性能とデザイン いい家大研究

こちら 住まいの雑誌・Replan編集長三木奎吾です 
いい家ってなんだろう、を考え続けます

北東アジア国際関係_1

2007年04月14日 07時48分25秒 | Weblog

きのうの続きです。
歴史的な経緯と、地政学的な位置関係から考えて、
日本はこれから、どうしても近隣関係の構築を再点検しなければならない。
きのうの地図を見てもらえばわかるのだけれど、
日本って、自己防衛的に考えれば中国や北朝鮮が脅威だって、思いやすいけれど、
こういう地図を見てみると、いかに北東アジアのなかで
地政学的に、戦略的に、有利な地位を占めているか、がわかる。
沖縄諸島が日本領土になっていることで、
ちょうど、中国の中枢地域に対して、海上封鎖可能な配置になっている。
もし中国が台湾を軍事的に「解放」したら、南西諸島・石垣島はまさに対中国の
最前線地帯になってしまうのですね。
まぁ、だから沖縄に米軍基地が配備されているのだけれど。
ちょうど、北東アジアと北米とのあいだを区切るようになっている。
中国や朝鮮から見れば、日本という国の存在はそのように認識できると思う。
こういう位置にある国が、日米同盟関係で核武装して
いまや、戦前的なナショナリズム価値観すら声高に言い始めている、
というのが北東アジアのリアルな各国の情勢認識ではないか。
北朝鮮は、まさに生存を賭けて、この日米同盟に対して自己主張し、
日米と経済的な関係を深めることで自国経済の成長を図っている中国は、
抑制的に、日米同盟との「対話」を図っている、というところ。

で、いま、大きなテーマになっているのが、
アメリカがこの地域での軍備配置をいつまで維持するのか、という問題。
米軍の世界配置というのは、当たり前ですが、
アメリカの国益に沿って、アメリカの権益を最優先して決められるもの。
なぜ、イラクには戦争を仕掛け、イランを脅しあげ、
一方で、北朝鮮には対話を選択しているか、というアメリカの世界政治での
ダブルスタンダードぶりを見れば、明らかだけれど、
アメリカはこの北東アジアでの主導的な軍事支配から撤退しようとしている。
現に韓国駐留軍は早晩、撤退が決まったようだし、
「再配備」という名目で、日本駐留の部隊も徐々に中東に配置転換が進んでいる。
このあたりが、国際政治のいちばん大きなテーマであり、
日本の国家の方向性にも、もっとも関わってくる部分なのだけれど、
マスコミに至っては、まったく報道がされていない。
もちろん、米軍の世界配置なんて、超枢要なテーマ。
米国政治の動きや、その権力内部情勢などへの深い調査研究が必要で、
アンタッチャブルなテーマであり、難しいのかも知れないのだけれど
こういう部分こそ、もっとマスコミは突っ込んで報道してもらいたいと思います。

しかし、冷然たる国際パワーバランスは、こういう軍事バランスそのものであるので、
こうした情報をもとにしなければ、国の方向を誤る。
で、どう考えてもアメリカのパワーは縮小していくことは明らかななかで、
北朝鮮拉致問題への情緒的対応だけで人気取りした政治家が
総理大臣に就任しているのが、日本なんですね。
さすがに、アメリカも日本の政治家に対して、最近、サインを出してきている。
議会での「従軍慰安婦問題決議」など。
さらに靖国の問題についてもかなり、アメリカ自身が苛立ってきている。
靖国や、戦前復古みたいなことをこんにちの国際政治の中で
国際問題化させてしまうような「不手際」な対応を、同盟国たるアメリカが問題にし始めている。
「いつまで、そんなバカな態度を取っているんだ」といわんばかりですね。
いずれにせよ、もうちょっと、冷然とした国際感覚の中で、
この北東アジアの中での国際政治を、日本は本来、主導的に担っていかなければならない。
なにより、中国に対するアメリカの戦略的な姿勢を、
どうも、いまの日本の政治家のみなさん、霞ヶ関のみなさんは
十分に理解していないのではないか?
現実にはアメリカは、6カ国協議でも、中国にそのタクトを握らせているように、
少なくとも、国際政治感覚では、日本より中国指導層の方に
より信頼を置いているのが、現実なんですね。

さて、こういうなかで、日中関係はどうすべきなのか?
写真は外務省の世論調査データです。
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