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海難1890

2015-12-10 | 劇場映画れびゅー
日本とトルコの絆を描いた『海難1890』を観てきました。
★★★★

これは全ての日本人が観ておいた方が良い。

125年前に和歌山沖で起きたトルコの使節団を乗せた軍艦の転覆事故から乗員を救った話と、1985年のイラン・イラク戦争に巻き込まれた邦人をトルコが救った話が続けて描かれている。

話には聞いていたけれど、ここまで心を打つような話だったとは。
特に、日本人としては後半のクライマックスは涙無くては観られません。

物語自体もドラマチックで面白いし、役者さんも忽那汐里の微妙な表情以外は凄く良くて、感情移入しまくり。
海難事故や戦下の映像も無茶苦茶リアルで、全く日本とトルコについて知らない人が観たとしても映画としてかなりのクオリティーです。

事前にニュースで安倍総理とエルドアン大統領が揃ってこの映画を観賞したとは聞いていましたが、映画が始まる前にエルドアン大統領御自らが登場して、日本の観客に向けて熱烈なラブコールをして下さります。
この映画で描かれる海難事故を切掛に、トルコがもの凄く親日になり、それが現在まで続いていると言うことは知っていましたが、大統領が自らこんなメッセージを贈ってくださるとは。
観る前は、目の前に映画になる題材が転がってたから、日本の制作会社が自惚れた内容の映画を撮ったのかとも思っていたのですが、そうではなく両国の合作で、大統領の挨拶を切掛に気を引き締めての観賞になりました。

どうして今、このタイミングでこの映画が作られたのかは、昨今の世界情勢を考えると、某テロ組織とは全く無関係なイスラム教国トルコの置かれる立場等が反映されたりしているのでしょうけれど、この映画を観て歴史的事実を知る事を切掛に、深い絆で結ばれたトルコとの仲について全てのお互いの国民が知り、それを守る努力をすべきだと感じました。
ただ、気になるのは、実際にトルコとロシアが仲違いをしている現在、トルコがもし攻め入られる等で窮地に立たされた時に、日本がどこまで支援して差し上げる事が出来るのか。
真の絆で結ばれた同盟国なのに、ロシアとの関係や、集団的自衛権の発動範囲の関係で何も出来ないなんて事になれば、失望感って何もかもを破壊しかねないものだから…。

隣に座ってはった小学生くらいのお孫さんを連れたおじいさんが、特に後半ずっと号泣していたのが印象的。



エルトゥールル号遭難事件 日本とトルコの絆 (学習まんが歴史で感動!)
水谷 俊樹,佐藤 尚美,加来 耕三
ポプラ社

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