再び、伊賀上野をうろつく その３

レンガの跨線橋を後にして、南へ下ると川を渡る。
桑町駅はこの辺のはず・・・建物の角からのぞきこんだ道の正面に。うわ、、、、
夢のようにたたずむ、小さな駅舎。


駅の向こう側にまちはなく、広がる畑が透き通って見える。まるで草原へ抜けるゲートのようだ。


もちろん無人駅で駅舎内は待合スペースのみ。
ホームへ出ると・・・すごい開放感！
すぐそばを流れる川の堤防を越えるために少し高いところに駅があるので、
畑を俯瞰する感じになっているのだ。う～ん、なんと素敵なんだろう。


一人しみじみしていたら、何で写真を撮っているのですか？と声をかけられた。
一瞬怒られているのかと思った（笑）。
聞くと、ボランティアで伊賀鉄道を守る活動をされているという。
私が、すごく素敵な駅なので、と答えると、とても喜んでおられた。
この桑町駅にもお花を植えたり、「伊賀線応援通信」というフリーペーパーで
情報発信したり、まちにかかわる他のグループとコラボしたりと、この小さな
鉄道をよくすることを常に考え活動されているようだ。素晴らしい。

私もせめてここに書くことで応援しよう。
伊賀上野へ行こうと思った方は是非伊賀鉄道に乗ろう！！


桑町駅の絶景ホームからまた電車に乗り、再び上野市駅へ。
もと初代上野警察署庁舎で今は個人邸になっている、北泉邸を見に行く。
上野高校、小田小学校と並ぶ明治建築だ。
非公開なので外観だけ。近年に改修されたのか、とても状態がよいように見える。


装飾が豊か。釘を用いない構造になっているとか。


こんな近接して３つも明治の洋館が残っているなんて、すごい！

しかしこの建物、yumeさんのブログで知ったのだが、こんな大物を前回なぜ
見落としたのか。。。

雨がぱらついてきたので、そろそろまち歩きを切り上げてお風呂に入るか。
ここから程近い、○万温泉へちゃぽん。
外観ほどには内部は渋くないが、トイレが古さを物語っていた。
前栽の縁側へいったん出なければならない外便所。そこにはトイレットペーパーで
なく、ちり紙が積んであった。懐かしい・・・


お風呂を出ると雨がけっこう降っている。一ノ湯にハシゴするのはあきらめるか。
さぁ、冷えないうちに電車に乗ろう。○万温泉でもらったビニール傘を手に駅へ急ぐ。
・・・その前にもう一度、廃業した
電気湯の建物が健在か確認しておきたい。

近づいてゆくと、・・・おや！？看板に電気が点いている。まさか再開した、なんて
わけないよな？？あれ？窓からも光が洩れている。
入口が開いていて車が停まっていて人が出入りして・・・・何か工事やってる！！

思わず聞いてみた。「ここどうなるんですか？」
「体験型観光施設として３／２０にオープンするんです。」えええ～～～っ！！
お風呂屋の雰囲気を残したまま、リノベーションするらしい。


電車の時間まで間がなかったが、これは素通りして帰るわけにはいかない！
中の様子を見せてもらった。
高い天井に明かり窓。扉の中央にガラスのはまったロッカーは作り直したのかと思う
ぐらいきれいだ。
脱衣場だったスペースには小さなブースに区切る仕切り壁を作っている最中。
作業していた兄ちゃんたちが企画もしたんだろうか、ここで手裏剣投げや
撒きビシ、巻物釣りなどのゲームができるんです、と説明してくれた。
ふふふ。楽しそう。

豆タイルやアーチもそのままインテリアになる。


浴室だったところは床を貼ってあったが、床板の一部に窓があけられていて、
もとの浴槽を覗けるという遊び心ある仕掛けも。
白い壁をスクリーンにして映像を映したりもするという。
ドーム天井と湯気抜きがそのままなのもうれしい。


やっぱり番台が受付になるのだろうか。
いや～しかし、入れないと思っていた電気湯の内部を見れたなんて！
そしてこれからはいつでも入ることができるようになるなんて！
この素敵なお風呂屋の建物が壊されずに、多くの人が楽しめる施設になるなんて！！
ほんとによかった！


番台裏のこの美しいタイル絵も日の目を見ることができて、ほんとによかった！
３／２０にオープンしたら、また来てみよう。


※中日新聞ニュース：銭湯改修し「忍びの館」に

電気湯で寄り道したおかげで電車の乗り継ぎが悪くなり伊賀神戸で急行を２０分待ち、
ちょっと冷えてしまったが、心はとっても温かく帰途につくことができた。あ～よかった。