ゆっくり読書

読んだ本の感想を中心に、日々、思ったことをつれづれに記します。

言論の自由

2014-11-23 20:00:13 | Weblog
これから寒い冬が来るのに、雪深いところなのに、
自宅で新年を迎えられない被災地のみなさんが、
少しでも明るく、前向きにこれからの毎日を過ごせますように。

さて、今日は読書三連発。
『女子の武士道』『いま沖縄で起きている大変なこと』『ウィトゲンシュタインの建築』

日本の素晴らしいところは、言論の自由があるところだと思う。
いやいや、マスコミは左翼に支配されていて真実を伝えない。
教科書だって問題だらけじゃないか、という意見もあるが、
どう卑下したところで、お隣の「大国」の言論統制に比べたら、まだまだ自由だ。

ここ数日、沖縄が私の周囲にあって、
それは、中国の同僚の社員旅行先だったり、沖縄知事選の報道だったり、
親友と行った料理屋さんだったり、
そして、久しぶりに会った友人の話題の一部だったりした。

私が沖縄をはっきりと意識した最初のきっかけは、大学受験のときだ。
どうやら沖縄枠というのがあるらしい、という話。

次が、社会人になって初めての中国出張の前、
上司の「僕が最初にパスポートをとったのは、沖縄に行くためだったなあ」という一言。

沖縄戦の映像、基地問題、米軍のマナーとモラル。
美しい海。
いつのまにか長寿の島ではなくなった沖縄。

そして最近では、中国人へのビザ緩和で、どんどん中国人を呼び込んでおり、
基地があるので大量の補助金が投下されている日本のひとつの県。

基地の是非を問う時にふと思ったのは、
アメリカが統治していた30年近くの間に、沖縄はどう変わったのだろう、
そして、いまどう変わろうとしているのだろう、ということだ。

先日の知事選の報道を見ていた時に、
なんとなくマスコミの報道が偏っているような気がした。
日本であるからには、もっと多様な意見がありそうなものなのに、
対中国のコメントが、驚くほどに出てこなかった。

マナーが悪い中国人観光客が大挙しておしよせ、尖閣諸島だって近く、
サンゴ密漁船だって海で出くわしたりするだろうに、
本当にそれらに対してまったく危険性を感じず、
アメリカ軍よ、出て行け!と言うのだろうか。
私だったら、アメリカ軍は出て行け、自衛隊よ来い!とすら思うかもしれない。

私の母は、むかし、こう言っていた。
アメリカが沖縄を大改革して、いいかどうかは別として、予防接種とか防疫はすごく進んだ。
たぶん、ベトナム戦争のときに使う薬の人体実験の意味もあったろうけど。
まあ、意図は意図だけど、こういうときのキリスト教徒っていうのは、
善人の顔をして、でも実際に防疫の最前線に立つから、やっぱりすごいよね。
仏教徒は、こういうことしないじゃない、と。

現実は移り変わるものだけど、なんだかすごく過去が隠蔽されてるような気がする。
日本政府が隠蔽した部分もあるだろうけど、
やっぱり大陸系の左翼の影響もあるんじゃないかなあと思える部分もある。
中国では、歴史は未来に向かって書き換えられるものだから。

中国共産党は、沖縄も中国の一部分だというキャンペーンをずっと続けているけど、
もし実際に中国の一部分になってしまったら、
漢族が大量に移民してきて、いまのウイグルやチベットのように、
沖縄もなってしまうだろう。
沖縄人が単なる中国人になれると思ったら大間違いで、これは華僑も同じ運命。
そして、沖縄の人たちが、選挙によって中国の一部になることを決めたとしても、
中国の一部になった途端、選挙すらできなくなる。

もし、琉球に戻れるんだと信じている人がいたとしても、
昔みたいに、太平洋を背にし、大陸に朝貢貿易すればいいという単純な構図じゃない。
中国は「大国」として、ハワイまでの海を自分のものにすると
国際社会に向かって、はっきりと表明したのだから。
強制的に立ち退きが行われ、中国人民解放軍の基地が作られ、
解放軍のために奉仕するのが沖縄の人々の役割になるだろう。

できたら台湾も仲間に加えて、基地問題を国防の問題としてちゃんと考える時期だ。
結局、100年前とあまり変わっていない。
ただ、工夫さえすれば、手に入れられる情報量は格段に増えた。

秋を堪能

2014-11-22 17:12:09 | Weblog
昨日の昼休みに、かなり黄色くなった外苑前を歩いた。

 

歩いていて、バンコクを思い出した。
金色の仏塔が天に映える祈りの町。

バンコクはそれをタイルであらわしたけれど、
日本では、自然がその世界を見せてくれる。
バンコクのタイルは毎朝同じように太陽の光できらめくけれど、
日本のそれは、はかなく、でも毎年必ず訪れる美しい光景。
どちらも、美しい。

でも私は、日本の美しさが嬉しいな。

 

そして今日は、家の周りをうろうろ。

隣家のおじさんが大切に育てているお花たち。

 

おじさんに、「日本は空気がきれいで、とりわけ花も綺麗に見えるね」と言ったら、
「中国は、飛行機で空港に降り立つ時、下が真っ白に見えるもんね」という返事が来た。
そのとおりだ。

今年はとりわけ、日本の秋が目にしみる。堪能しよう。

 

帰ってきたんだなあ、と思う。

 

お決まりとして、一眼レフを覗いているうちに、
息を止めすぎて、苦しくなってきたので帰宅。

いまが一番好きな季節だ。

愚痴

2014-11-19 23:56:49 | Weblog
人間は弱いなあ、と、思う。

というのも、ここ数日、仕事が猛烈に忙しい。

というのも、コスパが悪い中国からベトナムに開発拠点を動かしたのだけど、
結局、安かろう悪かろうで、やっぱり完成度6割の仕事レベルであり、
しかも、中国に比べ言葉が通じないために、
ベトナムにはガツンと言ってやることもできず、イライラしている。

仲介している日本の企業に、どこに目をつけてんだ!と言ってやればいいのだが、
そんなんじゃ、ベトナムの現場は馬耳東風なんだろうと思うにつけ、
中国語で怒鳴り込むような強引さをベトナムに発揮できないことに、
ひたすら、、、、、歯がゆさを覚える。

この分だと、まず覚えるのは、喧嘩のための英語だなあ。
でも、東南アジアの場合、日本語で喧嘩したほうが影響力があるんだろな。

とにかく、そうならないことを祈るのみ、だ。

で。

朝一番からめんどくさいなあ、と思ったのはそんなことではなく、
最近入った新入社員だけど、私よりも10歳くらい年上の女性が、
人事評価制度が非常に不平等だと、朝一番から愚痴り始めたこと。

愚痴りたいことは、十分に理解する。
だけど、特定の例について話すのは、単なる悪口になるか、
または発展性がない愚痴になるのでノーコメントと言ったにもかかわらず、
相手はひとしきり愚痴を言わずには済まなかったとみえ、
ひたすら延々とまくしたてられたこと。

日本人の女性にだ。
こういう時の往生際の悪さは、中国人以上だろう。

そのあと、私は一日中、
聞いた話を上司と話し合って、具体的に解決すべきなのか、
そのまま、オフサイドだけどスルーするのか悩んだ。

ちなみに愚痴ってた本人には、
社内制度に関することは、私には権限がないので、
ある人に、ある言い方で相談したらいい、というアドバイスはした。
でも、実際に行動にうつさなかったから、
本当に愚痴りたかっただけなんだろう。

腐臭、だ。

弱さをさらけだす勇気を持とうよ。

弱いからこそ、素直になれば救ってもらえるんだと思う。

2014-11-15 00:38:22 | Weblog
上海の中国人の同僚に見せたら、すごく喜んだ写真。



会社からすぐ近くのイチョウ並木。
こんなにキレイな空の下で働けるなんて、うらやましい、と。

日本は美しい。



最近、和服がきれいに、きちんと着られるようになりたいなあ、と思う。
ちょっと不便かもしれないけど、和服を着て働いてみたいなあ。
和服の人と打ち合わせをしたら、ちょっと改まった感じがするだろう。
お金と効率ばかりを追って、小さなことに一喜一憂したりしなくて、
そのものの「あり方」について話し合えるような気がする。

気のせいかもしれないけど、そもそも日本ってさあ、という凛とした気持ちを
共有できそうな気がする。
男性と女性の違いも、ごく自然なこととして了解できそうな気もする。
おそらく私の言葉遣いも、もう少したおやかになるんじゃないだろうか。

まあ、無理か。

それにしても、秋は美しい。

事故

2014-11-09 22:48:35 | Weblog
いつかこういう事故が起きるだろうなあとは思っていた。
中国人は、他人の導線なんか考えない人種である。
ひたすら自分の領土だけを主張する人種である。

上海にいたころ、何度かフィギュアスケートを見に行ったけど、
いつもマナーがない中国人選手の態度に危険を感じていた。
ついに起きてしまったなあ、という感じだ。

それにしても、まさに日本人の中国嫌いに拍車をかけるような事故。
日本人のほとんどは「やりやがったな」と思ったろう。
そして、中国人のほとんどは「単なる事故」と思ったろう。

まあ、とりあえず私が思うのは、人生というのは帳尻が合うもので、
いいときもあれば悪い時もあり、
大いなる運命のいたずらは、個人の力ではいかんともしがたく、
諸行無常の響きを感じるということだ。

今、わたしたちは、この一年に結果を出せと言われる。
もっと短くて、3ヶ月単位、1ヶ月単位で結果を求められる人も多いだろう。
でも、2000年前と比べても、人間は、脈拍も呼吸も速度が上がっていない。

仏教が生まれた当時のように、
今生だけでなくて、来世の祝福を求めて少しずつ功徳を積むという心は、
人を救ってくれる道なのではないだろうか。

アメリカから入ってきた成果主義。
でもこれは、キリスト教の神との契約がない私たちの国に、
その形式だけを移入しても、無理が出るものだったと思う。

そして、中国はアメリカとそっくりだと思う時がある。
たぶん日本だけが特殊なんだろう。

そんな日本でいいじゃないか。
グローバル化なんてしなくていいじゃないか。

そう思う時が増えた。

自由

2014-11-03 22:32:42 | Weblog
日本は窮屈なのだろうか。

上海から帰ってきた当時は、自分の足音が聞こえてくる静かな街、
日本人特有の会話のテンポに戸惑ったけど、
そうしたものに慣れてきた今、やっぱり日本は自由な国だと思うようになった。

自由だと思う理由は一つで、
自分の考え方をはっきりと述べても、捕まることがない、という点だ。
属している団体から村八分になることはあっても、
まず刑務所に入ることはない。
思想犯として「改造」されることも、強制労働させられることもない。

形式があることと窮屈なことは違う。
私はやはり、中国の方が窮屈な国で、日本の方が自由な国だと思う。

中国は、拝金メンツ主義だから、お金儲けのために何をやってもよくて、
犯罪者でも金持ちがえらい!という価値観だから、
確かに「仕事」という面では自由度が高い。

でも、これはモラルが低いことと同じで、
日本の海域に宝石サンゴを密漁に来たり、
チベットからレアアース、ウイグルから石油を根こそぎとっていくのも同じ。
もっと言うと、北京のきれいな空気だって、平気で奪う。
なんでもありでお金を稼ぐ。

でも、チベットに自治を!と言っただけで捕まる。
これが自由で働きやすい国なのか、と思う。
中国が自由で働きやすいという人とは、私は自由を測る基準が違うんだと思った。
尺度というのは、人それぞれだ。

でも、中国も変わったなあ、と思うことがある。
今日ニュースを見ていたら、APECのために政府が自家用車の市内への乗り入れを規制しており、
それに対して市民が「たった13人の人間のために、多くの北京市民が不便を強いられるなんて」と
文句を言っていた。外国のメディアに対して。

こんなこと、20年前ではあり得なかっただろう。
もっと変わればいいのになあ。