小林真 ブログ―カロンタンのいない部屋から since 2006

2006年開設の雑記ブログを2022年1月に市議当選でタイトル更新しました。カロンタンは40歳の時に飼い始めたねこです

Lark Dark Project(楽闇計画)~Gotas de Luar

2007-06-21 04:48:16 | 身のまわり
せっかくの田舎住まい。この頃考えることがある。

今日は家で塾で一日中仕事。もはやここまでと、途中ラーメン前にしばらくぶりに本屋に行って買ったミュージックマガジンとレコードコレクターズ、さらにはアンリ・カルティエ=ブレッソンの特集だったので買ったpenを取りに車に行くと、そこらの材木でがりがりしてるティーがにゃん。玄関で頭をなでていると、先ほどNHKライブビート録音に出た時には星があった空には雲がどんより。空気もマギーだけれど、庭灯のなかでティーといると気持ちがゆったり。ではと、さっき冷蔵庫から出したキリンゴールド、これは買ったのではなく馬券で儲けたOB・T君からの差入を持ってきてティーのそばに座る。
聞き慣れたバイパスを車が流れる音、昼の光合成に疲れて見えない酸素を吸い込んでいるはずの庭の葉っぱども、水が入り始めた田んぼの水を渡ってくる遠くからの音、何十年も見ていていまだ飽き足らぬ天球、部屋からはかけっぱなしだったエポカ・ヂ・オウロの cafe brazil のかすかな弦の音が周囲の天球の立てる音にまじり、そしていつの間にかお腹の上に上がったティーのごろごろ。
なんでこんな気持ちいいものを放っておいたんだろう。
暑い暑いと液化燃料だか E=mc2 だかで得られたエネルギーで外気から遮断した気体を冷やし、はるか離れたおろかしい騒ぎに現を抜かしている。そんな夏ばかり20年くらい過ごしてきた。だけど自ら固めた壁を抜ければ、やさしい涼しさが広がっている。
「涼」とはこういうものだったのだ。外に出ればこんなに寛ぎの空気が広がっているのに、どうしてぐるぐる回してつくられた“快適”の中にいなければならないのか。
ここ数年思っていて、よく建設業のOBなどにいっていた。五月あたりの美しい昼間は、庭で仕事をしようかと。無線LANだし、室外コンセントもあるから何の問題もない。
ならば一歩進んで、夏の夜は庭でねこといっしょにビールだ。音楽なら愛機 iriver がいる。いすでもあればいいから、場所だって思いのまま。今夜は昼に暑くなった高麗芝の上か、ツバキの樹のそばか、畑でナスが朝を待つのに付き合うのもいいんじゃないか。
ついでに寝るのも外でいい。ビーチベッドというのかあのパイプのやつに、夜露よけに深夜のパラソルでいいかも知れない。蚊取り線香も風情があっていい。

と、ここまで考えた間にビールが一缶。お腹の上で見つめているティーをちょこちょこ叩いて下ろし、冷房かけたままだった部屋に戻る。WOWOWで何だかわからなくてすごいカサヴェテス『チャイニーズ・ブッキーを殺した男』をやっていて、過剰にリアリティがある奇妙な映像の連続にしばらくみ入る。PCでは愛すべき人々とのコミュニケーションが流れ、CDは cafe brazil でも歌っていたマリーザ・モンチに替える。
やっぱり、部屋は電気は楽しい。でも忘れないぞ、楽闇計画。43年間、ずっとインドアタイプの軟弱者暮らしだけど、夜に田舎の外で過ごすくらいなら何とかなるだろう。横文字ではそうだな、Lark Dark Project ではどうかなティー。

(Phは前に撮ったもので、離れ玄関のティーと最近外ばかりの正式名決定ビンジャミン。BGMはそのブラジルの歌姫マリーザ・モンチ、新しきクラシック、Memorias, Cronicas e Declaracoes de Amor。さっき流れたのは邦題『私はどうでもいい』だが、ここは内容に合った Gotas de Luar 『月の光』で今日は三日月)
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