オセンタルカの太陽帝国

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柏崎辺りが聖ファラオの国と思ってます

山木判官の野望。

2007年09月17日 05時37分27秒 |   源頼朝

ゲームのお話。
大分前からちまちま遊んでいる無料ゲームで、 『戦国史』という国盗りゲームがありまして、これがスゴいんでございます。ゲームは、かつて信長の野望と人気を二分していたシステムソフトのゲーム『天下統一』に似たような感じなんですが、どんな弱小勢力でも気合いと根性と力技でどうにかなってしまうコーエーのゲームに対し、天下統一は弱小勢力は無い頭を振り絞らなきゃならなくて、それが好きだった。天下統一のIVの廉価版が出るのをずーーーっと待ってたんですが(まだ出ない)、そんな私の前にポンと現れたのがこの『戦国史』でした。戦国史ではより弱小勢力の生き残りが厳しくなっており、「戦争よりも外交の妙に力を入れた」と謳っております。
この戦国史、フリーゲームで標準で装備されているシナリオで遊んでも良いのですが、一番のウリは自分でデータや地図をこしらえて、自由に公開できるということでした。ゲームが配布され始めたのは6、7年前ですが、現在でも愛好者が多くて配布サイトも結構な数が存在します。作れるシナリオは戦国時代や日本だけに限らず、南北朝時代や三國志や魏晋南北朝時代や十二国記や風の谷のナウシカや現代企業ゲームなど、何でもあり。私はとりわけ太平記シナリオや源平時代のが好きだったです。
きのう久し振りに源平時代の作者さんのサイト(『awakの戦国史シナリオ工房』さん)に行って、シナリオをダウンロードしなおしてみたら、うををををおおお~~、かなりバージョンアップされているぅ。そもそも私のパソコンに入っていた源平時代シナリオは2004年の版だった。その時点であまりのカオスさに「こりゃすげえっ」とびっくりしたんですが、この作者さん、あれから数年かけて、手を加え続けてたんですねぇ。凄いです。なんと登場人物1700名!(←えっ!?) 旧版にはなかった「人物列伝」の項も(まだ途中みたいですけど)充実しています。一番の見所は地図マップの改訂。前のに比べて倍ぐらいすばらしいものになっています。(まだまだ変なヵ所もあるけど、そりゃ仕方がないってもんです)

実は私は源平時代が好きになって間もないので、このシナリオはダウンロードしたっきり、ずっとほったらかしにしてあった。まともに遊ぼうと思ったのは1年くらい前からです。とにかく武将数が多いので、その能力値設定が楽しくてね。新版が出てたなんて知らなかったんで、何度も遊びかけてもあまりのこの時代の途方も無さにその都度放り出してしまったのでした。だって、弱小勢力でも自分の地域でちんまりと息を長らえさせていける戦国時代と違って、源平時代はすべての勢力が中央の力関係に連動してるんです。すべての勢力は敵か味方。中立勢力が無い(=外交戦略で乗り切る事が出来ない)
私は伊豆にしか興味がありませんので、当然選ぶのは「山木判官」(←えっ!?)。ところがこのゲーム、山木判官の部下には堤信遠と中原知親の2名しかいないんです。同名勢力として伊東や相模の大庭らがいるのですが、一方で隣接する北条郷や伊豆国府には頼朝配下の武将がうようよと。しかも山木家は「平家の従属国」として設定されていて(そりゃそうだ)、独力で他勢力と交渉する権限が与えられていません。で、ゲーム開始直後に攻め込まれ、近隣の同盟勢力に助力を仰ぐ間もなくゲームは終わり。うをーーーん。

これが新バージョンではどうなっていたかというと。
人員の配置関係はほとんど変わりがありません。しかし、勢力分布がちょっと変わっているのです。前バージョンで一番の問題だった点は、山木判官は伊豆の支配者であるはずなのに関わらず、3人しか武将がいないという点でした。それに対して源頼朝の布陣が強力すぎるのです。北条館にいる北条時政・宗時・義時・時定・天野遠景・加藤親子・盛長・伊賀朝光(えっ)に加え、修善寺にいる後藤親子(だれ?)、宇佐美祐茂・工藤祐経・比企義員親子(えっ)、さらに加えて伊豆国府にいる佐々木4兄弟に加えて佐々木秀義(えっ?)、大庭景義(えっ?)、岡崎・佐奈田親子(えっ? でも土肥実平はいない)、足利義兼(ががーんっ)、和田義盛(なんで?)ら総勢27名に率いられた兵力3000が、開始のターン(治承4年5月)に山木館に向かって押し寄せてくるのです。勝てるはずがないじゃん。どうなってるんだ頼朝の挙兵。(は、87人だったはず…)
それがですね、新しいバージョンではどうなっているかというと、山木判官は「山木家」という孤立した勢力ではなく、「伊賀平氏」という勢力の一部と変更されているのです。山木館にいるのは3人だけど、本拠地伊賀には父・関信兼(えっ?)やかわいい弟たちら合わせて10名前後の武将が補強された。これをうまく駆使して、最初の頼朝の猛攻を乗り切れということだな? 私はそう考えました。

ところがどっこい。せっかく武将の数が増えたのにかかわらず、いざ武将を伊賀から伊豆に移動しようとすると「道路が繋がっていないので出来ません」と出ます。内政をしようとすると、「当主(父信兼)のいる場所から遠すぎるので出来ません」と出る。おいっ。前より悪いじゃん。しかも伊賀の方も開始直後に山本義経が攻めてくるので伊豆どころじゃなくなる。よっ、義経ぇ~~。だからとりあえず開始直後の頼朝の侵攻を防ごうかと思い、「主家を清和源氏に鞍替え」してみると、伊東と相模平氏が敵となって(当たり前だ)次のターンに伊東祐親と大庭景親が大軍で山木館に攻め込んでくるし、「じゃ、近い場所の官軍に助けて貰おう」と思って駿河の橘家に「主家の鞍替え」を申し出ると「それはできません」と言われるし(当たり前か)、もぉ、お手上げ。
平家はなんで何にもしてくれないのだ。

山木判官で遊ぼうと思うのが間違ってるんですかねぇ。
せめて、あと数ヶ月の猶予があれば…(史実では頼朝は8月まで待ってくれるのに~。このせっかちさんっ)。なんで相模・武蔵のやつらがみんなで伊豆にいるんだっ。せめて、無双の勇士・関屋八郎がいてくれたらっ(データを見るとどこかにいるみたいなんですが)。せめて、頼朝の山木攻めの時に黄瀬川に遊びに行っていた山木判官の部下たちがいてくれたらっ。

このゲームで山木が勝てるようにするにはどうしたらいいんでしょう?
まず山木館の武将数を多くする事は先決だな。関屋八郎は当然として、あと2、3人。(どうせだから架空の人を増やすよりも藤原邦通が逃げ出しそびれて山木館にいるとか(まだ5月だから)、文覚上人が山木で捕縛されているとか、ちょっとおマヌな仁田四郎が(山木攻めには参加していないはずだから)8月以前は山木側にいるとか、改変しちゃってもいいかもしれない)
それから、伊豆国府、これは確実に平家側のはずだろぅ。伊豆国府にいたと思われる源有綱はどこかへ逃げちゃったとしても、伊豆国府がこっち側に確保できているかどうかで大きく変わると思う。平時忠は国司なんだから、息子のひとりかふたり、こっちに送りなさい。それから平家、早く追討軍を送りなさい。伊豆国府にいる相模・武蔵の武士たちはとっとと自分たちのところに帰りなさい。
不確定要素が少なすぎる事も、外交のしようが無い手詰まり感に繋がっていると思う。外交次第でどっちにも転ぶ中立勢力がいくつか欲しいと思う。例えば地図に伊豆山神社(はちょっと厳しいとしても)、箱根の修験者たちとか三島大社の神官軍団を追加するとか、伊豆大島は源為朝の残党たちの島にするとか、牧氏はもうちょっとこっち寄りにするとか。(都に、「池氏平氏」という反平家の大勢力があることに笑いました)。

…などなどと、考えているうちに、「じゃあ自分で作ってしまおう」と思っていろいろとマニュアルを読み始めたんですが、「シナリオエディタ」は有料版にしか付属してないんですってよ。旧版にはマップエディタが付属していたのに、新版ではそれも削除されている。ゲームを遊ぶのは無料だけど、新しいシナリオを作るのは有料(3000円)、ってのは、うまい商売だなと思いました。(だって自分だけのデータのゲームを作りたくなりますもん。作るのすごく楽しそう) ちくしょー、半年前なら趣味の為の3千円なんて惜しくもなかったのに。このゲームの「同盟・寝返り」の設定が緻密に面白く設定出来るとしたら、私が世界一面白いゲームだと思っている『ドラゴンパス』をこれで作ったら、すごく楽しいものが出来あがると思うんですよ。


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2 コメント

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戦国史、いいですよね (儀一)
2007-09-19 18:59:21
実を申さば「自分で好きに城を設定できる」というのに惚れ、ちまちまと関東戦国時代を再現しようと資料を調べ作っていたのは懐かしい思い出でございます。

結局それは常陸一国の中世城館を作るのに精一杯で、試しにそれでプレイしてみたら・・・1ヶ月もしない内にゲームが強制終了でした(笑
もっともこれは我がPCのスペックが追いつかなかった為だと思われます。

武将の顔が表示されない分、プレイヤー個々人の理想を裏切らないなっと思ったりしました。
(人によって武将の理想像違いますからね)
ひたち。 (麁鹿火)
2007-09-20 09:42:40
儀一さん、
日記がしばらくお休みされていたので寂しく思っていました~
儀一さんも戦国史シナリオ作成経験者でしたか。常陸一国でも大した物です。関東地方は地図を眺めているだけでクラクラきてしまいます。やっぱり作りたくなりますよね、自分だけの地図を。「やたらと軽いゲームだ」と思っていましたが、やっぱり自分で作ったりすると違うのでしょうか。それとも儀一さんがあまりにも凝ったデータを作ったからでしょうか。
で、やっぱりシナリオは、有料版を買ってないと作る事は出来ないんですか?

戦国史のシナリオをいろいろ遊んでみて一番楽しいと思う事は、同じ時代を扱った物でも、制作者によってずいぶん趣が違うという事です。「この人はココが好きなんだな~」と想像しながら遊ぶのが楽しい。
目下の所、チンギスハーンの膨大なゲームに何度も繰り返し挑戦しています。(鎌倉幕府で)
武将絵については… 私も絵を描くのが好きなので一生懸命たくさん描いてみるのですが、「自分だけのあの人の顔」を描くのが楽しいんですよね。他の人に同意してもらえなくても。その上で他の人が描いた絵も見るのが好きです。

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