先日お話しました、桜の開花に間に合わなかった、ジュエリーCAD作品その2です。
これ、正直申し上げると、失敗作です。(涙)
でも、ROSEのブログでは、うまくいった話ばかりでなく、失敗話も私自身への反省と戒め、そして二度と同じ間違いを繰り返さないためのつもりでご紹介しています。同じく勉強中の皆様にも参考になれば幸いかな・・。
上記の画像は一見、完成してそうに見えますが、うっかりはちべぇ、大きな忘れ物をしたまま造形に出してしまいました。
それは、ずばり、『磨き代(しろ)』です。
リングのエッジ(サイド)部分、うかつにも磨き代をまったくとっていませんでした。造形後の原型をみた先生曰く、0.2mmは最低でも取って置かないとね、って。ああ~、そうだった。
仕上げまでを前提としてCADの設計をする場合は、完成寸法(出来上がり寸法で作ってはいけないのです。磨きのときの地金の目減り分をあらかじめ余裕をつけてデータを作らねばなりません。さらにゴム型をとるときは、縮小分も考慮しなければなりません。
CADリング3作目にしてこの初歩的なポカをやらかしたかと思う我ながら情けない・・・。 造り慣れているプロなら絶対に犯さない初歩的なミスです。
そういうわけで、このまま先に進めても成功しないだろう、ということが容易に想像できたので、残念ながら実質的にボツです(涙)。
こういうことはCADのテキストに書いてないので結局は、口伝えのノウハウなんですよねぇ・・。要するに、磨きと石留め工程の職人さんが仕事やりやすいように設計しなければいけないと痛感しました。
手で作ったものをボツにすることを思えば、CADで作ったデータをボツにするのは物理的にあまり心が痛くないのですが、これが造形後ですと話が違います。
造形代はそれなりにかかっているので懐は痛いし、何時間もかけて切削していただいた原型なのでオシャカにするのはモッタイナイ。
なので、なんとかこの失敗原型を生かせる道はないか考えました。
てなわけで、ヘンシーンッ!(半ばヤケクソ)
上記のCADデータと何が違うでしょう?
これでとりあえずキャストに出してみました。まあ、何事も経験ですわ!
このデザイン自体は気に入っているので改良アレンジ版でリベンジするつもりです!来年の桜の開花にはきっと間に合わせますぞ。(笑)
さてさて話は変わりますが、ジュエリーCADでは見た目になんとなくキレイにできて、デザイン上はつじつまが合ってしまうので構造上の欠点に気づかないことがあります。また、造形した原型を手に持ってみたら、CAD図面で想像していたより大きい・小さい・細い・厚いとか、なんとなくイメージしてたのと違う、という感じがあるという感想をCADスクールの他の生徒さんからうかがいました。
経験が少ないうちは、どうしてもこうしたコンピュータ上のバーチャルイメージとリアルオブジェクトの感覚のギャップがあると思います。私もまだまだしばらく失敗や反省の日々が続くのかなと思っています。
経験と技術の蓄積は重要ですが、一番大切なのは『焦らない』『慌てない』ということだということも成功のためのポイントでしょう。
クロスペンダントのときも慌てている状況でポカミスをおかしましたが、今回も桜の開花に間に合わせようと焦っていたのが敗因でした。(結局、間に合わなかったしぃ。)全く知らないならイザ知らず、先生に口を酸っぱくしていわれていたことをすっかり忘れていたなんて、自分の不注意の何ものでもありません。
どんな仕事でもそうですが、昔から戒めがあるように、急いだり焦ってするとロクなことはないということです。
急いては事を仕損じる
慌てる乞食はもらいが少ない
急がば回れ
慌てる乞食はもらいが少ない
急がば回れ
僕も本文を読んでるときに感じました。地金?ワックス?を足しちゃえばいいじゃんって(^^)
このような柔軟な対応は非常に重要だと思いますよ。感性の問題ですからね(^^)
デザイン画を渡されての依頼だと諦めるしかないけど(^^;
今まで手作りでも、ワックスでも失敗を重ね覚えてきましたが、ジュエリー作りは70過ぎても続けられるので(僕の父は72で現役)ながーい目でみて作品を作り続けてくださいね(^^)
日々の小さな失敗の積み重ねはすべて将来の成長の糧になっていくんですね。
CADだけで完璧な作品を完成させようとおもうと窮屈でしょうがないので、ちまちまと盛ったり削ったりといった泥臭い手作りの楽しさも残しつつ、ぼちぼち気長にやっていこうと思っています。