■ オフサイドは、大切なルールなのか?! |
◆なぜか、知名度は高い「オフサイド」
『(左図参照)赤色のチームがボールを保持しています。次の瞬間、前線へパスを出した時にオフサイドになる選手はいるでしょうか?!』
これを読んでくださっている方のほとんどが、即答出来ると思います。
Jリーグが発足した十数年前、“サッカー(Jリーグ)ブーム”が訪れました。当時、次のような笑い話がありました。通学中のバスの中で女子大生の話声が聞こえてきました。
女性:「オフサイドってジーコ?」
まぁ、Jリーグブームに乗ろうとしたにわか女子大生だったと思うのですが、当時マスコミでも「初心者の為のサッカー講座」みたいな感じで、基本的なルールをスポーツ番組などで取り扱っていたと記憶しています。しかし、サッカーを知らないであろう女子大生であっても、なぜか「オフサイド」という言葉を知っていたというのは、不思議な話です。
「イエローカード、レッドカード、フリーキックは分かっても“オフサイドは分からない”」
そう、サッカーを知らない人にとって「オフサイド」は難解極まりないと思います。サッカーを知らない人にとっては、出来ることなら「オフサイド」のない試合であって欲しいのかも・・・(苦笑)
◆「オフサイド」は、サッカーの試合というコンテンツの一部
私のブログを読んで下さっている方の中にも野球も好きという方もいると思います。
では、「インフィールド・フライ」という野球のルールの定義を明確に説明出来る方がどれだけいるでしょうか?
ところが、「インフィールド・フライ」というルールは野球の試合において、めったに適用されないので、はっきり言って、分からなくても差し支えありません。しかし、サッカーの試合において「オフサイド」が適用されない試合は、皆無と言っても過言ではありません。実際は、野球のルールの方が「インフィールド・フライ」のように、非常に種類が多く細かいと思います。一方、サッカーの基本的なルールは・・・
「手を使ってはいけない(ハンド)」、「ボールがピッチの外に出た時」、「危険なプレー等をした時」、「オフサイド」
これら4つくらいで成立していると言っても過言ではないと思います。だからこそ、オフサイド知る事は、サッカーという競技を理解し、楽しむうえで不可欠だと思うのです。もし、オフサイドが明確に理解出来ないでサッカーの試合を観たとしたら、洋画で字幕の一部がないようなものではないでしょうか?
女性A:「さっきの映画、所々、分からなかったね・・・」ってな話です(笑)
■ オフサイドが分からない3つの原因 |
オフサイド数 |
日本(3-5)オーストラリア |
日本(1-6)クロアチア |
日本(4-0)ブラジル |
参考までに、ドイツW杯の時の日本代表のオフサイド数は右記の通りです。
① 味方のプレーでファウルになるオフサイドというルール
では、なぜサッカーを知らない人は、オフサイドが分からないのでしょうか?
オフサイドというルールの定義を丁寧に説明すれば、サッカーを知らない人でもルールは理解出来ると思います。しかし、実際の試合を観てみると、決まって「オフサイド、分からない・・・」と言います。
「イエローカード、レッドカード、フリーキックは分かっても“オフサイドは分からない”」
まず、これらは全てファウル(orファウルによって発生する)です。次に、オフサイドと他のジャッジ(イエローカード等)は、明確な線引きがされます。分かりますか?
〔A〕.後方からスライディングを喰う(→イエローカード)→ フリーキック 〔B〕.パス → オフサイド |
〔A〕.相手(敵)のプレーによって発生します。 〔B〕.自分達(味方)のプレーによって発生します。 |
② オフサイドを判断する2つの要素「ボール」と「ポジション」
オフサイドを判断する基本的な要素は、大きく分けて2つだけです。
「ボール」と「ポジション」です。(この辺の細かいルールに関しては、次回)
オフサイドの基本的なルールを理解している人は、上図を見た瞬間、ボール保持者と相手陳内にいる味方の選手、そして相手DFの位置など、基本的な要素を瞬時に判断して、「オフサイド」と考えたと思うのです。そして、右のアニメーションの場合でも同様だと思います。
サッカーが分からない人にオフサイドの基本的なルールを説明する際には、上図のような感じで「パスが出た時にね、相手DFとGKの間に味方のFWがいて・・・でもね、ボールに触らなければね・・・云々」と説明する人がいると思います。
でも、サッカーを知らない人にとっては、きっと分からないと思います。なぜならば、実際に試合を観戦している時には、一番初めの上図のような静止画ではなく、先ほどのアニメーションのような動画です。つまり、「ボール」と「ポジション」を同時に処理することが慣れていないからだと思うのです。
③ ボールを中心に試合を見ているから・・・
基本的にサッカーという競技における“攻撃と守備”は、野球のそれとは違い曖昧な部分があります。野球の場合は、“ピッチャー対バッター“、“攻撃と守備”という図式が明確に分かれています。しかし、サッカーの場合は“攻撃と守備”という図式が一瞬で変わってしまいます。ボールを奪われた瞬間守備に回り、再び奪い返した瞬間攻撃に回ります。つまり、サッカーの試合における攻守の状態は、ボールを中心に頻繁に切り替わっているのです。
では、(基本的なルールは当然のように理解したうえで)サッカーの試合を数多く観戦し、さらにサッカー観戦のポイントを把握している人は、どこを見ているでしょうか?!
必ずしもボールばっかり見ていないと思います。例えば、(応援している)味方チームが攻撃をしている際、右サイドで起点を作って攻め込んでいたとします。相手チームの守備は攻撃を封じる為に同サイドに集中します。その時、「逆サイドへパス出せ!」とか応援しながら色々と考えると思います。しかし、サッカーを知らない人は、こういう判断が出来ません。なぜか?!サッカーの観戦のポイントを知らないからという理由もありますが、根本的にボール保持者かその近くにいる味方しか見ていないからだと思うのです。つまり、サッカーの試合をボール中心で見ているからなのです。
サッカーを観戦する際にボールだけではなく、ピッチ全体を俯瞰して見ることをしなければ、サッカーの面白さや観戦のポイントは掴めません。しかし、サッカーの試合における攻守は、ボールを中心に頻繁に切り替わっています。そうなると、「ピッチ全体とボール周辺」の両方を把握することは、サッカーを知らない人にとっては困難ではないでしょうか?!(野球の場合、違いますよね?誰もピッチャーが投げる時にライトを凝視している人はいないと思います・笑)
■ オフサイドが分からないのではなく、オフサイドが「見えない」 |
◆オフサイドって意外と難しいのかもしれない・・・
最後に、これまでの内容(ポイント)をまとめると・・・
① (なぜか)オフサイドは、味方のプレーによって発生するファウルである。 ② オフサイドは、「ボール」と「ポジション」の2つの要素で成立する。 ③ サッカー観戦のポイントは、「ピッチ全体とボール周辺」の両方を把握することである。 |
ポイント①と②は、「オフサイド」というルールの基本ですので、理解しておけばなんとかなるかもしれません。ところが、ポイント③は、②の要素も大きく含まれています。
「オフサイド」は、サッカーという試合(動的コンテンツ)の中でいつ発生するのか?決まっていません。(“① 味方のプレーでファウルになるオフサイドというルール”で説明したように)サッカーを知らない人であっても、FKの対象となるようなプレー等は、敵と味方が分かっていて、ボールだけを追いかけていてさえしても何となくと分かると思います。
しかし、ポイント③の「サッカー観戦のポイント」は、なかなか難しいかもしれません。
だから、FWへパスが渡った次の瞬間、ピィーって笛が鳴り「オフサイド!」と言われて「キョトン・・・」としてしまうのもしょうがないと思います。そして、「え・・・っと、オフサイドって味方にボールが渡った時に・・・何だっけ??」って考えている内に試合は進んでしまっています・・・(笑)
本当は「ハンド」と同じルールの一つに過ぎない「オフサイド」というルール自体が難しいのではなく、観戦のポイントに含まれている「オフサイド」だけを取り上げてしまって、「オフサイド」が難しいものだと誤解しているのかもしれません。
つまり、サッカーを知らない人にとってオフサイドは「分からない」のではなく「見えない」ものなんだろうって思います。
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<追伸>
「オフサイド」を分かり易く上手く説明するのは、やっぱり難しいですよね(苦笑)
最後まで読んで下さって、ありがとうございます。次回は、とりあえず、オフサイドのルールを再確認する為のエントリーをUPする予定です。その後、ちょっとしたクイズも予定しています。
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リンクはらせていただいて良いでしょうか?
よかったらお願いします。
>>こんばんは。
リンク構わないですよ^^
サッカー(オフサイド)分かっている人にはどってことない話題ですが、意外とこういう風に考えれば、説明する時に論理的に便利かな?って思ったので書きました。
ちと、毎度のように長過ぎましたけど・・・(苦笑)
基本は「それ(待ち伏せ)を防ぐためだよ」って説明してるけど、伝わるかな?
厳密にいうとスタジアム観戦においては、「見てるひとは見てる」部分だとおもいますよ。
サッカーでいうとTVだと中盤の攻防しか映ってないような状態のときに、スタジアムでは最終ラインの細かい上げ下げまで確認できる、っていうのと似てるかも。
ランナー、カウント、得点差によって守備隊形を修正するのは当然として、野手によってはバッターのデータや癖まで把握して独断で守備位置を修正するのも野球ファンにとっては見どころのひとつなんでは?
>>こんばんは。
子供の頃やってましたね(笑)
基本的にオフサイドも明確なポジションも存在しないダンゴサッカーでしたんでね^^
みんなゴールを決めたい!って感じで遊んでいました。
結局、オフサイドのルールが出来たのは、そういう「待ち伏せ禁止」ってのが始まりでしょうね。
>>こんばんは、はじめまして。
野球もサッカーもスタジアムで見る場合は、基本的にTVでは見えない部分を見ちゃいますね。
また、スタジアムでの観戦に慣れていないと、どこみていいか?ってなる人もいるみたいです。
野球の見どころってのは、ある程度、歴史や解説者であったりとTV放送も含め、確立されているので、本当に野球を知っている人であれば、そういう細かい部分まで観察するでしょうね。
ただ、サッカーと違い、野球は、カウントやスコア、相手選手のデータ等によりある程度パターン化(いわゆるセオリーってやつ)されていますね。その辺の関係もあり、昨年はほとんどプロ野球を観ませんでした。まぁ、放送自体が少なかったって話もありますが(苦笑)