梅様のその日暮らし日記

その日その日感じた事や世間で話題の事について自分なりの感想や考えを書いていきます。

先生だって部活がやりたい⑥

2015-07-04 14:14:51 | 日記
   今朝の朝刊に、部活顧問経験者からの投稿が乗っていましたが、毎日帰宅が8時になるのが大変だったようなことも書いてありました。しかし、民間の方々はそれくらいの残業は当たり前で、休日出勤している人も結構います。私たち教師だけがハードな毎日を送っているわけでもありません。第一、学校の隣にでも住んでいない限り、通勤時間というものがあるのですから、日のあるうちに帰宅するというわけにもなかなかいかないでしょう。(要領良く様々な仕事から逃れ、皆さんから何の期待もされないようにしておいて毎日さっさと帰っていた教師もかなりいましたが・・・。いや、多分それが多数派だったのではないかとは思います。しかし、速攻帰宅派には得られない充実した経験を積むことが出来たのですから、私は部活指導がつらかったとは思っていません。

   今日は新聞記事の中で見つけた、もう一つの問題点について述べてみます。運が良ければこのテーマはそれで終わりにできると思います。それは、部活指導の外部委託の問題です。

   杉並区では、2013年度から、区立中学において、部活の練習を民間事業者に委託する事業を試験的に実施しているそうです。報酬は1回3時間で1万6,200円。おそらくこれは休日の部活指導を委託し、教員が出勤しなくとも済むようにするための処置だと思われます。平日3時間の部活を設定することはあり得ないからです。

   名古屋市の場合は、「外部顧問」は大会への引率もできることと定め、報酬は月額20時間で4万8,000円だということです。時給にして2,400円。まあ悪くはありませんね。しかし、それならボランティア的に(手当はほとんど出ません!)大会引率をしている教員にそれだけの報酬を払ってくれているのかと言えば、否!実に馬鹿げています。

   そもそも「外部顧問」的なものを導入したとして、沢山ある部活の全てにそれが可能かと言えば、予算的に絶対に不可能です。某城東高校のように、部活加盟率が100パーセントを超えるような学校すらあるのです。部活が盛んな学校であればあるほど、外部委託ができないというのが現実です。外部委託を導入しても、結局、過去の実績に基づいて重点的に予算配分がされ、弱小部活は永遠に弱小のまま据え置かれるということになるでしょう。

   ところで、これを読んで下さっている方々にお伺いしたいことがあります。皆さんが部活指導の能力をお持ちだとして、会社勤めや仕事の傍ら、学校の放課後に合わせて指導に出向いたり、残業明けの休日に頑張って長時間の指導に携わることが本当に可能でしょうか。教師が楽をする代わりにあなたが苦労したのでは、問題の解決にはならないのではないでしょうか。

   実例を一つ上げますと、葛飾商業高校では、野球部の実技指導を外部委託していました。ただし顧問教師も練習や試合には必ず同行していましたが、放課後と休日、委託を引き受けて下さった方が、熱心に指導して下さっていました。しかし、このために彼が事前に何から始めなければならなかったか。それまで勤めていた勤務先を退職し、放課後と休日に部活指導ができる職場に移るという犠牲を払って下さったのです。

   私が経験上提案できる方策は、以下の通りです。

   ①部活指導は教師がするということでよろしい。
   ②実技指導に当たる教師には、時間数に応じて特別手当を支給する。部活指導をしない
    教師との間に最低でも10万円程度の差はつけるべき。

   外部委託した人間には金が払えて、それ以上の努力を払っている教師たちにはただ働きを強いるのは、実に馬鹿げた制度です。教師は自分の能力が生かせる場を求めているはず。部活指導は苦しさよりも楽しさが先立つものなのです。きちんと行う能力があれば、ですが。