肉なことね」

みんなはゾッとしていた。
「放射線は原爆の前にさえ、多くの人の生命や健康を奪っていた!」
なのに、野放しであった。みんなの心の中で不信がさらにつのった。

優勝者はいなかった。三人は一問だけ応えた。ただ、マイクだけが一問も答えられなかった。でも、マイクはユーモア賞で、おなじ賞品だという。

祭田ドンドコは、みんなに図書券を渡していた。でも、日本の書店で買う彼らの書籍があるのだろうか?それを女性アナウンサーにつっこまれた。

「えっ、お買い物できるギフトカードにかえてもらいましょうね」
「それでいいみたいですね」
目の前でフロアー・ディレクターが○を両手で作っていた。

「それでは、来週もクイズ・ドンドコ!一年中、村祭りの祭田ドンドコでした。ドンドコ!」
と、全員で太鼓を叩く真似をして終った。

マイクたちはホテルに帰る道で話しあっている。
「なんだ、クイズ番組かと思ったら、ただのお笑い番組だったなあー。本当のクイズなら、僕も自信があったのになあー」

「まあ、あきれた。いつものことだけど。あれも、バーバラさんに知らせておくといいわねえ」
「おい、それはよしてくれよ。クイズ、ドンドコ!」
太鼓を叩いている真似をしている。

「そんなお笑いちっとも、面白くないよ」
「いやー、面白いよね。ドンドコ!あははは……」

輝代は「マイクの方がもっとおもしろいわ」と話した。

バスの内は爆笑の渦となっていた。
「それにしても、放射能ってこわいものね。はじめから多くの人の命を危険にさらしていたのね」
「自然界にあるウランも、生物の命を危険にさらしているよ」と、博士。

「自然界にも危険があるみたいね」
「そうだけどさ、それは一般の人間は関係があることは少ないけど、人為的なものは、今の番組で教えてくれたように、かなり危険度が高くなると思うよ」








閑話休題

だまされた方がましという。
しかし、笑い話にもならない。

しかし、これは現実の話であり、何冊かの
本に書かれていることでもあります。

被曝の世紀





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