■ UEFA Champions League 2008/2009 Final |
F.C.バルセロナ(2-0)マンチェスター・ユナイテッド ・前半10分 エトー(バルセロナ) ・後半25分 メッシ(バルセロナ) |
段階的に復帰予定でしたが、なかなかブログを書けずにいました。
それでも、(多分、検索による来訪)見に来てくれた方には、感謝申し上げたいと思います。
来シーズンは、きちんと書いていく予定です。
今シーズンは欧州サッカーをほとんど見ていませんでした。プレミアは、リバプールとその他上位3チーム絡み、CLにいたってはてんで…なので、今年のCLに関しては、純粋に一切の予備知識みたいなのを持たない状態で素直に見ようと思いました。さすがにCLの決勝は書かなければと思って久し振りに書いてみました。
やっぱりブログって書いてないと書くコツというか、言葉選びというか、その辺の試合勘ならぬ「ブログ勘」みたいなのが戻ってくるまで大変です。ちなみに、このブログを始めたきっかけは「自分自身のサッカーに対する記録」なので今シーズンに関しては、ちょっと記録が欠如してしまったなぁ~と。
前置きはこれくらいにして試合について。
■ 試合雑感 |
バルセロナは、今シーズンから監督が変わり新体制。そしていきなり三冠(リーグ、国王杯、CL)という“結果”を残したことは、単純に凄いなと思います。やはり、そこは元バルサの選手でバルサのメンタリティを知る、グラウディオラ監督の手腕によるものが大きいのかなと思う次第です。また、バルセロナの3トップやその他戦術もちょっと興味深かったですね。
一方の(憎き)ユナイテッドは、ちょっとチームコンディションが良くなかったのかな?という見かたと、具体的なバルサ対策がなかったのかな?という二点が気になった。例えば、チェルシーがバルサとの戦いでやったような相手の良さを消すため~みたいな具体的な試合へのアプローチみたいなものが見えなかった。
勿論、前回覇者としては、自分達のスタイルで戦うという意識はあったと思います。シーズン序盤のスタートダッシュは良くなかったもののなんやかんやでプレミアシップでも優勝しましたし。(チェルシーのシーズン前半の不振、リバプールの毎年恒例の年末頃のぐぅ~だら、アーセナルは??・・・がユナイテッドを勢いつかせてしまったと思うのですけど)
で、やはりこの試合を大きく分けたのが前半の結果。それも前半20分くらいまでの出来事が試合の流れを決めてしまったと思うのです。(これは、完全に結果論としての意見です)
立ち上がり、ユナイテッドの方が猛攻を仕掛けた。C・ロナウドのFKをバルサGKバルテズが弾いた所にパク・チソンがつめるもののクリアされたシーン。あそこは大きなチャンスだったし、その後もロナウドのシュートなどありユナイテッドが立ち上がり良かった。多分、バルサの選手は緊張があったと思う。
しかし、前半10分
イニエスタが中央からドリブルで上がるとエトーへスルーパス。右足でシュート行くと見せかけ・切り替えし、スライディングにきたビディッチを交わすと左足でゴールニアサイドで強烈なシュートを放った。ファンデルサールの手に当たったもののゴールが決まり先制する。
その後、後半25分、メッシがヘディングでゴールを決めて2-0としてビッグ・イヤーをバルセロナが掲げるという結果になった。
■ ハードワークの差?! |
◆ ボール狩り
バルセロナは、華麗なパス回しばかりがクローズ・アップされがちですが、その一方でチームとして一人一人がきちんと守備をしてバードワークをしているのが良かったと思いますね。
今やバルサのご意見番?!のクライフが率いたドリーム・チームと今のチームとも根底にはトータル・フットボールの概念が流れている。
トータル・フットボール論は、割愛しますが、攻撃は最大の防御なりといわんばかりのピッチをワイドに使い、一人一人がプレッシャーの中でも体現化出来るスキルをベースにボール回しが特徴だと思うのです。
しかしながら、相手ボールになった時の「ボール狩り」そこがしっかり出来なければならない。
そのためには、一人一人のハードワークが必要だし、チーム戦術としての守備が大前提としてなければならない。
やはり、この部分のハードワークの差ってのはこの試合を観てて感じたし、それがチーム戦術としてオーガナイズされていたと思うのがバルセロナだったかなぁ~と思ったのです。アーセナル時代はあそこまで守備をしているアンリってあまり印象がない。そもそも起用方法が違うんだけどね。あとDFラインの上下動も良かった。(というか、バルサの特徴か!?)
◆ コンディションの問題?
一方のユナイテッドは、C・ロナウド、ルーニー、テベスなどに代表されるアタッカー陣が注目を浴びるものの、実は強さの秘密(まぁ秘密ってほどではないけど)というか、失点数の少なさがユナイテッドの肝だと思うのです。そして、プレミアを見ている方であれば分かると思うのですが、結構ユナイテッドの選手はハードワークをしっかりやる。しかし、この試合ではこの点に陰りがみられた。で、最初に書いた「コンディション面に問題があったのかな?」と思った一つの理由。
ただ、印象以上にボール支配率には差はないんですけどね。
ボール支配率 (%)
バルセロナ 51%
ユナイテッド 49%
◆ 中盤の選手が不足しているユナイテッド
ちなみに、この試合、両チーム共に、「4-3-3」というフォーメーション。
どうやらバルサはDFの数名の選手(ダニエウ・アウベス、マルケス、アビダル)が不在だったわりには、DFラインはしっかりオーガナイズされていた。
個人的には、ギグスを中央の3枚(ギグス、キャリック、アンデルソン)の一角として使っていた理由が分からなかった。まだスコールズを使うなどが良かったような気もするし(あくまでも4-3-3にこだわるならね)。そういう意味でフレッチャーが離脱していたのは多少マイナスだったのかな?
実は、以前からユナイテッドの中盤の選手層の薄さは気になっていた。どうも前後の選手に比べて、同じプレミアのビッグ4の中でも中盤の選手層がちょっと落ちるかな?って印象。いわゆるセンターライン(GK~FWまでの中央のライン)の人材のMFの部分が物足りない。以前であればそれがスコールズが担っていたのだろうが、さすがに年齢的にもう下降線という印象は否めない。例えば、リバプールであればジェラード、チェルシーならランパードやバラック、毛色は違うがアーセナルのセスク・ファブレガスなど、中盤にどんと鎮座するような選手がいない。
もちろん、現在のメンバーで中盤の選手それぞれが自分達のタスクをしっかりとこなし、強力アタッカー陣の力を発揮出来る状況でリーグ優勝もしているので問題はないのだろうが、マンチェスター・ユナイテッドというチームの財力を考えれば、例に挙げたプレミアの他のチームのようにセンターライン(チームの背骨と言ってもいいかな)の真ん中を担う選手の薄さが気になる。(ファーガソンの趣向なのか?)
で、ちょっと横道に逸れてしまいましたが、この試合バルサのパス回しに結果的に翻弄されてしまったユナイテッド。仮に、先に述べた「コンディション面」で問題があったにせよ、問題がなかったにせよ、バルサに先制されてからの内容があまりにもナイーブ過ぎたかな?という印象は否めない。実際、前半10分に先制をされてから、試合の流れはバルサにほぼ傾きっぱなしだった。もちろん、どういう形であれ、ユナイテッドが同点に出来ていたら、その後の試合の流れは変わったと思いますけどね。
◆ 無策だった?!
バルサのパス回しに翻弄されて、ボールを奪う所が定まらなかったというのが気になった。もちろん、バルサがそれをさせない為の戦術を取っていたというのもあると思うのですが。それでもシャビとイニエスタというバルサの心臓部分に対するケアが甘かったような気はした。そういう意味で最初に書いた「具体的なバルサ対策」がなかったように感じた。バルサの試合はほとんど観たことないので、具体的にどうするか?とはおいそれと言えないのですが、やはり、止めるべきはシャビとイニエスタ。また、DFラインへのプレッシャーの掛け方であったり、DFラインの高低、その他、全体的に守備ブロックをどの位置に設定するか等、チームの守備面の意識を統一させるという意味でも、もうちょっと明確な意図があれば違ったかな?と思わざるを得ない。なにせ前半10分という早い時間帯の失点の割には、その後同点ゴールのにおいがしかったですからね。
それと最後に、テベス、ベルバトフ、スコールズを次から次へと投入する辺りにもどうも明確なプランみたいなのが感じられなかったんですけどね。
■ バルセロナの3トップ |
◆ 両ウィング
バルセロナの3トップの並びですが、アンリ(左)、メッシ(中央)、エトー(右)
試合を観ていて気になったのが、この前線の3人がポジションチェンジを行わないということです。リーガを見ていないのでなんともいえないのですが、この試合に限って言えば、アンリとエトーがポジション・チェンジを行うようなシーンはなかったと思うのです。さらに、メッシがサイドへ流れて、そのスペースへアンリやエトーが入ってくるような形もほとんどなかった。
現代のサッカーのトレンドとしては、前線のポジション・チェンジであったり、相手チームのDFラインとの駆け引きであったりということで、前線の選手の動きが非常に流動的なのが特徴だと思うのです。
時間帯は忘れましたが、メッシが前線から引いて、中盤のシャビやイニエスタとのパスワークに加わっている時に、中央(ユナイテッドのCB、リオとビディッチがマーカーがない状態)が空いていてアンリとエトーがそのままサイドのワイドな位置取りをしていました。
例えば、この空けたスペースへサイドから選手が侵入してくるみたいな形がよくあると思うのですが、あまりその辺が強く印象に残りませんでした。
もちろん、エトーが央へ絞り気味にポジションを取り、フジョルが上がってくるシーンもありましたが、あくまでもこれはポゼッションにおける適切なポジション(エリア)を埋める為の上がりであり、SBが駆け上がってクロスを上げるということがそれほどメインとして使っていこうぜ!って感じられなかった。もちろん、ダニエウ・アウベスが不在ってこともあったからかもしれないけど。
そして、こう動きは、バルサの先制点と多少関連性があるのかな?と思うのは、中央のエリアは、メッシとその後ろ、シャビとイニエスタの為のエリアという風に決められているのかな?と…。つまり、メッシが引いて後方から上がってくるスペースを意図的に空けておくというきまりごとみたいなものがあるのかな?と感じましたね。
◆ 組織力の勝利
また、両ウィングがワイドに張るという形は、ピッチをワイドに使う為には必須なことで、必然的に相手のSBはマークに付かざるを得ない。そして、DFラインを横長に広げることが出来る、そして4人のDFそれぞれの距離がある程度広げることが出来る。
そうすると、バルセロナのようにテクニックとスピードで勝負するようなアタッカー陣は、1対1で勝負するスペースやのスルーパスを受けるコースとスペースが確保出来る。もちろん、リスクがその裏側にあり、選手間の距離が広いということは、ボールを失った時のプレスが遅れ、走らされる距離も増えたりと逆に相手へもスペースを与えているという事にもなる。適切な例えかは分からないが、岡田JAPANのようにボールサイドに人数を掛けるやり方と真逆と考えてもいい。
また、味方がボールを持っている時、そしてトラジッション時(攻守の切り替え時)のDFラインがきちんとラインコントロールをしているのも興味深かった。わりとこの手のビッグクラブ同士の対決になるとDFラインの「ラインコントロール」という機能性よりは、実質的な問題としての相手FWを捕らえることに主眼を置くことが多い。もちろん、バルセロナもユナイテッドのアタッカー陣をきちんとマークしていたが、その影でDFの組織としての守り方がオーガナイズされており、ゾーンとマンツーマンとの切り分けバランスが隠れた組織力としてあったと思う。つまり、組織力の勝利という気がします。
■ 決勝戦とはこういうものかもしれない |
◆ 重要な先制点
チャンピオンズリーグは、決勝以外はホーム&アウェイ方式。さらにアウェイ・ゴールというルールも加味されるので、どのチームもその戦い方に独特なものがあると思うのです。(意図的に1st legを守備的にしたりね)
でも、決勝戦は一発勝負です。そういう意味では、W杯などと同じく先制点が非常に重要になってくる。最初にも書いたのですが、ユナイテッドが先制点を挙げていれば違った展開の試合になったでしょうし、ここまでユナイテッドのナイーブさってのが出なかったと思うのです。さらに、「優勝」という結果を求めれば、現実的に「失点をしない」という方向に戦い方のウェイトが傾くのも当然なことだと思うのです。(優勝による栄誉や賞金など考えてもね)そういう意味でも、この試合の最大のポイントは前半10分のエトーのゴールだったなと…ただ、やはりユナイテッドが同点に出来なかったということも気になる点としてはありますけどね。
◆ マラドーナ2世??
あとメッシは、やっぱりすごいなと単純に思いましたね。まだ21歳でしたっけ?!
マラドーナ2世と呼ばれる選手がこれまでも出てきましたけど、名実共にマラドーナ後に続く選手は出てきませんでしたが、今回のメッシを見て、このまま来年のW杯で優勝をしたら、マラドーナ2世になれるかもしれないなぁ~と漠然と思いました。なにせ、アルゼンチン代表の監督がマラドーナってのがちょっとシナリオじみてていいじゃないですか!?まぁ、ただ、あのマラドーナのキャラクターひっくるめれば、もう二度と彼のような選手は出てこないでしょうけど(笑)
書いていたら、相変わらず長くなってしまったので、これにて…
先日行われた、キリンカップ「日本vsチリ」も録画したので日曜の試合までには、書いてUPしたいと思います。
最後まで読んで下さって、ありがとうございます。
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○グアルディオラ
ブログ勘ぜんぜん戻ってますよ!
■バルセロナの3トップの項目は興味深く読まさせてもらいました。
しかしバルサのハードワークは凄いですね。
僕もこの試合はハードワークの差が結果に出ちゃったと思ってます。
マンUの元気のなさは気になりましたが、お見事な3冠達成ですね。
個人的にはリバプールとの対戦が見てみたいです。
ラファならどんな戦いかたをするか、非常に興味があります。
お久し振りです。
ブログ勘戻ってません。
入力ミスしてたり、フォーメーションの図・ユナイテッドの色(青)になっているし(苦笑)
面倒だから直さないけど(笑)
多分、リバプールだったら「策」を持って臨んだと思います。ある種、弱者の戦術じゃないけど、そういう感じでね。
画像や文章がとても綺麗で、素晴らしいと思います。
こう書くと上から目線で申し訳ないのですが、フットボールを見る目も確かだと感じました。
意見交換などしたら楽しいだろーな、と(笑)
拙者もブログでサッカーのことを書いているので、参考にしたいと思います。
初めてコメントするので、失礼があったら申し訳ありません。
でわでわByeByePOOヽ(`▽´)/
どうもはじめまして。
ユベンティーノですか・・・(^^)
私の友人にも生粋のユベンティーノがいます。
最近、イタリアはてんで観てないのですが、来シーズンは久し振りのCL出場ですね!
バルサはメッシがポストプレーしてヘディングでゴール決めてセンターFW対決していたのが新鮮でした。
メッシがサポートすることで中盤が2対4で優位に立っていたとおもいます。
2-3-2-3は攻めに人数掛けてボール取られてもSBとボランチの選手を走れる選手にすれば間に合うのでプジョルをサイドに使うあたりよく出来ているとおもいました。
ポゼッションではウィングをSBがサポート出来てるし、
前線からマンマーク気味に詰めるプレスを完成させたことで、やっと4-3-3とポゼッションを生かせるチームになったと思います。
日本代表もそんな感じになってきました。
守備はマンUもおなじですね。
前線の布陣を相手に合わせて前線からマンマーク気味にプレスを掛けて、後ろはライン(ゾーン)で守る。
後はファーガソンがタレントをチョイスする感じで攻撃は個人に任せてますね。
基本4-2-4なので前線のプレスで圧倒してその飯攻めきりたかったのでしょうね。
先制されて焦ったのかサイドで優位を作れなかったチーム力と、解説の風間さんが指摘していたように個人のボールコントロールの差が出てしまったとおもいます。
お久し振りです^^
ユナイテッドが負けるのはあれとしても負け方がね・・・
最後でスタミナ切れ?!(苦笑)
コンテンション安定していて、後から攻撃するようなタイプなんですな。
イニエスタとシャビは判断力あってしやすいもんな。
ビジャはストライカーところ観たいんだし、メッシもドリブルを観たくなるんだ。でもパスの数が増えてるじゃないかって思っていた。あとからよく分かったんだ。去年と違って、大きく変わったんだな。