磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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核時代の国家秘密法

2008年05月17日 | 読書日記など
『核時代の国家秘密法』
   上田誠吉・著/大月書店1987年

当時は、不沈空母発言あるいは原発を日本につくったという中曽根首相だったようです。



帯に書かれてあります。下「」引用。

「緊急出版!
空前の言論弾圧法案を徹底解剖
今なぜ国家秘密法か? 中曽根態勢の弱点は?
本書は戦前・戦後の言論弾圧の歴史を掘り起こしつつ、今回の国家秘密法案の狙いと手口を鮮やかにあばく。」

「ほんとうのスパイは処罰されるか」という小タイトルのなかで書かれてありました。下「」引用。

山本鎮彦元警察庁長官(現ベルギー大使)が、「われわれは、治安的に価値のなくなったスパイ事件だけを摘発して新聞発表するので、生きているスパイは、どの新聞にも報道されることがない」と語ったのは、ことの真相をついている。つまり、捕まったときは、スパイはもはやスパイではなくなっている。これが、戦前、戦後を問わぬスパイ捜査の常道である。」

ゾルゲも、日本での活動が終ったときに、検挙され、処刑されたという。

検閲は禁止されているという……。下「」引用。

「いまは検閲はかたく禁止され、報道機関は国民の知る権利にこたえるものとして、高い社会的評価を受けている。つまり、報道機関のおかれている状況はまるで違うのである。いまは、記者が取材活動を通じて、ときに国家秘密にふれることについて、業務起因性の認められる公算は大きい。」

中曽根首相の政治手法などが書かれてありました。下「」引用。

「国家秘密法案が廃案になった、その次の第一○四国会に、中曽根内閣は安全保障会議設置法案を提出し、一九八六年五月にこの法案は成立し、この年七月から安全保障会議が発足し、合わせて内閣の「総合調査機能」の飛躍的強化がはかられ、内閣による情報の総合的管理体制がつくられた。これを国家秘密法制の分野からみるならば、国家秘密法の立法準備を進めるとともに、その立法のできるに先んじて、国家秘密法制を運用する体制を内閣中枢につくる作業が始動したことを意味しよう。-略-中曽根首相の政治手法は、自分のやりたいことを中曽根好みの人たちを集めた審議会に答申させて、これを政策化していくのであって、この場合もその例にもれない。」

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そして、弾圧も強化されたという。下「」引用。

「一九八二年六月四日、全国警備部課長会議でときの三井警察庁長官は、「日本共産党の動向に重大な関心を払い、その実態の把握」に努め、「大衆闘争の高揚」とあわせて「関係動向を早期、的確に把握し、周到綿密に総合的事前対策を推進して事案の未然防止を図るとともに、事案の発生に際しては、『違法行為は看過しない』という基本方針の下に関係法律を積極的に活用し、現行犯逮捕を原則とした厳正な警察措置を徹底して事案の早期鎮圧と拡大防止」に全力をあげるように、という訓示をおこなった。」


議員も軍事を知ってはならないという……。下「」引用。

「しかし松阪の答弁は変わらない。「予算審議の準備行為として、予め知識を得ると云うことの為に、平時から軍事上の秘密と知りつつ之れを探知収集すると云うことになりますれば、是れは違法であると思います。」」

「エピローグ-核時代の国家秘密法-」として、核関連。下「」引用。

「ローゼンバーグ夫妻の処刑の日、アイゼンハウアー大統領は声明を発表して、次のように述べた。「原子戦争の可能性をはかりがたく増大させたことによって、ローゼンバーグ夫妻は、全世界数千万の罪なき人々に死の宣告を下したかもしれない。二人の人間の処刑は重大なことがらである。しかし、これらのスパイの行為が直接数百万の死につながるということこそ、さらにいっそう重大である。」

自らが持てば、神! あるいは正義の兵器。
--そして、敵がもてば、悪魔! あるいは悪魔の兵器! 悪の枢軸、ならず者国家……。
キリスト教の国ならば、黄金律をせめて考えてもらいたいものだ。
--「右の頬……」は公平じゃないので云わないけれど……。

「核兵器の秘密は許されない」と著者。下「」引用。

「人類の生存に対する危険は、現実に存在している「この危険を一刻も早くとりのぞかねばならない。それは地上に現存するすべての人類の良心に、あるいは理性に課せられた、崇高な責務である」(原水爆禁止一九八六年世界大会国際会議・東京から世界へ)。筆者はこの指摘に同意する。」

非核三原則についても、秘密にしてごまかし続けている。
--そして、原発は「公開すれば、自然と廃炉になる」と言われている……。








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