うちの父は昨年2回がんで手術をして、現在闘病中である。
がんというのは本当に恐ろしい病気だ。家族として、今、父が向かい合っているこの病気を目の当たりにしていると、しみじみそう思う。
うちの家系はがんの家系で、祖父は二人ともがんで亡くなっている。私にも発がんしやすい遺伝子が流れ込んでいるだろう。
私は酒を去年やめ、幸いタバコもやらないが、誰でも、こんな病気のリスクは減らしたいと願う。まして子ども達にはそうしたいと祈る。それは、人間として当然の思いだ。
(私もよく父に言われ、タバコを買いに行ったものだ・・・・あのころは、親子共々、発がんリスクなどという言葉も知らなかった)
うちの家族がそんな中迎えた文化の日の昨日、そんな祈りや願いを打ち砕くような社説が読売新聞に掲載され、私は病院で読んだ。
末尾にある「電力不足対策 節電と原発再稼働が不可欠だ」である。
最近、読売新聞を読むようになって、その社説には何度もあ然とさせられてきたが、これもひどい。
読売新聞は社説でTPP参加のため土地を奪う目的で、零細農家を補助金の対象から外せと主張する冷血新聞だ
読売新聞が社説で堂々と「核武装のための原発推進」論を展開
(読売新聞の社主だった正力松太郎は中曽根康弘と結んで日本の原発を推進し、『原子力の父』と呼ばれた。与謝野馨「原発事故は神様の仕業」 中曽根・小泉・安倍自民党原発推進議員人脈 地下式原発議連のお笑い)
読売新聞は、まず、この冬の電力不足はこの夏よりひどく、節電だけで乗り切るのは無理で、どうしても原発再稼働をしなければいけないと主張する。
「関電では、暖房などで増える電力需要に対して供給力が最大9・5%足りず、九電も2・2%不足する見込みだ。」
この数字が、やらせミーティングなど嘘ばかりついている電力会社のデマかも知れないとはついぞ考えず、末尾の東京新聞が5月には社説で「見逃せぬ東電の不誠実」と喝破していたのと違って、あえて見逃してしまう。
しかも、この夏の節電効果から見れば、たとえ9・2%の電力不足が見込まれるとしても、節電だけで乗り切れることも完全に無視してしまっている。
一般家庭は関係なし!もはや脅迫 電力使用制限令発動 「電力不足」は原発維持のためのデマ・嘘キャンペーン
上の表のように、実は、電力会社は、夜間消費の少ない時間帯に余った電力で水をくみ上げ、昼間水力発電に使う「揚水発電」という隠し球を持っていたのだが、それを電力供給力から外して計算して、「でんき予報」を出していた。
その効果もあり、もともと需要を多めに供給を少なめに予想を出していたこともあり、結局、114年で4番目に暑かった今年の夏も、下の図の東電ほか全部の電力会社が余裕で乗り切ってしまったのである。
電力不足キャンペーンは、最初から、原発推進のためのデマだったのだ。
過剰な節電は人を殺す 東電のでんき予報「本日のピーク時供給力」は低め 電力需給戦線余裕あり
そして、来年の夏について
「政府は、全原発が止まったまま今年並みの暑い夏を迎えると、全国で9・2%の電力不足となると見込んでいる。今夏の2・7%より、かなり深刻だ。」
昨年はこの114年で最高に暑い夏で、今年は4番目に暑い夏だったことを無視している。しかも、この夏、あれだけ電力不足キャンペーンを電力会社と経産省が繰り広げたのに、結果として2・7%しか不足でなく、節電で楽々乗り切ってしまったことについては、なにも触れない。
この夏、東電管内の電力消費は前年に比べ連日900万~1000万キロワット下回った。実に中型の原発十基分にも相当する節電が出来たのだ。
下の表にあるように、東電の原発のほとんどが停止していたにもかかわらず、今年、東電管区の供給能力に一度も需要が近づいたことさえなかったのである。
むしろ問われるべきは、「原発なしでもやれるのではないか」「原発は本当に必要なのか」ということのはずである。
原発なしでも電力は足りていた 電力使用制限令は前倒しで解除 脱原発は可能!
あげくのはてに、読売新聞はこの社説でこう主張する。
「政府は全国の9原発22基について、耐震性などを改めて点検する方針を示した。だが、ストレステストに加えて安全性のハードルを上げる姿勢には疑問符がつく。
無論、安全性の確認は大切だが、稼働中でも点検は可能だろう。政府が再稼働の判断を先送りする口実としてはならない。
政府は原発の安全性評価を着実に進めると同時に、再稼働に明確な道筋をつけるべきだ。」
稼働できるかどうか確かめるためにしているのが点検だ、それなのに、先に再稼働して、稼働中に点検する?
だいたい稼働して発電中に原発を点検できるなら、下の図のような定期点検自体が不要である。どこの世界に機械を動かしながら点検する馬鹿がいるのか。
読売新聞は、福島原発事故という、チェルノブイリ原発事故に並ぶレベル7の人類史上最悪の原発事故を目の当たりにしながら、まだ『安全性のハードルを上げる姿勢は疑問』というのだ。
原発再稼働しか頭にないから、思考停止してしまって、再稼働してから点検しろなどという。
悪い言葉だから使いたくないが、読売新聞は発狂しているとしか思えない。
読売新聞の論説委員も、親も子もいる人の子であろう。
文化の日に、人の命も健康も無視する、こんな野蛮な社説を書いて恥じるところはないのだろうか。
もう一度、読売新聞購読者に言わせていただきたい。
読売新聞は消費税増税と原発推進のため大連立を求める なぜ不買運動が起こらないのか不思議だ
こんな新聞が日本最大で1000万部も読まれているとは世も末だと思われた方は
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電力不足対策 節電と原発再稼働が不可欠だ(11月3日付・読売社説)
そろそろ、冬の電力不足への準備を本格化させなければならない。
政府は今冬の電力需給対策として、関西電力管内で前年比10%以上、九州電力管内では5%以上の節電を実施するよう要請した。
関電では、暖房などで増える電力需要に対して供給力が最大9・5%足りず、九電も2・2%不足する見込みだ。
政府は東京電力など他の管内にも、数値目標のない「一般的な節電」を求めた。今夏のように、法律で節電を義務づける使用制限は回避された。電力各社が火力発電などを増やす一方、企業や家庭で節電が定着した成果といえる。
とはいえ、油断は禁物である。政府がホームページ上で紹介している節電方法などを参考に、引き続き省電力に心がけたい。
来春以降も電力事情は厳しい。東電福島第一原子力発電所の事故後、定期検査で停止した原発の再稼働にメドが立たないからだ。ストレステスト(耐性検査)の遅れなどで、来春に全54基の原発が止まる可能性は高い。
政府は、全原発が止まったまま今年並みの暑い夏を迎えると、全国で9・2%の電力不足となると見込んでいる。今夏の2・7%より、かなり深刻だ。原発依存度が高い関電管内などでは、電力の使用制限を迫られる恐れがある。
そうした事態を回避するには、電力の供給能力を高めるべきだが、課題も多い。火力発電用の燃料価格が高騰し、電力各社の業績悪化を招いている。いずれ電力料金が上昇して、家計や企業生産の重荷となりかねない。
火力発電には、温室効果ガスの排出量が増える短所もある。太陽光や風力など再生可能エネルギーの普及促進が望まれる。しかし、短期間では困難だ。
経団連の調査で6割の企業が、電力不足が今後2~3年続いた場合、国内の生産を縮小・停止すると答えた。電力不足は、景気悪化や産業空洞化などで経済に打撃を与える。安全を確認できた原発から再稼働を急ぐ必要がある。
政府は全国の9原発22基について、耐震性などを改めて点検する方針を示した。だが、ストレステストに加えて安全性のハードルを上げる姿勢には疑問符がつく。
無論、安全性の確認は大切だが、稼働中でも点検は可能だろう。政府が再稼働の判断を先送りする口実としてはならない。
政府は原発の安全性評価を着実に進めると同時に、再稼働に明確な道筋をつけるべきだ。
【社説】夏の節電 見逃せぬ東電の不誠実
2011年5月14日 東京新聞
東日本大震災で東京電力の福島第一原発をはじめ、発電能力が大きく損なわれた。
節電は今夏の国民的課題だ。
しかし、その前提となる電力の供給能力など、東電の情報公開は誠実さを欠いている。
菅政権は東京電力と東北電力管内の今夏のピーク電源の削減目標を、企業や商店、家庭ともに前年比一律15%とすることを決めた。
当初案は消費量に応じて15~25%の目標を割り当てたが、被災した火力発電所の復旧などによって供給力の増強にめどがつき、目標を引き下げた。
東日本大震災では福島第一原発が発電機能を失い、東北電力は宮城・女川原発などの四基すべてが運転停止に追い込まれた。
火力発電所の損傷も広範囲に及んだ。
この夏は企業、家庭を問わず、徹底した節電が求められている。
ところが、東電は出力三百八十万キロワットの福島県・広野火力発電所が復旧し、今夏の予想ピーク需要、五千五百万キロワットの供給確保に見通しがついたのに、国会議員らにはそれを伝えながら、肝心の消費者にはだんまりを決め込んだ。
供給確保の情報を表に出さず、電力不足を大々的にキャンペーンすることで、脱原発を牽制(けんせい)したと受け取られても仕方がない。
中部電力は菅直人首相の要請で東海地震の推定震源域の真上にある浜岡原発を全面停止し、東電への七十五万キロワットの支援打ち切りを決めた。
東電は少しでも多くの電力を確保しておきたいところだが、あっさりと受け入れ、しばらくの間供給力回復に口をつぐんだ。
日本には五十四基の原発があり、今や半分以上の三十二基が止まったままだ。原子炉停止はさらに増える見通しで「脱原発」と見まがう光景が目撃されるだろう。
原発の安全神話が崩れると、一転して「想定外だった」と釈明する東電などの電力業界に、原発銀座と呼ばれる福井県に加え、新潟、島根県などの自治体は不信感を募らせ、定期点検などで休止している原子炉の再稼働を「現時点では認められない」と拒んだ。
国民は電力供給の窮状を感じ取り、愚直に節電に努めている。
エアコンに比べ消費電力が格段に少ない扇風機が爆発的に売れている現実を見れば、それは容易に想像できる。
電力の供給状況を消費者に誠実に伝え、大停電を招かぬための節電に協力を求めることこそが筋ではないのか。
電力業界の顧客でもある国民を侮っては、逆風が一段と強まることを知るべきだ。
【社説】
原発依存度を引き下げ、停止中の原発は安全を確認し再稼働するという野田佳彦首相の所信表明は微温的に過ぎる。節電や自然エネルギーなどの知恵を広く集め、攻めの姿勢で脱原発を急ぐべきだ。
菅直人前首相は東京電力福島第一原発周辺の住民に避難を強いる悲惨な事故を受け、脱原発に意欲を見せた。野田首相も引き継いだはずだが「脱原発」と「推進」という二項対立でとらえるのは不毛と言い切った。
首相は中庸を理念に掲げているが、脱原発なのか、推進なのか、その判断を覆い隠す玉虫色に映る。首相のいう中庸とは、激論しても歩み寄りを図りながら対立を収めるという意味ではないのか。
福島の事故を境に全国の原発の多くは定期点検後も地元の理解が得られず、停止したままだ。経団連の米倉弘昌会長らから「再稼働しないと電力不足で工場を海外移転せざるを得なくなる」などと脅しともとれる不満が漏れてくる。
経団連は経済界の声を聞かず浜岡原発の停止を進めた菅政権との関係が冷えきった。野田首相はそれが気がかりだったのか、米倉会長らと会い、脱原発の議論を差しおいて関係修復を優先させた。
電力不足を乗り切るため、東電と東北電力管内の家庭や企業などに求めた節電は驚異的だった。全国五十四の原発のうち三十基以上が停止する脱原発に近い状態にありながら、節電は目標の前年比15%削減を超える21%に達した。
電力不足は関西電力など西日本にも及んだが、電力会社が互いに支え合う融通も奏功し停電は回避されている。エネルギー政策の立案は国民や経済界な どが一体となった論議から逃げては、中庸は看板にすぎなくなる。野田首相は節電の総括などを基に、脱原発への道筋を語るべきだ。
鉢呂吉雄氏の後任、枝野幸男経済産業相は「省エネや再生可能エネルギー開発を進め、原発がなくても成り立つ状況を早くつくる責任がある」と語った。枝野氏はかつて事業仕分けを主導している。
原発に偏った一兆円近いエネルギー対策特別会計の無駄を大胆に削り、太陽光や風力など、再生エネの分野に振り向ける手腕を見せてほしい。
複数の原発新設が計画されていた米国では住民の反対で滞っている。十二日にはフランスで放射性廃棄物の処理施設が爆発した。野田首相は世界一、二位の原子力大国で起きている現実も見据え、脱原発を明確に宣言するときだ。
正力さんと、読売新聞の読者らは、万般承知の上で、シラッパクレているだけなのだ。
日本右翼の指導新聞だが、あんまり頑張るなよ!
国民の被曝をどうする?
東電とズブズブの読売はおそらく電力はまったく不足しないと言う事を知ってたんだと思う。
ただそれを言うわけにはいかないから、あんな腰砕け対応になったんだと考えると、ものすごく納得できる。