Everyone says I love you !

毎日、泣いて笑って喜んで哀しんでる、かなりラテンの血の濃い、そんな宮武嶺のエブリワンブログです!

TPP参加でアメリカの医療保険会社が我が国の医療に乱入し、国民皆保険制度と日本人の健康が崩壊する

2011年11月02日 | TPP参加反対

 

 保険が使える診療と、使えない自由診療を併用する「混合診療」をめぐる訴訟で、最高裁が11月1日、初の判断を示しました。

 実はうちの父親も今ガンと闘っているのですが、ガンに限らず、保険診療で効果がなく、わらにもすがる思いで未承認の薬や治療法を求める重症患者は多いのです。

 この裁判の原告の男性は腎臓がんを患い、未承認の薬を併用した結果、保険が適用されると月6万~7万円のインターフェロン療法が、全額自己負担となり約25万円にも上ったということです。

 一審、二審と判断が分かれてきたのは、健康保険法に禁止する明確な規定がなく、厚労省が解釈で済ませてきたからです。そこで、最高裁の5人の裁判官のうち4人が、個別意見で法の仕組みに疑問を呈しました。

 

 

 そもそも健康保険法には、混合診療を禁じる明文規定はありません。ただ1984年の同法改正以降、「例外」が拡大。現在は「保険外併用療養費」として、インプラント義歯やがん陽子線治療など128種類の「先進医療」や治験など「評価療養」の7分野と、差額ベッド代など特別な医療サービスの「選定療養」の10分野で、事実上広く混合診療が認められています。 

 つまり、制度と現実の隔たりを例外で補い、下のような例外があるから逆に「混合診療を原則禁止していると解釈できる」(判決)と推認されるわけです。

 混合診療とみなされると、すべての診療が全額自己負担となるのも杓子定規と言えるでしょう。今後も、もうすこし柔軟な法改正の検討は必要です。


 

 

 しかし、医療の安全性の確保や薬害の防止という国民皆保険制度の理念からも、やみくもに診療の規制を緩めていいとは言えないのです。

 判決で、最高裁は、混合診療を禁止している厚生労働省の姿勢を適法だとしました。

 「医療の安全性や財源の制約を考えれば、保険の範囲を制限するのはやむをえない」との理由から、最高裁は混合診療の原則禁止を以下の判決骨子のように適法としたのです。

 混合診療を幅広く認めれば、多額の金がなければ受けられない自由診療の比率が増えてゆく可能性があるからです。経済力による医療格差がさらに広がるようなことがあってはならないということなのです。


 

 

 混合診療自由化の要求は財界から、医療への株式会社参入の目論見と軌を一にしてすでに出てきていたものです。自民党の小泉内閣が作った規制改革・民間開放推進会議が、「第一次答申」(2004年12月24日)で混合診療の解禁と株式会社等の医療経営への参入を求めました。

 同会議の議長は、宮内義彦オリックス会長で、オリックスグループは、傘下に生命保険会社を抱え、「入院保険fit(フィット)」を販売しています。フィットは、「一生涯の入院保障」を掲げ、「業界初、60歳以降、入院保障が3倍に拡大!」を売りにしてきた商品でした。

 簡易保険契約者とかんぽの宿を狙った宮内規制緩和と同根とは、混合診療自由化要求のお里が知れる、といったところでしょうか。

 


 医療を営利企業にとって魅力ある市場に変えるには、どうしても現在は禁止されている混合診療の全面解禁が必要になります。混合診療の全面解禁というのは、保険診療と自由診療の組み合わせを医療機関の判断で任意に自由にやっても良いということを意味します。

  自由診療を受けることが出来るのは富裕層だけです。株式会社の病院は、患者に合わせて医療の価格を自由に決定できるようになり、保険診療より利益を上げられます。

 したがって、財界の混合診療全面解禁と株式会社参入はワンセットの要求なのです。

 

 

 株式会社が医療へ参入することで問題になることとして、日本医師会は、(1)医療の質の低下、(2)不採算部門等からの撤退、(3)公的医療保険範囲の縮小、(4)患者の選別、(5)患者負担の拡大――を挙げています。

 介護保険が導入されたとき、全国的に展開した会社が、不採算地域からはすぐに撤退した事例からも明白なように、営利企業が医療に参入した場合には、不採算地域、不採算診療科の医療は当然やりません。

 つまり、普通の患者さんや地域が必要とする医療を提供することをしませんから、地域医療は守られず、地域住民が安心して暮らしていけなくなります。

 


 さて、ここで環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の問題が出てきます。日本医師会、日本歯科医師会、日本薬剤師会の3団体は、11月2日、TPPの交渉参加について「国民皆保険が維持されないならば参加は認められない」として、公的医療保険にはTPPのルールを適用しないよう政府に求める共同声明を発表しました。

 TPPの問題は、伝統的な自民党支持の圧力団体である農協や医師会が反対しているのが、私にはやりにくいところです(笑)。

世界の人口が70億人を突破 食糧安全保障の1点だけでもTPP参加はやめるべきだ

 その日本医師会などの最も大きな大きな懸念が混合診療の全面解禁です。それがひいては、下の図に見るような公的医療保険の安全性の低下、株式会社の医療機関経営への参入による患者の不利益の拡大などの懸念と関連しています。

 


 TPPでは、韓国が米国と結んだFTA(自由貿易協定)とは異なり、「2015年度までに農作物、工業製品、サービスなどすべての商品について、例外なしに関税その他の貿易障壁を撤廃する」ことが目標とされています。

 この医療に及ぼすTPPの影響についてストレートに関係づけて論じることは現時点では困難といえます。しかしTPPによって株式会社参入、混合診療の全面解禁、皆保険制度の弱体化の呼び水になることは確かであり、日本医師会のTPPに対する懸念に正当性があると思います。

 TPPの問題の本質は関税ではありません。また、TPPが撤廃する障壁はサービスには、金融や医療も含まれますし、その他の貿易障壁には食料安全基準に加えて、法律などの制度も含まれます。

 金融・医療・食料・法律を含めた、現在日本に存在するありとあらゆる規制を他国=米国にあわせるかが問われているのです。

 

 今年3月に公表された米国通商代表部の外国貿易障壁報告書では、「サービス分野における障壁」の1つに医療分野が挙げられています。そこでは、外国籍を含む営利企業による病院経営への参入が禁止されていることが問題視されているのです。
 
 同9月に同代表部は「医薬品アクセス強化に向けてのTPPにおける目標」と題した文書も作成しているので、TPP交渉に入った場合、日本の薬価制度も協議の対象にされる可能性が高いでしょう。

 しかも、韓国がアメリカと結んだのはFTAの交渉中、韓国政府は「FTAには医療の問題は含まれない」と説明してきたのに、締結されたFTAにはいきなり「特区内の保険適用除外規定」が入っていました。

 おまけに、韓国が公的医療を強化した場合には、アメリカの医療保険会社が損害賠償請求できる条項まで入っています。そりゃ、韓国国民も怒るわ!

 日本も野田政権のいうことを真に受けていると、同じ事になるでしょう。

f:id:k1491n:20111031121056j:image

f:id:k1491n:20111031121055j:image

f:id:k1491n:20111031121557j:image


 

 TPPで問題になるのがISD(Investor –State Dispute=投資家対国家間の紛争)条項と呼ばれるものです.

 これは「外資が公正な競争を阻害されたか否か」だけを判断基準にして企業が国を訴えることが出来、そしてアメリカが実質支配する世界銀行傘下の委員会で判断が下れば一切文句もつけられず拒否も出来ないというワナです。

  韓国の例でも明らかなように、TPPでも、アメリカが日本の健康保険制度を突破してくるのは明らかです。

(目が怖いって 笑)

 


 そもそも、TPP参加国の中で、国民皆保険で株式会社の医療への参入を阻害し、混合診療を原則禁止にして、医療価格を全国一律の保険点数で統制し抑え込んでいる国は、日本以外にはありません。

  この制度が功を奏して、日本はこれまで「国民皆保険制度」で、世界一安くて質の高い医療をすべての人に平等に行ってきました。

 日本の健康保険制度のもとでは、報酬が点数によってあらかじめ決まっているため、医療機関はたいした利益が上がらないような仕組みになっています。むしろ、ここ数年は診療点数が抑えられ、各病院は赤字で苦しんでいます。 

 

(国民皆保険制度で守られてきた日本の医療費はこのようにアメリカの10分の1だったが、TPP参加後はどうなるか)


 

 このように日本の医療には、他国と比べて決定的に違う規制が2つあります。

1 国民皆保険が存在するため、すべての国民が公的保険による医療を受けることができるという点です。

2 市場をほぼ100%独占する国民皆保険の価格を決める全国一律の保険点数により、国民の支払う医療費を国家が抑え込んでいるということです。

 今後のTPPを巡る交渉の場では、参加国すべてが合意しなければならないのです。TPP参加表明をするということは、他の国とは全く異なる医療制度を持つ日本が、医療についても現在参加している国々に合わせて変化させることを表明するのと同じことです。

 政府はTPP参加を巡る議論の中で、下の表にあるように、医療について「現時点では営利企業の参入や混合診療解禁は議論の対象外である」と説明しています。 しかし、日本がまだ参加していない時点では、保険制度の解体がTPPの「交渉対象にすらなっていない」のは当たり前なのです。

 必ずアメリカは保険制度の解体を要求してくるでしょう。

(誤解どころか図星で、日本も韓国の二の舞)

 

 

 確かに現状ではTPPが締結されたとしてもアメリカ資本が大々的に日本の病院経営に乗り出してくることは、すぐには考えられないでしょう。アメリカ資本が流入してくるとすれば、当初は富裕層を相手にする医療機関が限定的に出てくる程度でしょう。

 しかし、健康保険制度がカバーする医療の範囲が徐々に狭められていけば、高所得層がいざという時に備えて民間の医療保険に加入し、自由診療で受診する流れも、出てくると思われます。

 そう、つまり、、日本のTPP参加を望んでいるのは、マイケル・ムーア監督作品のアメリカ映画「シッコ」でも取り上げられたアメリカの医療保険会社です。混合診療全面解禁になると、民間の医療保険が格段に売れるようになります。だからこそアメリカは以前から民間保険会社の日本参入の解禁を執拗に要求してきたのです。

オバマ大統領 最後の賭け 医療保険制度改革


 

 

 日本とアメリカの財界の狙いはTPPを口実に、株式会社参入と混合診療全面解禁の糸口を得ることです。アメリカの医療保険会社と日本の保険会社の利害は一致していますが、日本国民の利益には反しています。

 また、混合診療の全面解禁により、大多数の国民がそれのみを利用する健康保険では「最適の医療」ではなく、「最小必要な医療」のみをカバーすることになりかねません。そのことで国庫負担の削減なり抑制は可能になりますが、患者負担は拡大します。

  アメリカの意を受けてTPPを押し進めている官庁は、経産省だけではなく、財務省なのだろうと思われます。

漢方薬保険適用外問題 ウェブの力

 


 

日本の会社と官庁くらい日本国民のために働いて欲しいと思われた方は

よろしかったら上下ともクリックしてくださると大変嬉しいです!

人気ブログランキングへ人気ブログランキング  

ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村

 

 

『政治』 ジャンルのランキング
コメント (7)   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 玄海原発やらせメール事件の共同... | トップ | 読売新聞は文化の日の社説で「早... »
最近の画像もっと見る

7 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
医療保険は、社会保障の最たるもの、慎重にネ (cafe)
2011-11-03 02:38:44
 医療保険は、生命保険、損保と並んで、社会保障の要の地位にあって、非常に重要です。
 これは、なかなか良い、TPP参加の協定加盟問題に、「一石を投じる」新たな説得力アル、着眼点ですね。
 もっとも、TPP問題は、短期、中期の展望も悪くないが、むしろ長期、超長期の立場にたつ、スパンから、検討することも大切でしょう。
江戸時代の鎖国体制へ逆行してはならない (藤原英夫)
2011-11-03 05:01:47
 日本の社会体制は、民主的な自由主義経済を基礎としている。少なくとも、日本人が民主主義を信奉して、人民主権の国会を国権の最高機関とする限り、自由主義経済の下に刻苦勉励、労働によって、技術革新のイノベーションに基づく、経済産業政策を立てる以外に、資源のない国の生きる糧を稼ぐ方法はない。
 国際的な通商によって、研究開発と加工経済の恩恵に浴していることを、認識することが必要です。
 その上で、国内産業を守るべきは守るのであって、一概に国際的な太平洋経済連携協定、TPPを、悪戯に避けてはならない。
 むしろ、日本を巡って、格好の環太平洋諸国の市場経済圏を形成するために、リーダシップを握るくらいの心意気を持たないと、今後の国際競争社会で、生き延びれない!
 これが、日本の直面する、現在の課題なのです。
その国の文化に沿った改革は? (chie)
2011-11-03 11:24:40
詳しい解説ありがとうございます。

今の医療制度は、どんな立場の人でも、希望したら同じように診察を受けることができるよう考えられている。
そこが素晴らしいところだと思います。

日本では医は仁術とか、聖職とか言われてきました。(今もそうであると信じたい)
国民皆保険はそういった文化の中から生まれてきた、保険制度ではないかと思います。

医療をビジネスと考え商品と合理的に割り切る、アメリカの医療制度と、根本的なところが違うと思います。
以前、20年程前ですが、研修でアメリカの医療問題に詳しい講師の人が言っていましたが、患者さんがいつ亡くなるか、賭けをするスタッフがいて問題になっていたそうです。
日本では死を賭けにするなんて考えられない、と皆驚いていましたが。

目の前に困った人がいたら、助けてあげたい、
それが自然に考えられる、日本人の美徳を、その話を聞いて改めて思いました。
アメリカでは医療崩壊が進んでおり、医療制度が破たんしている。
大手のマスコミはアメリカの良い点しか流しませんが、その辺をもっと日本の国民は知るべきです。

日本の文化を大切にした、温かい医療、経済を考えていけるような議論や日本独自の理論が、今後大切になって来ると思います。
自由化賛成。 (恩田川 鴨次郎)
2011-11-06 20:06:21
また同じ議論ですか?
電信電話公社が民営化されサービスが悪くなりましたか?民営化しなければ、未だに黒電話使ってる。
国鉄が民営化され、職員の応対や電車もよくなった。
医療も企業化すれば競争により今よりよくなる。
衣食住には貧富により差を認めている。医療も贅沢な病院から、貧乏人用の病院まであっていい。
競争があるので貧乏人用病院でも品質は保たれる。
さもなければ、自由競争では潰れてしまう。
保護産業こそ、何をやってもつぶれないので、いいかげんになるのは世の常だ。
反対者は既得権を守ろうとしているだけ。
何を甘いことを (特命希望)
2011-11-11 15:47:24
>国鉄が民営化され、職員の応対や電車もよくなった。

甘いことを。どれだけ在来線が放棄されて住民の交通事情が悪化してるか知らないんですね。
東北新幹線の延長部が在来線と重なったために、多くが第3セクターと化して電車の本数が減らされてると言うのに。

>医療も贅沢な病院から、貧乏人用の病院まであっていい。

あなたに病院を語る資格はない。生命の保護に関わる事を「贅沢」ですって?

>競争があるので貧乏人用病院でも品質は保たれる。

医者が過労死して終わりです。きちんと国から援助が出ているから、患者からあまり金を取らなくても医師の生活や技術の伝承が成り立っていると言うのに。
アヒル (アド爺)
2012-11-22 07:29:47
チャールズレイクが米国の実質的な窓口ですが、彼は、アヒルの日本社の代表で元々商務省にいた人間です。アヒルは、イメージ戦略が上手くて、今や、がん保険や医療保険の販売はバツグンですが、アヒルが、公的医療保険を潰す事を狙うのは当然だと、思います。
とても参考になりました (渡辺今日子)
2013-03-15 06:57:02
大新聞がTPPと医療との関係について解説をしてくれていないので、一般のBlogを参考に勉強しましたが、医療関係者のBlogはわかりにくいものが多くて、やっとこのBlogにたどりつきました。参考にさせて下さい。自分のBlog記事に利用させて貰いました。「参考Blog」としてリンクをつけさせていただきました。

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。

あわせて読む

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL