この道はいつか来た道。そして、この建物はいつか見た館(やかた)。
今年のモントリオール世界映画祭でグランプリを獲得した日本映画『おくりびと』を見たが、この映画の中でそんな道とそんな建物が目についた。
そうだ、思い出した。5年前に酒田市の日和山公園のそばを歩いた時に見つけた洋館だ。洋館とはいっても、かつては酒田を代表する割烹料亭の別館のようなもので、確か現在でもすぐそばに本館ともいうべき堂々とした和風の建物があると思われる。
5年前に訪れた時も既に廃業していたから、本館も、またこの洋館造りの建物ももしかしたら解体されてしまったのではないかと案じていたところであった。
でも、この建物はしっかりと現存していた。
つまり、まだ“おくりびと”の世話にならずにすんでいたわけである。
5年前に訪れた時も古い建物が好きな仲間と一緒で、この洋館を見付けて一同が感嘆の声を上げたのを思い出した。
同じ感動は映画人(えいがびと)も味わったに違いない。
それゆえ、この建物はロケの中心として選ばれ、納棺師の営業事務所という設定で使われ、全世界の人たちの目にも触れることになったのであろう。
歴史ある建物を古いというだけで毀してはならない。
古くとも素敵な建物はいつか必ずこの洋館のように用いられる時がある。
どうしても解体のやむなきに至る場合も、パワーショベルで一撃のもとにというのではなく、この映画の死者たちのように愛情をもって送り出すべきであろう。
今年のモントリオール世界映画祭でグランプリを獲得した日本映画『おくりびと』を見たが、この映画の中でそんな道とそんな建物が目についた。
そうだ、思い出した。5年前に酒田市の日和山公園のそばを歩いた時に見つけた洋館だ。洋館とはいっても、かつては酒田を代表する割烹料亭の別館のようなもので、確か現在でもすぐそばに本館ともいうべき堂々とした和風の建物があると思われる。
5年前に訪れた時も既に廃業していたから、本館も、またこの洋館造りの建物ももしかしたら解体されてしまったのではないかと案じていたところであった。
でも、この建物はしっかりと現存していた。
つまり、まだ“おくりびと”の世話にならずにすんでいたわけである。
5年前に訪れた時も古い建物が好きな仲間と一緒で、この洋館を見付けて一同が感嘆の声を上げたのを思い出した。
同じ感動は映画人(えいがびと)も味わったに違いない。
それゆえ、この建物はロケの中心として選ばれ、納棺師の営業事務所という設定で使われ、全世界の人たちの目にも触れることになったのであろう。
歴史ある建物を古いというだけで毀してはならない。
古くとも素敵な建物はいつか必ずこの洋館のように用いられる時がある。
どうしても解体のやむなきに至る場合も、パワーショベルで一撃のもとにというのではなく、この映画の死者たちのように愛情をもって送り出すべきであろう。