大パルコ人 『メカロックオペラ R2C2～サイボーグなのでバンド辞めます！～』＠シアターBRAVA！

宮藤官九郎と言えば、作家で舞台監督で俳優。
そして、ロックマニアでロッカー。

大パルコ人 『メカロックオペラ R2C2～サイボーグなのでバンド辞めます！～』は、そんなクドカンが初めて手がけるロック・オペラということで、それだけでもとんでもないものが出来上がりそうな期待が沸々とする。

しかも出演者は、阿部サダヲ、森山未來、片桐はいり、松田龍平、平岩紙、三宅弘城、皆川猿時、近藤公園、宮藤官九郎と精鋭揃い。
これは何が何でもチェックでしょう。

と言うことで、今回はBRAVA１階ほぼ中央の席を確保。
全体が見渡せる良席でした。

中身は物凄いハイテンションロック・オペラ。
ロック・オペラと言えば、先日の映画『REPO!/レポ』みたいにガンガン歌いまくるミュージカルを想像してたら、芝居８割歌２割くらいで、でも芝居の中にはロックのテイストが有って、知らない曲で盛り上がれって押し付けられるものでは無く万人ウケする作り。
特に大人計画ファンにはたまらん爆笑に次ぐ爆笑なノリはそのまま。
阿部サダヲの勢いで突っ走る感じを想像してたら、全員が超ハイテンション。

森山未來はこれまでに観たどの舞台よりもやりちぎってる感出てて、っていうかやり過ぎてて壊れててヤバイｗ
あらゆるジャンルをこなす歌とダンスは全く手抜き無し。
シリアスだったり壊れていたり、全部のスキル出し切ってる感じ。
というか、森山未來に限らず今回の舞台は全員が、持てるスキルを全部引き出されてます。
完全にその役者を想定した脚本作りと演出。

片桐はいりは初めて生で観たけど、もはや怪女優とかのレベルじゃなくてこの人は存在が化け物そのものやね。（見た目も含めてｗ）
これまでいろいろと芝居を観てきたけど、こんなに舞台人としてオイシイ人は二人と居ない。

平岩紙はあの顔で白にも黒にも染まれて何でもやれるスゲー若手女優だといつも思うけど、今回の役もどっちの顔も使える面白い役。
この人、大人計画じゃなかったらこんなに面白い女優になってなかったかもと改めて感じた。

三宅弘城はクドカン作品でのお約束ネタは押さえて、やっぱり腹筋出してドラム。
『少年メリケンサック』も髣髴とさせつつ、女装でうちなーぐちｗ

皆川猿時は今回一番オイシイキャラクターで、一番観たかった店長役ｗ
しかも俳優皆川猿時の息子と言う設定。
これでもかって位に壊れたびっくりドンキーの店長が暴走しまくり。

松田龍平は、映画で観ててもどこか面倒臭そうな香りがする人だけど、生で観るとマジで面倒くさそう。
芸能人オーラの無さに、サイボーグらしからぬ気だるいトークがいろんなマイナスを想像させて、「これって素？」とちょっと心配な感じにも。
素でスベッて会場が凍ったように感じた瞬間も有ったような。
っていうか松田龍平の役、サイボーグじゃなくてアンドロイドよなｗ

近藤公園は外では手堅い役者のイメージだったけど、大人計画ではやっぱいろいろやるんやね。

宮藤官九郎自身は、今回もここぞって時に空気変えに為に出てくる感じ。

阿部サダヲは何だかんだ言っても一人で観客全員のテンションをMAXまで盛り上げたり、爆笑の渦に巻き込んだり面白い。
今回パンイチ場面が多いけど、こんなに体絞ってたっけ？ってくらいに腹筋割れててびっくりしたけど、全然セクシーじゃないのが笑えるｗ

ストーリーは長くなるし説明しづらいので、ググってどっか別のところで見て下さい。
ロックに限らず音楽の魂とは？ってところを意外と真面目に描いてるのが面白い舞台でした。



６月はもう一本『誕生！劇団くすみちゃん』
８月『星の大地に降る涙』
９月『コルテオ』
のチケットを購入済みで、『来来来来来』、『サッちゃんの明日』、『印獣』、『マレーヒルの幻影』を狙い中。
来月の劇団Piperは平日だから断念。