黒沢永紀オフィシャルブログ(旧・廃墟徒然草)

産業遺産と建築、廃墟、時空旅行、都市のほころびや不思議な景観、ノスタルジックな街角など、歴史的“感考”地を読み解く

旧元町小学校 #03

2008-04-19 01:14:52 | 廃墟その他
関東大震災後の復興事業として、
学校と公園の一体型構造として造られた52校のうち、
唯一当時の形で現存する旧元町小学校。→Mapion



敷地の中には奇妙なプールがあります。
何が奇妙かというと、その大きさです。
普通学校プールというと25mプールを想像しますが、
底に残るデッキブラシの大きさから推測しても、
せいぜい7m×3m位で、深さも70cm位でしょうかす。
これでは幼児用プールとかわりません。
なぜ小学校の敷地内にこんな小さなプールがあるのかが不思議です。







プールの横にはちゃんと足洗い場と腰まで浸かる消毒槽らしきものもありますが、
こちらも人が一人入るのがやっとなくらいの大きさです。







窓越しに教室を覗いてみました。
綺麗に塗り直されているものの、
下1/4が板張りの壁面、格子木枠の大きな窓ガラスなどから、
歴史ある学校だったことが伺えます。
その他、
地下室(おそらくボイラー室とかだと思いますが)へ降りる階段周りのデザインや、
随所にある石階段など、戦後の学校にはない昭和初期らしさが残る学校です。

現在、隣接する元町公園とともに、
区の総合体育館の建設予定地として計画が進んでいるそうなので、
もしかしたらなくなるのも時間の問題かもしれません。
ご興味のある方は、お早めに見学されることをお薦めします。


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2 Comments

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奇妙なプ-ル (アナログ)
2008-05-01 01:03:32
元町小学校には、幼稚園が併設されていました。
おそらく幼稚園のプ-ルと思われます。
プ-ルというよりはジャブジャブ池という感覚でしょうか。
私の通った幼稚園にも同じようなプ-ルがありました。

教室の中、よく撮られましたね。
復興小学校の内部は大体この水準で、今となっては非常に高級なんですよ。
切り倒されてなくなってますが、スチ-ム暖房用の煙突が必ずあり、地下にはボイラ-室が標準装備されており、戦前のある時期まではスチ-ム暖房をやっていたらしい。
戦後はダルマスト-ブになってしまい、レベルダウンですね。

同様に廃校となっていますが現存し、色々な事に使われている、入谷にある旧台東区立坂本小学校は、休日には開放されていることがあり、内部を見学できると思います。
こちらは、通り側から見ると元町小学校と殆ど同じ印象ですが、入り口のある路地側から見ると物凄く分離派っぽいです。
初期型復興小学校は、どれも要塞のように頑丈につくられており、震災直後の都市計画の一端をかいまみることができるように思います。
安全ぼけしてしまった現代に最後の警笛を鳴らしているかのように思われます。
▼アナログさんへ (廃墟徒然草)
2008-05-01 04:52:58
元町小学校には幼稚園も併設されていたんですね。
それでプールのサイズも納得しました。

>スチ-ム暖房用の煙突が必ずあり、地下にはボイラ-室が標準装備されており~

そうだったんですね。
地下へ降りる階段が校舎の横にありましたが、
私の通った小学校は、地下などないので、とても不思議でした。
その雰囲気からボイラー室かな?と思いましたが、
地下がボイラー室かどうかは別にして、
実際ボイラー室があったんですね。

>入谷にある旧台東区立坂本小学校

分離派っぽいと聞いたら、いかないわけには行きませんね。
朝倉彫像館とともに谷中へ行った際に、
入谷もまわって見学してみようと思います。
それに加えて、復興小学校m現存するものは少ないようなので、
明石小学校、九段小学校、十思小学校(wiki情報)など、
機会をみて見学してみようと思います。
 

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