うみーの掃き溜め愚痴日記

私こと、うみへびが機嫌の悪い時に愚痴を書き一時的にでもスッキリする為のものであり
他人様が見るようなものではないです。

鮎茶屋・かわせ

2008-04-23 01:42:40 | 
過ぎ去りし夏の日のこと。
俺はマシス氏にあるお店に連れて来てもらいました。

ここは滋賀県。
湖魚の国。

「鮎茶屋 かわせ」というお店です。


文字通り鮎料理のお店ですね。
大通りからかなり外れた静かな場所に、
ひっそりと佇むお店です。

ただ、かなり外れている為、蚊がすさまじいのですが……



20時ごろ到着すると、店の前には何組か待っています
予約をしないと確実には入れないようですね、
さすが人気店というところでしょうか。雑誌などにも掲載されているそうです。

1時間ほど待って、店の中に案内されます。
店の中は当たり前ですが和風のつくりになっており
畳み部屋へと案内されます。

頼んだものは鮎懐石。追加料金を払いご飯を鮎雑炊に変更し
単品で鮎の南蛮漬けを頼みました。

なんだかテレビで見るような料理で驚いてしまいます。
あんまりこういうの食べなれてないんだよなっ
紙敷きの鮎の絵が趣があって……いい。



まずは塩焼き。
串に刺さったばかりの「まだ活きている」鮎が出てきます。
それをコンロに乗せて、自分で焼いて食べるのです。
残酷かもしれませんが、新鮮であるのは間違いなさそう。

じっくり炭火で焼くと、香ばしいかおりがして、食欲を誘います。
屋台などで食べる、焼きすぎパサパサのものとは違い
しっかり火が入っているにも関わらず、しっとりとした鮎の身は
ホクホクと甘く、塩味が絶妙なアクセントとなり実においしい。

日本人は昔から鮎が好きなようですが、これだけ旨けりゃ……納得します。




から揚げです。
鮎のから揚げというと、小さい鮎を丸ごとからあげにするのが
定番とは思いますが、
今回は成魚の身だけを切って、それを揚げています。
くるりと反り返った揚げたての身に、軽く酢橘を滴らせて食します。

サクサクとした衣の食感と、その後のやわらかい身の食感。
酢橘の清涼感が、夏の川を連想させます。
衣を着けて揚げることにより、薄めの味付けの多い日本料理に
濃い味の料理として鮎を出すことが出来ています。



コアユの天ぷらです。
揚げ立てが出てきます。親の敵のようにがっつくべし。
さっぱり塩で頂きます。
サクサクホクホク・骨ごと頭ごと食べられる柔らかい天ぷらは
古来より好まれてきた理由を身体に染み込ませてくれます。
噛んだときにじゅわっと溢れる鮎のエキスがとても旨いのです。




小鮎の佃煮です。
※個別写真なし、全体写真の真ん中辺。
甘辛くなったコアユ。
佃煮というと結構硬く、食べづらい印象がありますが、
これはそんなに硬くなく、お年を召した方でも食べられるレベルです。
決してやわらかすぎるわけでもないですよ、食べやすいです。
コアユだからでしょうか?
ちなみに以前食ったモツゴの佃煮はとても硬かったです。



お刺身
湖魚2種とマグロの刺身です。
マグロ要らない。邪魔。空気読め。
というわけで、鮎とビワマスのお刺身です。

鮎を刺身で食べるというのは初めて聞きました、
そりゃ魚だから食べられなくは無いんでしょうが、
他所で見たことも聞いたことも無い。
鮎はヒカリモノなんですね。ヒカリモノ好きの俺にはたまりません。

まずはそのまま食べてみます。身はやわらかく骨などもありません。
瓜の香りなんかは感じませんでしたが、
脂が軽く乗り、甘すぎず物足りなくも無くという感じでした。おいしいです。
アジが濃厚というわけではないため、寿司ネタには不向きかもしれません。

続いてわさびと醤油で食してみます。
醤油で引き立つ甘みと、清涼感を取り戻してくれるワサビ。
鮎の刺身がそれほどの濃厚な味ではないため、
ワサビは不要かもしれません。軽く醤油をつけると甘みが引き立ちいい感じ。
お酒と合うかもしれませんね。


続いて、ビワマスの刺身です。ビワマスを食べるのは初めてです。
見た目はモノの見事にサーモンですね。赤みの……良く見るサーモン。

まずはそのまま……身は柔らかく、スジなどはありません。
サーモンと比べて若干さっぱり気味かも?
旬のサーモンに比較して脂が少なめのような感じです。
でもおいしいですよ。鮎もそうですが、この「ほんのり甘い」というのが
川魚の魅力ではないかと。


続いてワサビと醤油で食べることに。
ワサビを軽く乗せ、醤油をつけると……波紋のように広がる脂!
驚いて口に運ぶと……
さっきまでとは全然違う味……口の中にぶわっと広がる脂の甘み!
濃厚な甘みが醤油に引き立たされてその存在を強烈に主張します。
蕩けるほどに甘い脂に、ビワマスの身が口の中で解けていくような感覚に見舞われま

す。
他のサーモンなどでは味わえないほどに上品かつ濃厚な甘みを堪能すると
最後に、ワサビの清涼感が全部吹き飛ばして、さっぱりとさせてくれます。

これは……異常。
こんな旨いサーモンは食べたことが無い!!
俺は炙りサーモンの蕩け具合が好きだけど、刺身でこんなレベルということは
一体炙ったらどうなるのか?
それとも刺身だからこその甘みなのか!?

ビワマスは……実に実に、旨い!!!



鮎の南蛮漬け。
甘酸っぱいというか、そんな感じの南蛮漬け。
苦手な人もいるでしょうが、俺は大丈夫。

これは不思議な感じですね。生ではないわけですが、
食べているとなんとなく生を食べている感じがします。
骨ごと食べるわけですが、その骨もなんなく砕ける食べやすさ。
頭ごと食べるというものではないので、
若干食べづらさはあるかもしれませんが、
味は非常に良いです。何よりも鮎の身がしっかりあるのがいい。



鮎雑炊
某書籍でみたように一匹丸ごとってわけではないですが、
炙ってある鮎の身がざっくりほぐしてちりばめてあります。
そこに、とろりとした卵をかけて、青菜で香りと彩を添えています。

これは蓋が閉められた状態で運んでこられるのですが、
蓋をとった瞬間、大量の湯気と共に、鮎の香りが広がります。
その中に溶け込んだ三つ葉の清涼感が
最後の一品でありながら食欲をまたそそらせます。


雑炊は激烈に熱く、猫舌の俺は出てきてすぐに食べられませんでしたが
多少冷ますと、またこれが旨い。
水分の多い雑炊にすることで、鮎のうまみがご飯にしみこみ
たまらない味となって迎えてくれます。
更に、ところどころに解した鮎の身があり、
ご飯にしみこんだ味よりも、もっとしっかりはっきりした味で
アクセントを与えてくれます。
鮎の皮の部分などは極めて香ばしく、
これなら幾らでも食べられそうな感じです。

あと、他にサラダがついてきます。
普通の野菜サラダです、ネジレモとか入ってないので
問題なく食べることが出来ます。




蚊が多く、料理に特攻したりするのには困りましたが、
それを除けば、新しい鮎の味を知って、満足満足♪

多少値段は張るものの、これだけのレベルのものが出るならば
5000円を切る値段であれば、全く問題はないと思います。

※なお、写真はマシス氏に提供していただきました、ありがとうございます。