ゆっくり読書

読んだ本の感想を中心に、日々、思ったことをつれづれに記します。

最新作を観た

2015-12-27 14:42:00 | Weblog
間に合った。

2015年の年初に病を得たことを知って、それから治療。
辛かった時、いつも、スターウォーズの最新作を劇場で観るまでに治す。
そして、エピソード9が完結するまで、絶対に死なない。
そう思ってた。

私が一番最初に、映画館に観に行った映画は、スターウォーズの最初の3部作。
当時、映画の仕事をしていた父と、私を産むまでは映画の仕事をしていた母が、
私に本気で言った。
「静かにしていられる? いい子にしていられるなら、一緒に連れて行くけど、
 約束できないなら、おばあちゃんのところでお留守番」

もちろん、絶対静かにしてると言って、連れて行ってもらった。
父は信じなかった。母は、もし嘘ついたら次はないよ、と怖い顔で言った。
それでも、絶対に見たい!と言った。そして連れて行ってもらった。
今はもうない、テアトル東急。あの時、まだ幼稚園生だった。
字幕なんて、何が書いてあるのか、わからない。
でも、以来、スターウォーズの大ファンになった。

最初の3部作の時、父と母がいた。
次の3部作の時には、父だけがいた。
そして今は、私しかいない。

先月から週末を使ってちゃんと復習して最新作を観に行った。
金曜日の夜は、クリスマスで空いてる映画館で、2D。
昨日は、たまたま会った友人がスターウォーズファンだったので、急遽3D版を。

今、両親と心の中で、最新作のストーリーと、この後の2作の予想を語り合っている。
ギリシアからローマに至る歴史、そして世界大戦の大量死を乗り越えるための壮大な物語。
それは、自分たちの出処証明と、勝者としての誇りをかけた物語。
第二次大戦の勝者であるアメリカだけが描ける、アメリカが描かなければならない映画。
私はスターウォーズをそう思っている。

そんな映画を、黒澤映画に憧れたアメリカ人が、日本へのリスペクトを持って撮る。
ジェダイは柔道着を着て、共和国のえらい偉い人たちは着物を着る。
日本人にとって変だな、と思ったエピソード1から3までの女性たちの髪型やメイクは、
日本かぶれした西洋人の変なアレンジと思うかもしれないけど、
中国の人民解放軍が侵略する前のチベット貴族たちの盛装に、よく似ている。
パドメ・アミダラは、
チベット語による観音菩薩のマントラ、「オン マニ パドメ フム」を
アミダラは、サンスクリットから、中国語、日本語に受け継がれた「阿弥陀」連想させる。

今生を究極に救ってくれる阿弥陀様が産み落とした子供が、ダークサイドに堕ちる。
これは、六道輪廻に苦しむ人間と、神の世界から堕ち、原罪を背負って生きる人の姿そのものだ。

スターウォーズは、みんな、それぞれの入れ込みが非常に強い作品なので、
好き嫌いはそれぞれだし、みんな色々と語りたいものだろうと思う。

そのすべての感想がいいと思う。やっぱり面白くなかったと言う感想もありだ。
私が今、一番語り合いたい人たちは冥界にいる。
もしくは輪廻して違う姿をしている。
でもフォースは光として私を包んでいる。
その光は、冥界にいる両親と私の心を繋いでくれる。

お父さん、お母さん、最新作、観たよ。
ありがとう。私を愛してくれて。