痛風の検査は3種類ある
痛風の検査には、「痛風かどうかを見極める検査」「尿酸値が高くなった原因を調べる検査」「合併症の有無を調べる検査」があります。それぞれの代表的な検査内容を見ていきましょう。
痛風の発作が起こると、足の親指の関節などに激痛や腫れがみられますが、似たような症状の病気がほかにもあります。そこで病院では、まず、その症状が本当に痛風かどうかを調べるための検査を行います。
痛風かどうかを見極める検査
血液検査…痛風は、血液中に尿酸が増え過ぎたことで起こるので、「尿酸値」を調べるのはもちろんですが、「血沈」や「CRP(C反応性たんぱく)」も調べます。血沈は、赤血球が沈むスピード。CRPは炎症が起こっているときに血液中に増えるタンパク質で、これらの調べることで、炎症の有無が確認できます。
レンレトゲン検査…レントゲン写真を撮り、痛風発作が起こっている場所や骨・関節が変形していないかを調べます。
※ただし、多くは臨床的な経過から診断がつくので、必ずしもすべての検査をするわけではありません。
尿酸値が高くなった原因を調べる検査
尿酸値が高くなる原因には、「尿酸が過剰につくられている場合」と「腎臓から尿酸がうまく排泄されなくなっている場合」、そして「この両方が混合している場合」の3パターンがあります。薬物療法で、どんな尿酸下降薬を使うか判断するために、原因がどのパターンなのかを調べます。
尿酸クリアランス検査…尿酸が血液中から尿中へどれくらい排泄されるかを調べるために、
血液中と尿中の濃度を測定し、計算します。
尿中尿酸量検査…24時間、もしくは数時間の間に排尿された尿をすべて蓄えておき、その中の尿酸の総量を求め、尿酸が1日にどのくらい排泄されているかを調べる検査です。これによって、肝臓でつくられる尿酸の量が適切かどうかを調べることができます。
合併症の有無を調べる検査
痛風になると、脂質異常症や動脈硬化、糖尿病、腎臓病、尿路結石などを合併しやすくなるので、これらの病気の有無を調べるために、血液検査や尿検査、超音波検査が行われます。
尿検査…尿検査では、潜血反応(尿の中に血液が混ざっていないかどうか)や尿たんぱくを調べます。潜血反応があれば腎臓や尿路に、たんぱく質が混ざっているときは腎臓や尿細管に、何か異常がある可能性があります。
血液検査…血液中のクレアチニンという物質(たんぱく質の残りカス)の濃度から腎機能を調べたり、血液中の中性脂肪値やコレステロール値、血糖値から脂質異常症や糖尿病がないかを調べたりします。
超音波検査…超音波を腎臓に当てて、形の変化や尿路結石の有無を調べます。