父が亡くなってからこっち、いよいよ母への嫌悪が制御できず。母のなじりが、俺のいない時間に妻に届く。
こんな日が永遠に続くのか。毎年、苦しい笑顔を作って、妻と子が、母のうっぷん晴らしに使われるのを、この先もずっと。見るしかないのか。
そう思いつめていた。どこかで縁を断ち切ろう。
あの母は人を残酷に追い詰める事に躊躇しない。
そして今日、電話で軽い喧嘩になった。そしてお互いにヒートアップしてとうとう口にした。
44年目にして。
「お前なんぞ、好きだと思った事など一度もない」
とうとう本音をぶちまけてしまった。とうとうやった。3度の自殺未遂をしても、口にしなかった事を。
だが戦いはこれからだ。何を仕掛けてくるか、予想がつかない。誰を扇動し、俺をどう邪悪扱いするか。
邪悪。ああ。そうだ。それでいい。母の望む「善良な人間」などまっぴらだ。母に生贄を差し出すだけの。母を喜ばせるためだけの善良など、俺はもう要らない。
母の望む人間は、母のようになるという事だ。
なら、邪悪でいい。
俺はようやく、1歩を踏み出せた気がする。
さあ、ここからだ。
こんな日が永遠に続くのか。毎年、苦しい笑顔を作って、妻と子が、母のうっぷん晴らしに使われるのを、この先もずっと。見るしかないのか。
そう思いつめていた。どこかで縁を断ち切ろう。
あの母は人を残酷に追い詰める事に躊躇しない。
そして今日、電話で軽い喧嘩になった。そしてお互いにヒートアップしてとうとう口にした。
44年目にして。
「お前なんぞ、好きだと思った事など一度もない」
とうとう本音をぶちまけてしまった。とうとうやった。3度の自殺未遂をしても、口にしなかった事を。
だが戦いはこれからだ。何を仕掛けてくるか、予想がつかない。誰を扇動し、俺をどう邪悪扱いするか。
邪悪。ああ。そうだ。それでいい。母の望む「善良な人間」などまっぴらだ。母に生贄を差し出すだけの。母を喜ばせるためだけの善良など、俺はもう要らない。
母の望む人間は、母のようになるという事だ。
なら、邪悪でいい。
俺はようやく、1歩を踏み出せた気がする。
さあ、ここからだ。