山形の過去、現在、未来

写真入りで山形の歴史、建物、風景を紹介し、併せて社会への提言も行う

日本的な、あまりに日本的な

2008-10-09 23:17:19 | Weblog
 近くの温泉街を所用で歩いたら、前方に十字架が見えてきた。
「ないだべ、こだなゆがだ着てあるぐ街さ耶蘇様の教会があだらすぐでぎだんだべが」
 ⇒訳文「なんでしょうか、こんな浴衣を着て歩く街にイエス様の教会が新しくできたのでしょうか」
 ところがところが、近づいたら、その十字架のすぐ前に「若松観音千三百年」を祝う幟旗がはためいていた。まさしく「めでためでたの若松様よ」である。
 天童市の東北部の山中に若松寺(じゃくしょうじ)があり、今年が開山千三百年にあたり、天童では官民挙げて祝賀の行事が目白押しである。また、この寺は最上三十三観音の第一番札所としても有名である。
 それにしてもその十字架の正体は何なのか。
「あなたはこの女を妻と定め生涯変わらぬ愛を誓うか・・・」の言葉が響く建物の屋上の付属物であり、敬虔なる牧師と信徒たちが集う建物ではない。単なる温泉ホテルの付属施設であり、擬似教会堂でしかない。
 この温泉街には他にもキリスト教会堂もどきの建物が複数天を突いている。
 でも、街には観音寺院を祝う幟旗がずらりと並んでいる。
 この光景こそが、まさしく日本的なのである。
 19世紀のニヒリズム哲学の巨人のニーチェすらこの光景を見たら、思わずニヤリとしたに違いなかろう。

若松観音については、右のブログをご覧ください。 「宿六日誌」 ←クリック

 
コメント
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