もふもふランド♪

たくさんのわんこと もふもふしてます。
    by ぷーどる♂ & ぷーどる♀

意外に古い散歩道

2017-02-09 12:40:26 | 犬日記
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「行くぞ~!」

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「おお~!」

というわけで、いつも通りの散歩道。

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「これやこれや!」
「こないだひす日記にあったもんな。」

この道は先日の日記(中野鍼灸院)で書いたように平安時代から続く道。
意外や意外、めちゃくちゃ古い歴史があるのですよ。

ですがね、実はこの先にはさらに古い道が残っているんです。

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「ここ?」
「いつもの川やん!」

実はこの場所あの万葉集にも歌われているのですよ。

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「え~!びっくりで目が点になるよ!」

いや、それ点とちごて線やし…

正確には、この場所付近が歌われている場所で、
その歌とは、とある宴の挨拶に読まれたこのような二首。

須美乃江能 波麻末都我根乃 之多婆倍弖 和我見流乎努能 久佐奈加利曽祢
(住吉の 浜松が根の 下延(したは)へて 吾が見る小野の 草な刈りそね)

大伴家持

尓保杼里乃 於吉奈我河波半 多延奴等母 伎美尓可多良武 己等都奇米也母 
(にお鳥の 息長川(おきながかは)は 絶えぬとも 君に語らむ 言尽きめやも)

馬史国人

これは近くにある「伎人郷(きれのさと)」=現在の大阪市平野区喜連(きれ)」において宴が催された際、

ざっくばらんに直訳すると、
「目には見えずとも、地中深く生え進む住吉浜の松の根のように、私は密かに願います。
私が見た、小野の草は刈らないでいて欲しい。」
「たとえ息長川の流れが絶えることがあろうとも、
あなたに語りたい言葉が尽きることがありましょうか?」

とまあ、一見チグハグですが、一説にはどうも、「小野」とは女性を指しているので、
「わしが見たあの女性には手を出さんといてや!」という意味となり、
また、返歌にある「息長川」とは、当時貴族の間で「誠実な恋心」の象徴としてもちいられており、
そういう視点で見てみると、いろいろ想像が膨らみますね。

なお、その後源氏物語の中において、あの光源氏が恋人の夕顔に
「息長川と契り給ふよりほかのことなし」
とその恋心を誓っておりますが、
これは先ほどの返歌を踏まえてのもののようです。
(こちらの方のブログがとても分かり良いのでお勧めです。「源氏物語便り」の「源氏物語たより594」

さて、問題となるのはこの歌の中に読まれている「息長川」という川。
この川は奈良時代末期氾濫で埋没してしまい「絶えてしまって」無くなりましたが、
もともとは先ほどわんこ達がのぞき込んでいた川と並走して流れ、
このあたりで合流していたようなのです。

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「どこ?どこ?」

はい、ちょうど君らの向こうにある鳥居の後ろ辺り。
当時はまだ神社はありませんでしたが、
すでに先ほどの橋と」川沿いの道は存在していたようですから、
今わんこ達がいるこの道の起源も、恐らくそれくらいからだと思われます。

またこの道は、四天王寺の庚申堂参詣道にあたり「庚申街道」と呼ばれ、
この先の交差点ではりみちおよび、
八尾から来た八尾街道と合流しその後は住之江まで伸びてゆきます。

ちなみに、先ほどの神社は「中井神社」といい、貞観4年(862年)に建てられました。
そしてその頃には、この道はすでにメインの通りとして記されております。

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「それでこの辺は細にょろ道なんや!」

そうそう、だから、今でもこの辺りは道幅が細く微妙に曲がりくねっているから、
うっかり路地に入り込むと、見通しが効かないこともあり、
予想外の場所に出て戸惑うことがままあります。
だから、慣れない人がぶらっと入り込むと迷子になることが多いのです。

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例えばこんな入り組んだ細い路地に入ってみると…

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「ぼく迷子いやや~!」
「大丈夫やって…」




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「あ!古い家!」

いまでもこのような古い蔵やおうちがいくつか残っており、
その中には、この様に廃屋になっているものいくつかありますが、
そういうのはかえって時間が止まってしまったかのような感覚を覚えさせるので、
全身で懐かしさを感じることができるのです。

そういうわけで、毎日の散歩で同じコースを歩いていても、
飽きが来ない楽しいルートなのですよ。

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「こういうのも楽しいよ!」

ん?

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「ああ、ヒメツルソバ
(ネパール原産なんで寒くても元気!)

うん、こういう野花を眺めながら歩くのも楽しいね。
コメント (2)
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