ちょっと長~い文章なので・・・
法律には「努めること」あるいは「努めなければならない」といった表記があります。これに関して「努力義務」だからやらなくても良いと思っている経営者・労働組合幹部の方が、多く存在します。
法律には「〇〇しなければならない」とは書いてありません。守らなくても罰則はありません。
また、法律には「〇〇しなくてはならない」と書いてありますが、罰則のないものもあります。
どちらも違反しても罰せられないと言う点ではおなじですが、法的な意味合いは全く違ってきます。
罰則規定がない場合は、罰則規定があろうがなかろうが、「〇〇しなければならない」と書いてある以上、それをやっておかないと法的な責任は生じます。特に民事での損害賠償には大きく影響します。
一方、努力義務の場合はあくまでも努力義務なのだから、やってなくても法的な責任はそれほど高くないように考えられがちです。これが大きな間違い!!
確かに、やらなかったからといってすぐに責められるものではありません。
しかし、だからと言って、していないことへの責任がないかと言うと、そうではありません。
「努力義務規定」というのは、それを法が強制するには厳しすぎる場合が想定される、といった場合によく利用されます。
法の趣旨から見て、守ることが望ましいには違いないが、それをすることで対象者に多大な費用や労力を強いることになる、といった場合などがいい例かと思います。
では、何かことあった場合に「努力義務規定だから守らなくてもいい」という抗弁が成り立つでしょうか?
確かに、「守っていなかった」こと自体では責められる度合いはかなり低いでしょう。場合のよっては完全に免責される場合もあります。しかし、規定は「努めなければならない」です。すなわち、頭から守らなくてもいい、というのではなく、「守る努力をした」という事実が必要になります。これをちゃんと説明できなければ免責されないということになります。
完全ではないにしろ、ここまではやった、という努力の度合いによって、免責幅が変わってくるということです。
努力義務規定だからと言って単純に「しなくていい」と考えたり、忙しさや煩わしさや、費用のこと考えて放置するのは企業や労働組合の社会的責任を果たしていないことにもなり、糾弾されるポイントにもなることを私たちは認識しておくべきです。
以上、努力義務も無いので、いつも努力が不足の福山君でした。