磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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小泉の勝利メディアの敗北

2010年11月24日 | 読書日記など
『小泉の勝利メディアの敗北』
   上杉隆・著/草思社2006年

帯に書かれてあります。下「」引用。

「誰もが小泉政治を見誤っていた
いかにして彼はメディアを圧倒したか」



ニューヨークタイムズの支局に勤務していた著者。

中曽根康弘の小泉評。下「」引用。

「また、二○○一年、小泉政権誕生時にインタビューをした中曽根康弘元首相は、当時、「小泉君は素晴らしい素質を持ったリーダーであり、大変期待できる」と絶賛していた。だが五年後に再び同じ砂防会館の中曽根事務所で話を聞いた際には「小泉は政治的テロを行なった独裁者だ」と呼び捨てで激しく批判してしいた。」

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「虚像」の田中真紀子。

ワイドショー、「純ちゃんグッズ」……。

田中真紀子の圧力……。

単純な二元論「田中真紀子は善、外務官僚は悪」

基本的なタブー。下「」引用。

「たとえば、日本では、雑誌などのメディアでしか取り上げられることのない暴力団などへのインタビュー記事、芸能界の腐敗、電通などの広告代理店、それに絡むスポーツ放映権や広告主の問題、そして皇室の内部事情などを扱うことは基本的にタブーとなっている。」

ジャニーズ、NYタイムズ。下「」引用。

「たとえば、その高級紙と呼ばれる新聞の代表格でもあるニューヨーク・タイムズでさえ、私の所属していた時期には、日本のメディアが「下品」とするジャニーズ事務所の強制わいせつ事件や、叶姉妹へのインタビュー記事を大きく掲載した。総会屋やヤクザ、マフィアの記事も多かった。電通やテレビ局の記事も何度も載った。」

米軍の岡本……。下「」引用。

「岡本率いる「対外関係タスクフォース」で論じられたことは、のちのイラク戦争などで小泉が主張した日本の国際貢献策の土台になっている。安倍政権になっても延長されているテロ特措法は、まさしく小泉政権の遺産であり、象徴である。」

審議会はアリバイ工作に使われる公権力側の隠れみのだという……。

石原伸晃。下「」引用。

「そして道路調査会会長は石原伸晃が就任し、道路建設の「凍結」は画に描いた餅となった。小泉が道路公団改革を口にすることもなくなった。」

「流出した「平沢勝栄」と北朝鮮の「売国交渉」記録」 下「」引用。

「-略-紛れもなく日本の国会議員である彼が、「テロ支援国家」北朝鮮に対して致命的ともいえる譲歩を示した瞬間だった--。」

石原大臣にして……。下「」引用。

「囁かれる〈石原新党〉誕生の芽を完全に摘むために、石原伸晃を国土交通大臣に充てた。自他共に認める親バカの石原慎太郎にとっては、それが〈人質〉を意味するばかりでなく、東京都が推し進めてきた環境政策と対決する国家機関の長(大臣)に、息子が就任したことが大きい。さらに石原国交相誕生は、批判の強まっていた道路公団の藤井治芳総裁の更迭を目指し、本来の敵である野党民主党の結党大会当日(一○月五日)に、そのニュースをぶつけてくる念の入れようで実行に移させた。ひとつの人事でいくつもの意味を持つ、まさしくそれは〈手品師〉のようだった。」

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勝手な約束をした平沢。下「」引用。

「(五人の家族は北朝鮮に)恋人もいるしね、学校もあるし、だからまずは要するに発端が拉致なんだから、まずは(日本に)戻ってきて話し合って、(北朝鮮に)戻りたいって言ったら、絶対にそれは戻すっていう、これは保証しますよ、これ」
 平沢の言う「保証」がどんな裏付けに基づいたものであったか、いまになってもまったく明らかになっていない。
 だがなんといっても最も罪深いのは、冒頭に紹介した制裁法案等をストップするというセリフだろう。」

山崎派《近未来政策研究会》に入会した平沢。

強い姿勢で臨んでいるフリをしていた平沢。下「」引用。

「北朝鮮に強い姿勢で臨んでいるフリをして、実際は、対北経済制裁発動を見合わせるような空手形を交渉相手に切ってしまう者、つまり平沢勝栄のような政治家-略-」

「米から見る靖国参拝」 下「」引用。

「戦後の講和条約等で「戦犯」と認定された三人を断罪する展示パネルにまったく差はない。私たち日本人にすれば、ヒトラーの東條元首相の扱いが同じであることが驚きだ。だが、先月来日した米政府高官によれば、米国では、ヒトラーもムソリーニも、トージョー(東條)も、等しく「独裁者」、同じ「戦犯」だ。」

東条の骨と分祠。下「」引用。

「東條元首相の遺骨は太平洋に撒かれて、靖国神社にはない。書類一枚でA級戦犯を合祀したのだから、分祠も難しいことではないはずだ。小泉首相は、靖国神社参拝の意義を、世界に説明できないでいる。同盟国(米国)の国立博物館の展示パネルすら変更できない以上、日本が変わるしかないのだろう。」

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前原誠司と、久間章生。下「」引用。

「久間章生と前原誠司。二二歳も年の離れたふたりだが、その関係は決して浅くないものである。
 超党派の勉強会「安全保障研究所」(日米文化振興会)に所属しているふたりは、何度も一緒に訪米し、何度も安全保障について語り合った旧知の仲だった。かたや防衛庁長官や自民党安全保障調査会会長を歴任したベテラン政治家、かたや当選三回の若い野党代議士だったが、ふたりの安保外交政策に関する考え方は極めて近かった。-略-」

前原と小泉……。下「」引用。

「その後、当の小泉は、前原に対して秋波を送り続け、本気で政界再編を目指すかのような動きを見せた。それは結局、野党民主党を取り込むためのメッセージにすぎなかった。有事法制は、日米強調路線の柱となり、その後の小泉の政権運営を極めて楽にする。つり国会運営を円滑にするために小泉は戦後初めて、国会という公の場で野党第一党を屈服させることに成功したのだ。これも見方を変えれば権力闘争における小泉の勝利なのである。」

「天皇家を「政争の具」にした小泉首相の傲り」

一つだけ、大きな間違いがあったとボクは思う……。
小泉政治の「功」というのが、それである。
例えば北朝鮮の拉致問題は、功績などではない。
外交というのは、その時点だけで考えるべきものではないだろう……。
詐欺的手法をとったから、後の外交が行き詰まったという人たちもいる……。
長い目でみれば、刺にしかすぎないものを「功」などとはいえないだろう。
友好というのは、内外、公私ともに皆無であった総理に外交での「功」があろうはずがない……。

しかし、メディアの敗北という著者はまともだろう……。

小泉と癒着チームとして活躍している人たちが大半ではないか?






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