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ETUDE

~美味しいお酒、香り高い珈琲、そして何よりも素敵な音楽。
これが、私(romani)の三種の神器です。~

ホーネック&読売日響のショスターコーヴィチ:「ジャズ組曲第2番」他

2006-02-26 | コンサートの感想
荒川選手の金メダルの余韻は、2日経った今でもしっかり残っています。
24日朝は、ネクタイを締めてコートを着込み、かばんを横に置いて、時計と睨めっこしながらソファでずっと観ていました。
ところで、ふと、手に汗にぎって必死に応援している自分の姿を見て、「ああ、やっぱり日本人なんだ」と強く感じた次第です。
荒川さん、村主さん、安藤さん、本当に感動と勇気を与えてくれてありがとう。

さて、今日は読響マチネコンサートの日です。
指揮は久しぶりのホーネック。

<日時>平成18年2月26日(日) 午後2時開演
<場所>東京芸術劇場
<曲目>
■ショスタコーヴィチ: 「ジャズ組曲第2番」より
  マーチ、小ポルカ、ワルツ2、ダンス2、ワルツ2
■モーツァルト: 交響曲第41番 ハ長調 K.551「ジュピター」
■ヨハン・シュトラウス2世:「こうもり」序曲
■ヨゼフ・シュトラウス:ポルカ「とんぼ」
■ヨハン・シュトラウス2世:狂乱ポルカ
■ヨハン・シュトラウス2世:ワルツ「酒、女、歌」
■ヨハン・シュトラウス2世:常動曲
■ヨゼフ・シュトラウス:ポルカ「女心」
■ヨハン・シュトラウス2世:エジプト行進曲
■ヨハン・シュトラウス2世:ポルカ「雷鳴と稲妻」
(アンコール)
■鍛冶屋のポルカ
■ワルツ「美しき青きドナウ」
■ラデツキー行進曲
<演奏>
マンフレッド・ホーネック指揮
読売日本交響楽団

前半は、今年のメモリアルイヤーの主役ふたりの作品です。
まずショスタコーヴィチ。ときに深刻な表情もみせる大作曲家ショスタコーヴィチの全作品のなかで、最も明るく楽しい作品がこのジャズ組曲です。
とくにワルツ2のメロディがいいですねぇ。一度聴いたら忘れられない音楽です。ちなみに、何かの映画のバックで使われていましたが、何の映画だっけ・・・。
(最近歳のせいかこれが多いんですよね。(汗))
ホーネック&読響の演奏も、生き生きとして素晴らしいものでした。

前半2曲目は、モーツァルトのジュピター。
第1楽章は、珍しく管楽器のアンサンブルが少し乱れて心配しましたが、大きな破綻はなく、ほっとしました。
そして、終楽章は、ご存知の通りソナタ形式と対位法が完全に融合したモーツァルトの天才を証明する名品ですが、少し考えさせられることがありました。
曲の途中、ホーネックが濃い目に表情付けをする場面が何箇所かあって、その部分は狙い通りの結果になるのですが、きまってその直後に少し収まりの悪い状態になるのです。
どうしてだろうと、聴きながらずっと考えていたのですが、ハタと気づきました。この楽章は、上記の通り、完璧な形でバランスを保っている稀有な作品であるが故に、少しでも人為的に手を加えてエネルギーバランスが変わると音楽が壊れそうになるんですね。そう考えると恐ろしい音楽です。
私がいままで聴いた中で最も感動したのはセル&クリーブランド管のスタジオ録音で、いまだにこれを凌ぐ演奏にはお目にかかっていません。
ただ、セル盤でも最後のほうでテーマが帰って来るときに、金管がほんの少しうるさくなるのが玉に瑕ですが・・・。

後半は、まさに2ヵ月遅れのニューイヤーコンサートといった雰囲気で、心から楽しませてもらいました。
ホーネックの指揮姿は、どこかカルロス・クライバーをほうふつさせるところがあって、今回の選曲の最初が「こうもり序曲」、最後が「雷鳴と稲妻」というのも何か意味深ですね。
エジプト行進曲は初めて聴く曲でしたが、途中でオケのメンバーが歌う箇所があります。何だか照れくさそうに、でも一生懸命歌っている姿が、何とも微笑ましく感じました。
そして、最後を飾るポルカ「雷鳴と稲妻」では、途中パーカッションのあたりで何と傘がひとつ、そしてまたティンパニの横でも一つひらきました。いったいどうしたのかと観ていると、今度はヴィオラで、そしてチェロで、そしてヴァイオリンでも順に傘がひらいていくではありませんか。それも何とカラフルな色だこと。
傘担当の奏者は、単に開くだけではなく、音楽に合わせてくるくる回していきます。まるで、フィギアスケートのエキスビションをみているような錯覚に捉われました。
でも、この曲になんとフィットしていることか・・・。
演奏終了後はもちろん拍手喝采で迎えられました。
いいですね、こんな演出。私は大好きです。

アンコールの鍛冶屋のポルカでは、実際に指揮台の横に鍛冶屋の道具を持ってきて、鍛冶屋に扮した奏者が「トンカン、トンカン」。
大盛り上がりの後、さらにアンコールが2曲。「美しき青きドナウ」と「ラデツキー行進曲」です。
こうなると、もう会場の雰囲気はすっかりウィーンです。
雨の中聴きに来た聴衆も、きっとみんな満足したことでしょう。


とても素敵なコンサートでした。



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遅めのニューイヤー(笑) (josquin)
2006-03-01 00:05:45
romaniさんこんばんは、TBありがとうございました。



後半は本当に楽しかったですね。アンコールは本家ニューイヤーと同じ進行でしたし(挨拶はありませんでしたが・・・)。



ラデツキー行進曲で自分自身が拍手でリズムを刻むのには何故か抵抗があったりします(みんなが拍手してるのを見たり聞いたりするのは全然大丈夫なのですが、笑)。

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>josquinさま (romani)
2006-03-01 00:17:45
こんばんは。

ご丁寧にありがとうございます。

久しぶりに、後半はのりのりのコンサートでした。



>ラデツキー行進曲で自分自身が拍手でリズムを刻むのには何故か抵抗があったりします

私も全くそのくちでした・・・。やはりシャイなんでしょうか(笑)



また「美しき青きドナウ」の最初の音の後は、拍手しなくっていいのかなと周りをきょろきょろしておりました。

それから、鍛冶屋のポルカで、パーカッションの人は芸達者なところを見せてくれましたが、小道具に使った新聞はやはり「読売新聞」でした。さすがだなあと妙に感心した次第です。



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