磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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平凡社ライブラリー419 容赦なき戦争-太平洋戦争における人種差別-

2009年01月16日 | 読書日記など
『平凡社ライブラリー419 容赦なき戦争-太平洋戦争における人種差別- War without mercy』
   ジョン・W.ダワー(著)/猿谷要(監修)/
     斎藤元一(訳)/平凡社2001年

終わりころに、こう書かれてある。下「」引用。

「本書とこの『敗北を抱きしめて』とは一対の、というよりは連続性のある壮大な歴史ドラマの研究書といってよいだろう。」



ラッセルが、「戦争とは疫病」といったのがよくわかる本です。

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9月11日のテロ行為を「神風攻撃」と日常的に呼んでもいたという。

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「日本人はナチスより狂暴とされたのはなぜか」下「」引用。

「第二次世界大戦終了直後、ピューリツァー賞を二度受賞したアメリカの歴史アラン・ネビンズが、「われわれは戦争をどう感じたか」という題のエッセーを発表した。その中で彼は、「われわれの歴史上、おそらく日本人ほど嫌悪された敵はいなかったろう」と述べている。ネビンズはその理由として、日本軍の残虐行為に関する報道および太平洋におけることのほか激しい戦いとともに、かの悪名高き真珠湾攻撃を挙げている。「かつて最も野蛮と考えられていたインディアンとの戦い以来忘れられていた感情が、日本軍の凶暴性によって呼びさまされた」と続けている。この二つの戦いを類例として取り上げたことは、もしかするとネビンズが意図した以上に多くのことを、今日のわわれに語りかけているかも知れない。」

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棚上げ理論ですね……。
--どちらもひどいものです……。
戦意高揚のための論理ですね……。

パール・バックの名も出て来た……。下「」引用。

「しかし一方、一九三○年なかばまでには、宣教師や、パール・バックのような人気作家によって、長い苦しみにあってきた中国人一般に対する畏敬の念という逆の流れも生み出されるようになった。」

インドネシアでも労務者狩りをしていたという。 下「」引用。

「泰緬鉄道建設に動員されたジャワ人、タミル人、マレー人、ビルマ人、中国人労務者の数は三○万にも及んだかも知れない。このうち六万人が疾病の巣であるジャングルで息絶えたと見られている。こうしたアジア人男性に対する組織的強制労働に加えて、戦場や占領地においては、数えきれないアジア人(と貧しい日本人)女性が、日本兵の「慰安婦」として売春を強要されたのであった。」

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リンドバーグが書き残しているという……。下「」引用。

「一九四四年五月一八日、リンドバーグが海兵部隊に合流してから二週間後、基地は日本軍による拷問および捕らえれた米軍航空兵の首斬り事件の話でもちきりだったと、彼は記している。一カ月後の六月二一日には、日本人捕虜にたばこをやり、気がゆるんだところを後ろから押え、のどを「真一文字にかき切った」というのを、日本兵殺害の一例として教えてくれたある将軍との会話を要約している。リンドバーグの異議はり、嘲笑と憐憫をもって軽くあしらわれた。六月二六日の日記は、日本人捕虜の虐殺および降下中の日本航空兵の射殺について述べている。ある場所で捕らえれた何千人という日本人捕虜のうち、「引き渡されたのはわずか一○○人か二○○人にすぎなかった。残りの者たちは事故にあったと報告された。仲間が降伏したにもかかわらず、機関銃で撃たれたなどという話が広がれば、投降しようという者などはまずいなくなるだろう」とリンドバーグは聞かされた。日本兵がそうした処遇をうけるのも当然なのだと、リンドバーグは説明された。つまり彼ら自身、捕虜の体を切り刻み、パラシュートで降下中の航空兵めがけて発砲したのだから、と。-略-」

猿の擬人化は戦争以前からあるという……。下「」引用。

「猿の擬人化は、こうした連想とは関係なく存在していたのである。これは白人至上主義者が、非白人を卑しめるため伝統的に用いた隠喩の中で、最も基本的なものであったかも知れない。」


「1945年の「ニューヨーク・タイムズ」日曜版のコラム「人か獣か」より。」



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西海岸への恐怖があったようだ……。下「」引用。

「四三年六月になっても、質問されたアメリカ人の約半数は西海岸への日本の攻撃に対する懸念を表明ししていた。西海岸の日系アメリカ人の立ち退きと強制収容は、この懸念を反映していた。と同時に、日本がアメリカ人にとつて他の枢軸諸国よりはるかに大きな脅威であるという信念に対して公式の承認をあたえることになり、不安を煽ってもいた。」

フィリピン人もニガーと表現……。下「」引用。

「米軍の隠語では、スチュアート・クレートン・ミラーが詳しく記録して記録しているように、フィリピン人は「黒ん坊(ニガー)であり、反逆的な野蛮人であり、「油断のならない土人(グーグー)であった」

太宰治はこんなことを書き残しているという。下「」引用。

「作家太宰治は、真珠湾攻撃の報に接して歓呼の声をあげ、広く引用されている一文で次のように述べた。「けだものみたいに無神経なアメリカの兵隊どもを、目茶苦茶に、ぶん殴りたい」。この激情のほとばしりは、有名な作家によって書かれたという理由でだけではなく、きわめて多くの日本人によって様々な形で表明されたので興味深い。」








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