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中間玲子のブログ

仕事のこととか日々のこととか…更新怠りがちですがボチボチと。

仏教と心理学

2010-11-08 16:33:38 | 研究日記
先日、知り合いに誘われて
PCY(世界学生平和会議)なるものに出かけてきました。

その目玉は、第14世ダライ・ラマ法王の講演
「恒久的世界平和の実現に向けて」でした。

その中で、心の中の破壊的な感情をどうするか、という話題で、
・世界の人々を、自分の一部であるととらえるべきである
・相手に対して怒りを抱く場合、その90%の原因は自分の心にある
という話がありました。

そうだよなあ…と思いつつ、

あ、これって、ユングが論じた心についての理解と一緒だ

気づいて、ふむふむ、ユング、すごいなと思って聞いていたのですが、

そのうち、

あれ?そういえば、ユングは、仏教に関心があって、心を理解する際に
かなりその影響を受けてたんだ

ということにも気づきました。

ということは、

ユングがすごいんじゃなくて仏教がすごいんじゃん!
(もちろん仏教に目をつけたユングもすごいですが…)

そして、ユングは、鈴木大拙という仏教学者に多くを学んだそうです。
って、鈴木大拙って、日本人ではないですか…。

と、ここまで思い至ると。

ああ、私は、そういった教えを逆輸入してたのかあ…と
なんだか恥ずかしくなりました

私はずっと、日本人としての「私」が
欧米的な「個」の感覚を持てるのか、
欧米的な「自尊感情」をもてるのか、ということに
非常に興味関心をもって研究しています。

なのに。
なんだか、足元をすくわれた感じがしました

下手すれば、日本語の本を、英語かドイツ語かの訳を介して
日本語訳されたものを読む、なんてことを
してしまいかねません

…勉強しようっと。


ところで、午後のプログラムで、学生から、法王に対し、
「法王の目から、貧困の原因は何だと思われますか?」
という問いが投げられたのですが、
それに対して、
法王は最初、なんと答えられたと思いますか?

どうでしょう?


なんと。


"I don't know."


その後で、貧困についてご自身がどう考えているかを話されたわけですが、
その鮮明なる自己理解と、表現の率直さが、とっても印象的でした。

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