三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

東北のすまい再生3号発刊!

2012年06月30日 07時04分14秒 | Weblog




さて、きのうのReplan北海道に引き続いて、
本日も、新刊のご案内です。
わたしどもでは、東日本大震災の発生以降、
被災各県や国や民間での、住宅関係動きの情報公開について
それを被災者のみなさんにわかりやすく伝えていくフリーマガジンを発刊してきました。
各県庁の公的な窓口を通して、
被災者のみなさんに住情報をご提供してきたのです。
昨年6月に創刊し、その後11月にも2号を発行してきました。
その間、東北各県では実にさまざまな動きがありましたが、
それらをお互いに情報交換するすべはなく、
住宅復興支援に立ち上がっているみなさんでも、たとえば宮城県の人は
福島県で起こっていることをまったく知らない、という状況でした。
そういうなかでわたしどものメディアを見て
岩手県の方が、そうか、福島や宮城ではこういう動きがあるんだ、
というように、情報交換の場ともなってきました。
そういうことで、ある程度定期刊行化する方向で
ことしもこの6月に第3号として情報をまとめてみた次第です。
今回はとくに福島県においては、仮設住宅全戸に直接配布されています。
宮城県でも、仙台市内や石巻などの仮設住宅で、
直接配布が行われる予定になっています。
なにも宣伝も出来ないのですが、これまでは各県の流通ルートで
コンビニなどの「県からの広報」無料配布コーナーで、配布されてきました。
昨年11月の第2号を見た被災者の方から宮城県に連絡が入り、
ぜひ幅広く行き渡るようにして欲しい、という希望も寄せられていました。
住情報ボランティアとして無料配布が基本ですので、わたしどもとしても
一般からの「送付希望者」にどうお応えすべきか、悩ましいのですが、
送料と手数料若干をいただいての配布も考えています。



印刷配布部数が大量なので紙質はやや薄めの無料配布誌ではありますが、
東北各地に取材して、写真のような住宅実例報告も豊富に掲載しています。
ご紹介したのは、宮城県での事例で
震災当日、まさに住宅の契約日だった建物が、
数奇な運命に翻弄されながら、しかし、たくましい宮城の森の大樹が大黒柱になって
震災後1年を経て立派に建ち上がった住宅の様子。
やはり住宅雑誌は、事例が掲載されるようになって、
ようやく、「そうかわたしも建ててみたい」と思えるもの。
そういう意味では、震災後、ようやくにしてこのような事例を掲載できるように
なってきたことは、喜ばしいと思います。
どのようにして被災された方たちが「復興住宅」をゲットしているか、
その資金面や、再建に当たってもっとも心がけたことなど、
ルポルタージュは、リアリティに満ちております。
この冊子を入手希望の被災地のみなさんは、各県の住宅関係窓口にお問い合わせください。
またそれ以外の地域でご希望の方は、

<住宅雑誌Replan>お問い合わせ窓口

のフォームから、「東北の住まい再生希望」と書いて、お問い合わせください。
追って、メール返信させていただきます。


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Replan北海道vol.97 発売 特集はキッチン+!

2012年06月29日 05時16分25秒 | Weblog



さて本日は、Replan北海道最新刊のご紹介です。
風邪引いていたり、出張に出ていたり、
というわたしの状況なんですが、でも、スタッフ一同熱く精魂傾けた一冊です。
ぜひ書店店頭でお手にとってお買い求めください。

Replan北海道vol.97 2012年6月28日発売
2012年6月28日発売・2012年夏秋号・A4版・定価480円(税込)
【特集】kitchen+(キッチン・プラス)
新築でもリフォームでも、住まいづくりの大きなポイントは「キッチン」。
そこに立たない日はないからこそ、自分好みの装備は必須だし、家族や親しい仲間と過ごす大切な空間だからこそ、お気に入りの場所にしたい。

そう。キッチンと言っても、それぞれの家庭に特別なこだわりや
プランの要となるポイントがあるはずなんです。
そんな「+α」を見つけるべく、テイストもスタイルも異なる8つのご家庭を訪問。
ReplanWEBとの連動企画では、豊富な事例もご用意しました。
さらに、最新のトレンドやキッチン選びのコツは、キッチンスペシャリストにインタビュー。
システムキッチン派は、各メーカーのおすすめ商品も必見です。
Contents
●特集/ Kitchen+(キッチン・プラス)
●いま注目したい リフォームという選択
●ヒートポンプな暮らし
●自然エネルギーを生かした暮らし方 パッシブ・デザイン
●建築写真家・安達 治 ZOOM UP 住宅65
 「丘の家」照井 康穂
●北の建築家
 『ほっ。』ー「西野緑道っぷちの家」新岡 康


こちらからもお求めいただけます。
http://www.replan.ne.jp/content/bookcart/b1hok/h97/index.php/

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国組織とその出先機関病院の実態-1

2012年06月28日 07時24分08秒 | Weblog




まぁ、大袈裟なタイトルだなぁ・・・。
っていきなり大風呂敷の自己否定からって、どうなんでしょう? ま、いっか(笑)

今週は国の医療機関である、わたしの地元にある
国立病院機構・北海道医療センターに毎日通っております。
こちらは以前、「国立西札幌病院」という名前で開業していたのですが、
小泉改革の流れから、現在のような名称に変わっています。
わたしは、この地域に住み始めて21年目でして、
それ以前も同じ札幌市西区で、約2kmくらいしか離れていない場所に住んでいましたので、
ごくご近所にある大型病院ということで、折に触れて
利用させていただき続けております。
肺炎を患ったときと、胆石の除去手術の時と、入院も2回しております。
そのほかでも睡眠時無呼吸症候群の治療などでもお世話になっておりますし、
利用頻度は一番高い病院であります。
しかし一方では、息子もお世話になってはいますが、
かれはこちらの病院とは相性が悪く、
小学生の時には、重篤な風邪にかかり、インフルエンザを疑っていたのですが、
検査では最初インフルではないと診断され、大部屋に入院したのですが、
同室の子どもさんの咳がひどくて心配していたら、
自宅で寝ていたら夜半過ぎに電話でたたき起こされて、
本人から「おれ、もう死ぬ」とまで口走るほど、ひきついたような劇症症状が出て
付き添っていた妻から、お願いですから銭函にある
小児専門病院への転院をお願いしますと涙ながらに頼んで、深夜、
国立病院から他の病院へ救急車で転院して貰ったということもありました。
いまは廃院になったようなのですが、そちらも公立の専門病院で、
出産時、やや不安のあった息子はお世話になって無事健康を確認されたりして、
よく知っている先生もいらっしゃったのです。
翌日再度看ていただいたら、やはりインフルエンザに罹患していました。
そんなこともあって、妻は大変心証が良くない。

まぁしかし、わたしとしては勤務されているお医者さんたちともよく話したりしていたので
そういう気安さは感じ続けていました。
で、入院時など、先生たちから「国立病院」当時としての
内実のお話しを伺うことも多かったのです。
経営的には勤務医の会議のような組織があって、
そのなかから経営者が互選されてトップになっているということ。
単体としてみたら経営実態は赤字経営であること。
そのことで、小泉改革に戦々恐々であること。
かならずしも経営のプロが経営陣に存在するわけではないこと。
そのころの小泉改革で組織存亡の渦中にあることなどが聞かされておりました。
まるで厚労省の雰囲気のようなものが伝わってくるような雰囲気でした。
で、その後、わたしはすっかり健康な状態が続いて
ほとんどお世話になることもなく推移していたところ、
平成22年3月になって、それまでの国立西札幌病院と国立南札幌病院が統合して
現在の、北海道医療センターとなって建物も立派な新築ビルに生まれ変わったのです。
以下、同機構HPからの沿革(抜粋)

●独立行政法人国立病院機構北海道医療センター
昭和 5年 市立札幌療養所として創設
昭和18年 日本医療団札幌療養所として改称
昭和22年 厚生省に移管、国立札幌療養所として発足
昭和44年 国立療養所西札幌病院と改称
平成14年 国立療養所小樽病院と統合
平成16年 独立行政法人国立病院機構西札幌病院と改称
平成22年3月1日 国立病院機構西札幌病院と国立病院機構札幌南病院が統合し、独立行政法人国立病院機構北海道医療センターとなる

従って、現在も厚生労働省の傘下にあるわけです。
施設は旧来のものからは信じられないほど立派に生まれ変わりました。
建物だけみたら、国ってどこが財政赤字なのか、と驚くほどに一変した。
そんなことで国というのは、この間どのように変化したのか、
むしろ、こういった「細胞」的な組織をしっかり見据えることで
見えてくるのではないかと、ふと気付いた次第です。
財政再建の名の下に、いったいどのような現場状況になっているのか、
小泉改革以降の状況の一端が見えてくるように思ったワケですね。

あぁ、メチャクチャ長くなりそうであります(笑)。
こりゃ困ったぞ。ブログで書くような内容ではないのかも・・・。
まぁ別に告発、とかいうことではありません。
ただ単に健全な(あ、病気で行くんだから健康ではありません(笑)が)
一般市民の目線で国の現在のありようを、具体的な組織を通して看たいのです。
気付いたことを、今後時々取り上げてみたいと思います。

<写真は例によって全くの無関係なある日のそばランチ~食欲は健全なカラダに宿ります>
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癒される空間

2012年06月27日 06時06分53秒 | Weblog




けさ起きたら、久しぶりの健康感が復活しておりました。
熱が下がって、頭の動作がほぼ健康時と同じ回転の仕方をする。
悲観的な考え方とか、堂々巡りするような考え方は消えてしまって
普通のことを普通に感じられるような気分であります。
どうやら、きのうの大汗作戦や点滴、投薬などが効果を発揮してきたのでしょう。
ここは慎重に、注意しながら復活していきたいと思います。

丸2日間、家の中でうんうん唸っていたのですが、
無意識のうちに、家の中で「癒される場所」を考えていました。
わが家は3階建てで、1~2階はコンクリートブロック造、
3階はツーバイフォー木造で建てられています。
現在の家族数は3人。
ということで、1階は25坪ほどで、主にわたしの書斎+寝室。
2階は居間食堂と、いまはカミさんが占有していた寝室。
3階は大きめの15畳ほどの子供室が2室であります。
以前事務所兼用住宅だったので、その名残で
たいへん大きな面積の建物なのです。
建築の目的では想定していなかった使用実態なのですが、
なかなか人生をすべて見通して住宅を考えるというのは難しい。
考えてみれば、そういうことのほうが世界標準的な考え方で、
欧米では家にあわせた人生を考えるよりも
ライフステージに合わせて住宅を住み替えていくほうが一般的。
なので、誰でもそこそこに使いやすいような間取り計画が採用されている。
しかし、現代日本では個人主義的な「個性化」の追求が多いかも知れない。
欧米では3回くらい「住み替える」のが普通で、
一方日本では、3回くらい「建て替え」ないと
理想の家は得られない、とされている。
まぁどっちのほうが社会的に無駄がないかは明確ですが、
しかし一生に一度のことだから、ということで
一生懸命に家づくりに精魂を込めるという日本人的努力もある意味、すごい。

話が逸れていっている。
まだ、風邪の影響が残っているのでしょうか(笑)。
ようするに家の中で、いちばん寝具合のいい場所を求めてみると、
結局、2階のいまはカミさん専用寝室になっていた部屋に行き着いたのです。
その根拠はなにかなぁと考えてみたら、やはり「畳床」ということに。
そうなんですね、ベッドももっと立派なヤツはあるのでしょうが、
いま使っているのはそれほどでもないものなので、
疲れた体を癒す床の力、という判断基準で考えると
わが家の現状では、やはり畳の床に低反発マットを敷き込んだ寝床が
一番いいという結論に至った次第なのです。
で、そういった条件で写真を見ているうちに
目についたのが掲載した写真であります。
通風と採光に配慮された和風空間というのが、目には癒される空間と写る。
こういう空間で、しかし熱環境的には
夏涼しく、冬暖かい、という基本条件が満たされていること。
そういうのが、欲しい。


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ありゃりゃ、熱発です。

2012年06月26日 17時13分55秒 | Weblog





きょうはすっかり更新が遅れました。
きのうの病気になりそうなブログで、やや気分を害された方も多いでしょうか?
申し訳ありませんでした。
なんですが、まだ不調、継続しております(笑)。
って、あんまり笑い事ではないのであります。
きのう、わたしの家のすぐ近くにある、国立の病院施設・北海道医療センターへ
しっかり看て貰おうと行って参りました。
いろいろ、成人病とか看てもらっていて、施設設備のりっぱさはすごいので、
わが家の近くにあることもあって、何かと便利なんですね。
仙台で看てもらったクリニックの先生から、
いくつかの可能性を指摘されたので、それを整った設備のあるここで、
一気に確認したかったのです。
で、それは杞憂ということで確認できてほっとしたのです。
風邪の諸症状については、仙台で処方された薬でいいでしょうということでした。
で、きのうは言われたとおりにしていまして、
ひたすら安静を心がけていました。
背中が痛くなるくらいに寝続けて、なんとか回復を願っていたのですが、
・・・・なんと、夜半から急激な寒気が襲ってきました。
案の定、39度近い高熱になって、熱が引かない。
さてさて、こういう場合にはどうしたらいいのか、迷うところ。
というか、ぼ~~~っとしていて、モノも考えられない。
カミさんのいうことを聞いて、ふたたびきのうの北海道医療センターへ。
再度、精密にCTスキャンなども行って貰った次第です。
4週間以上の猛威を振るう風邪、ふたたび絶好調ですね、やれやれ。
お医者さんからは、「そんなに掛かるはずはない」というご託宣ですが、
こちらとしては、むしろ悪化しているようにも思う。
今後、3日間通院で点滴治療をしてみましょうということで、
点滴を受けて、ようやく還って来て、安静~大汗発汗~下着類全交換という
久しぶりの風邪退治作戦を展開しております。
さて、少しは熱が出つくしてきた感じで、やや元気も出てきたようです。
(ということで、ブログに着手しているわけです)
読者のみなさんには2日連続での意味不明な病状報告で退屈きわまりないでしょうね。
なんとかあすには、元気を回復させたいと念じております。

<写真は先般の十勝出張で見学したガウディ風施設>
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64/130

2012年06月25日 08時19分22秒 | Weblog




ようやくきのう、今回の出張から札幌に帰還。
どうも、出張途中で蒸し暑さからついエアコンを付けていて
テキメンにのどをやられまして、
直りきっていなかった風邪がふたたび猛威を振るっております。
土曜日には出張先の仙台でお医者さんにも看てもらい、
「あ、ノド、だいぶやられていますね」とのこと。
札幌に帰ったらきちんと看てもらうように指示されました。
投薬もして貰ったのですが、その後、どうもあんまりよくない。

表題の数字は、さてなんでしょうか?
わたしの、ことしの出張日数と稼働日数との対比であります。
まぁ感覚としては、半分は出張している感じでしたが、
計算してみるとやはりこういう数字になった次第。
ただ、きょうから月末までの札幌にいる日数も分母の130には含まれているので、
そう考えると、過半は出張の空の下にいた、ということになる。
なにやら、民主党の造反議員と執行部派の票読みに似てきた(笑)。
というようなギャグを考えられるのですから、
少しは元気が出てきたかなぁ。
いまはベッドに寝ていたり、起き上がってブログを書いたりしていましたが、
その合間に、寝ていて、ふと気付くと坊主が顔を見せてくれた。
やはり若くて元気の良さそうな表情を見ると癒される。
というような次第の週明けの朝の状況であります。
これから病院が開いたら、行ってこようと思っております。
写真は、出雲大社で見かけたかわいい「なで牛」。
こういうのは一般的に病人がその患部に近い部位をなでると
病が転移していって、なでた側は元気になるということですが、
さて、風邪の時はどこをなでればいいのか?
まぁ、なんとなく頭痛もしてきたので、頭をなでてみるか、というところ。
少しは念を込めてみたつもりであります。むむむ~~~。
ということで、具合が悪くなってくるようなブログで大変申し訳ありません。
ではでは。
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震災後の家づくり~仙台にて

2012年06月24日 06時03分46秒 | Weblog




さてきのうは、今回の出張の締めくくりのお仕事で
仙台メディアテークでのSAU+という建築家グループのイベントに参加。
課せられたミッションは、4人のパネラーによるディスカッションのコーディネータ-。
全部横文字で見るとよくわからない仕事ですね(笑)。
まぁようするに、一定テーマでの4人の発表を踏まえて、
そこから聞いているみなさんがわかりやすいように、論点を整理して
なるべく、いまの問題点やテーマの本質に迫っていこうという論議形式。
って難しそうなので、あんまり考えてもしょがない、と思って
当日になるまで考えないようにしていたのですが、
案の定、朝から一応打ち合わせたりはしていたのですが、
論点整理まではなかなか、という絶望的な状況。
大体が、パネリストのみなさんも2名の方がなかなか会場に到着しない。
1名は地元の建築家・佐々木文彦さんで日頃からお付き合いがあるので
それはいいのですが、もう1名はまったくの初対面。
ようやく開始30分前にようやく名刺交換できた、というところ。
まぁそんな展開でのスタートとなりました。

宮城県を中心にした被災地域では、
震災以降の1年間で、いわゆる「復興住宅」といえる新築はおおむね3000戸。
これは、阪神淡路大震災の30000戸の約1割にとどまっています。
毀損した住宅総数120000戸に対して見るときに、
いかに「復興」が進んでいないか、が明確に表れた数字だと思います。
それの大きな要因は、今回の震災が津波型であって、
神戸でのように、「建てる場所」が確保されているのと違って、
建てる場所を確保すること、それ自体が困難を極めているという状況を表しています。
そういったなかで、津波被災地での再建をさまざまな理由から諦めて
仙台などの内陸都市機能の充実した地域に建てる、という需要だけが
ようやくにして出てきた、というのが現実だと思います。
で、1年以上が経過して最近、ようやくその需要での建築がデータ的にも現れ、
ここ数ヶ月、宮城県での住宅着工が、ほぼ倍増に近い推移。
これは一見、喜ばしいデータとも言えますが、
しかし、家を建てるユーザー側から見たときには
全然違った光景となって見えてくる。
建てるにも、今度は供給側の対応がきわめて厳しくなっていくということです。
宮城でいえば、通常ベースで月に400棟程度の住宅生産ペースが
突然、700~800棟といったレベルに上がっているのです。
そのうえ、土木工事などの災害復旧・道路新設公共事業などの平行している。
労働力の不足、資材の値上がり、工事の遅延などが常態化してきつつある。
こういった現実は「売り手市場」ということになって、
ユーザー側にしてみたら、必ずしも有利な状況とはいいにくい。
そういう状況の中で、「いい家」を求め、幸せな家づくりを求めるには、
っていうような視点が必要になってくるのですね。
そしてそういう状況は、今後数年、5年くらいは継続する可能性が高い。

まぁ、おおむねそういった論点整理を行って
イベントを進行させていきましたが、
明確な「こうすればいい」というくっきりとした方向性明示までは
至らなかったと思います。
しかしそういう状況の中では、否応なく「じっくりと家づくりを考えざるを得ない」。
むしろそのあたりに積極的な部分を見いだしていく必要があると思います。
一方でパネラーの方からは、被災し、仮設住宅に入居したみなさんの
「意識変化」についても発表がありました。
・・・難しいテーマだったのですが、
いろいろな方向性の発見も得られたコーディネート役でした。
仙台の建築家のみなさんとの旧交を温め、また秋の活動についての
打合せなども、その後活発に情報交換。さらにこの機会に多くのみなさんとの
新しい出会いもあって、有意義な時間を過ごすことが出来ました。
やれやれ、といったところであります。
これでようやく今回の出張任務は完遂し、本日札幌に帰還できます。
ふ~~~、さてっと。

<写真は先日の帯広での住宅見学でみた、壁面への取り付け型の時計。数字がずれないかちょっと心配してしまいますね(笑)>

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関八州の空と雲

2012年06月23日 06時29分09秒 | Weblog


わたし、むかし高校生の頃、
というか高校を退学になりそうなころ(笑)、脱出するように
ヨーロッパを旅した経験があります。
北海道という大自然の季節変化をこども時代にたっぷりと
視覚体験・皮膚体験としてカラダに刷り込んであるので
たとえば、夕陽、という言葉で想起する空の燃え方がたいへん劇的であったりする。
半端ではない美しさの原体験をもって過ごしてきているのですね。
あの夕陽の美しさにもう一度会いたいなぁといつも思っています。
一度、まだまだ大自然が残っている釧路湿原地域で
晩秋の紅葉のなかに、世界全体が赤く燃えているような
シラルトロ湖の夕陽を見たことがあり、
本当に数十年ぶりの感動を覚えた記憶もあります。
で、はじめて「ヨーロッパの空」というのを見たときに
って、それは南回りでいったローマの空港で見た朝焼けの空でしたが、
トラベラーズハイという心理的昂揚感もあって
「おお、これって、すごい、違うぜ」
っていうように単純に感動していた経験があります。
たぶん、地中海気候という気候区分的世界での気象現象は、
東アジア・日本海を挟んだ大陸からの偏西風気候北限の北海道に沸き立つ雲とは
当然にして組成に微妙な違いがあるのだ、ということを表しているのでしょう。
若い感受性はそういう違いに敏感であったのでしょうか。

で、そんな体験が一生、ついて回っている部分があって、
わたし、「空ウォッチフリーク」であります(笑)。
そんなものがあるのかどうか、まったく知りませんが、
違う土地に行くと、違う雲の組成ぶりを観察するのが好きなんですね。
わたしが暮らしている札幌、それも北側の空には石狩川の大河が
微妙に影響するような低い黒雲が、嵐の時など発生することがあります。
これには、幼少時から、龍のように移動するその様を見続けてきた
記憶体験が常に重なっていまして、
小さいときからの積み重なってきた時間と照合しながら、
無意識の部分で、いろいろな脳内信号を刺激してくれているように感じています。

で、写真は関東平野の雲であります。
わたしは青春期、10年以上関東での生活体験があり、
なかなか山のない、日本最大の平野部に展開する空の高さを実感させる
関東平野の雲、というよりも、言葉としてはやはり
「関八州」という語感が似合っているような空の雲が好きでもあります。
異常性天才画家・ダリの描く空にも似た感覚があります。
写真は仙台から東京に南下した先日の新幹線車窓から撮影した、
はるか茨城県・太平洋海岸方面への広がりの空であります。
いまは関東平野というのは東京が存在するので
あんまりその実感がないのですが、
日本最大の広大な平野部であるという、きわめてまれな条件の土地だと思うのです。
で、そこに沸き起こる雲も、北海道の豊かな自然を背景とした雲とは
また違った意味で、本来、豪放なものだと思っています。
いろいろな方向からこういった関東の空に出るとき、
いつもワクワクしている少年のような自分を発見して、おかしい。
でもいつも、大好きだと思わされるのですね。変でしょうか?(笑)

ただまぁそのごく一部、霞ヶ関や永田町あたりの黒雲は
きわめて特殊な異常性黒雲だとはいえますが・・・(笑)。

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鏡面のように仕上げる床

2012年06月22日 06時44分03秒 | Weblog




きのうまでは東京。
で、今週土曜日には仙台メディアテークで
仙台の建築家グループSAU+のイベントがありまして、
そちらで「震災後の住まいについて考える」というディスカッションがあり、
わたしが、コーディネーターを依頼されています。
6月23日午後3時からであります。
あんまり時間もないので、札幌には戻らず、
東京~仙台と今週はずっと旅の空の下におります。

写真は、先日の「メムメドウズ」の馬小屋をリフォームした
建物の内観写真であります。
建築家・隈研吾さんの手になるリフォームなわけですが、
同行した北海道内の建築専門家のみなさんからは一様に
床の仕上げについて、
「こういうの、内地のひとの感覚なんだよなぁ」
という声が出ておりまして、
あれ、そんなことってあるのかなぁと考えさせられた次第なのであります。
この建物は馬小屋の建物の再利用で、1階には宿泊用の寝室スペースがあり、
この写真は、その2階の会議などに利用できる場所。
改造とは言え、内装はほぼ新しい材料で作られています。
で、床には光沢感のある表面塗装が仕上げとして採用されている。
たしかに北海道の「自然派」といえる作り手のみなさんは
ざらついた質感の床仕上げが多いとは言える。
こういう光沢感のある仕上げだと、どうしても工業的な
工場生産的な感覚が立ち上ってきて
雰囲気に似合わないのではないか、というようなご意見のようです。
しかし、ここは比較的に開口部が少ない構成になっていて
このような床の仕上げにすることで
入ってきた光がいろいろなバウンドを見せて、
室内を面白い陰影世界として映し出してくれる効果はある。
仕上げの塗料成分として、ピカピカにする材料を使うことはどうかと思うけれど
結果として得られるこういった効果には
やはり、わたしは同意できる部分があると思った次第。
日本の古い寺社建築などでは、
大屋根によって採光条件が厳しくて、
数少ない開口部からの光を室内に1次2次3次というように
複雑にバウンドさせるために、床を一生懸命に手入れする。
一休さんのような小僧さんは、和尚さんから
廊下の磨き上げを毎日やらされるのが、定番ドラマなわけですが、
あれって、やはり黒く光る鏡面のような日本建築の独特な床の効果を
わきまえていたから、ということなのではないかと思うのです。
特段の塗装材料のない時代から、
日本の建築文化は、こういった鏡面のような床の効果をずいぶん意図してきた。
京都の寺社では、こういう床に季節季節の庭園の色彩が映り込み
そういうなかから「花鳥風月」の日本的感受性が涵養された。
一休さん的床メンテナンスは、
このように考えられるのではないかと思っている次第です。
ただ、現代では新築していきなりこういう鏡面的な床が
化学的塗装材料で、簡単に出来上がってしまう。
まぁ、メンテナンスなんてやれるわけはないから、
そういう材料に頼りたくなるのは、わからないでもない。
とくにこの建築は非日常的建築~レンタルでの利用を基本にしているので
やむを得ない選択なのかも知れませんね。

ということで、
なかなかに悩ましい問題であるなぁと思っていたところです。
やはりこうして写真に撮ると、いいなぁと思ってしまうのですが、
さて、みなさんどうお考えでしょうか?


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民主党議員懇談会・報道陣に乱入

2012年06月21日 06時17分20秒 | Weblog





わたしはこういうことになっているとはつゆ知らず、
住宅政策に明るい民主党・中村哲治議員からお誘いの「講演会」に向かっていたのです。
で、会場というのが、古色蒼然たる、といっても昭和初期年代だと思われる
コンクリート造の「憲政記念館」を訪ねていった次第です。
最寄り駅が「永田町」ということで、
一般人はほとんど縁のない世界の入り口ではあります。
この霞ヶ関や永田町周辺というのは、普通に生活する東京人にはまったく無縁の世界。
それなのに、来て歩いてみると、なかなかに広大な地域です。
官庁群など、立派な前庭が整備されていたり、広大な駐車場があったり
「へぇ~、東京のど真ん中でも普通の土地利用感覚があるんだ」と
変な風にびっくりしたりする。
ついでにいうと、議員会館というのも、都心の一等地で
各議員に与えられている事務所スペースの広大さ、立派さには
さすが、日本国家というのは大国なのだと思い知らされます。
まぁ、負けてしまえばただの人になってしまう過酷な人生を「選良」という形で過ごす
そういう意志を持った政治家のみなさんですから、
このような特権もまぁ、ある意味では当然ではあると思います。
ただ、こういう特権待遇に狎れないことが常に心の中では求められると思います。

話がさっぱり枝道ですね。
で、講演会の会場である憲政記念館では折しも
「民主党両院議員懇談会」が首相・幹事長も出席して開かれていたのです。
そういうなかにノコノコと入っていって仰天させられた次第。
まぁ、政治の動きをウォッチするというのはマスコミの当然の興味分野だと思いますが、
それにしても、報道陣の熱気には圧倒されます。
憲政記念館には出入り口が2つあるのですが、
みんなが注目しているほうになにげに入っていったので、
何人かの報道の人から目も付けられたようで
「なにやつだろう」みたいな遠慮のない視線が向けられて参ります。
受付とおぼしき女性に要件を告げましたら、
しばしの目線動作のやり取りの後、急に目線が和んで
「あ、それでしたら、あっちですよ、あっち」
というように無事、目的場所にたどり着くことが出来ました。
たまたま、中村さんは講演会をこの日に開くと決めていて、
そのあとになって、民主党の会合が急遽決まったようなのですね。
まぁちょっと気の毒だなぁと思いつつ、待っていたら、
ようやくそっちの会合を中座して中村さん登場。1時間半ほど講演をこなし、
ふたたびそっちのほうにトンボ帰りしておりました。
講演会では日本の経済的な現状と、その対応策についての発言と、
それとからんだ、かれが主導的に進めてきた民主党政権の「住宅政策」が語られました。
確かに民主党政権になって以降、
すこしずつ、「省エネ」施策については前進が見られています。
平成11年の次世代省エネ基準もこの夏には改定されるようです。
近々に国土交通省HPから発信されるということ。
東京以南地域でも、省エネ・エネルギー対策というのは
住宅メーカーでも積極的になってきているようです。
国の今後の舵取りがどのようになっていくか、
注目していきたいと思います。

で、ふたたび帰り、ごった返す報道陣の中を突っ切って
誰からもマイクを向けられることなく、無事ホテルに帰還いたしました(笑)。


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