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集会報告、読書記録、観劇記録などの「ときどき日記」

6.3「増田さんの勝利を祝う会」に参加

2007年06月06日 | 集会報告
こ6月3日(日曜)午後、初夏の日差しのなか、高田馬場の区立元気館で開催された3悪都議糾弾裁判の勝利を祝う会(主催:増田さんとともに平和教育を進める会)に参加した。参加者は40人弱。

増田さんのTシャツの「」は勝負服の色、この日は勝利を祝い「金」のデザインまで付いていた。


1 増田都子さんの勝利報告
産経・都教委・3都議に対する闘いは、10年前に「新しい歴史教科書をつくる会」「日本会議」などが発足したのと時を同じくして始まった。
1997年、足立12中卒業式での生徒の君が代斉唱不起立問題、足立16中での「反米偏向教育問題」で98年に産経新聞土屋たかゆき都議(民主党 板橋選出)が誹謗中傷キャンペーンを始め、都教委は職務命令違反で減給処分を下した。その直後、全教・都教組は「増田さんは偏った教育をした」と所属組合員である増田さんを誹謗するビラを足立区中に撒き、まさに八面楚歌ともいうべき状態だった。
その後も土屋、古賀俊昭(自民 日野選出)田代ひろし(自民 世田谷選出)は都議会で免職・現場はずし要求を執拗に行い、99年9月から都立教育研究所で長期研修を受けることになった。
これに対し増田さんは2000年2月に独立組合「東京都学校ユニオン」を結成、2000年7月の土屋都議の北千住駅前での街宣活動への名誉毀損裁判提訴し反撃を開始した(後に2003年5月最高裁で勝訴確定)。2000年11月に3都議が出版した『こんな偏向教師を許せるか!』(展転社刊)には「(紙上討論は)完璧な洗脳教育」「この手法は、教育者というよりアジテーター」などの表現が並ぶものだったので、2002年12月に3都議および展転社を名誉毀損で提訴した。またこの本の執筆に際し、都教委が3都議に増田さんの個人情報を都議に提供していた事実が判明し、個人情報漏洩で都教委を提訴した(2007年2月東京高裁で逆転勝訴)。
2002年4月九段中学に現場復帰した後、2004年3月足立16中事件の不当性を証明する『教育を破壊するものは誰だ!』(社会評論社)を発刊した。
ところが増田さんをつけねらう都教委は、九段中学で2005年6月に行った紙上討論「ノ・ムヒョン大統領への手紙」のプリント教材の「扶桑社教科書批判」と「古賀都議の都議会での『侵略否定』発言」の文言を取り上げ再度長期研修処分を行った。産経新聞はこの授業を「自虐史観」の一例として8月5日1面で報道し、古賀都議は12月都議会で都教委に対し「増田さんへの圧力」を要求。2006年3月14日には御成門中学への異動を内示していたのに、都議の圧力があったからか「研修中の態度が反抗的だ、反省がない、改善が見られない」として2006年3月31日分限免職を決定した。
そこで2006年9月に解雇撤回訴訟を提訴した。この10年の闘いには韓国、中国、アメリカ、イギリスから海外のマスコミが取材・放映し、解雇撤回署名は、清掃労組や国労闘争団はじめ全労協傘下の組合を中心に国内で6849筆、韓国で6558筆が集まった。また東京だけでなく、我孫子、静岡、松山、韓国・釜山などでも支援集会や学習会が開催され、支援の輪が広がりつつある。
今回の対3都議訴訟・地裁勝訴は、2月の対都教委訴訟・高裁逆転勝訴に続くものであり、産経・3都議・都教委の三位一体の平和教育へのスクラム攻撃に一撃を加えるものであった。
今後も毎月末の都庁第2庁舎前でのビラ撒きや集会での発言などをとおして解雇撤回闘争を続け、平和教育を推し進め、「戦争のできる国家づくり」に邁進する自公政権や石原都政への反撃行動を続けたい。

2 田畑和子さん(元・豊島区立千川中学 東京都学校ユニオン)の報告
田畑さんは1996年に定年を迎え嘱託再雇用を希望したが、異例の採用拒否通知を受け、98年3月地裁に都教委を提訴した。しかし結果は思わしくなく、2005年11月採用拒否理由を捏造した中神嘉治・元校長を相手取り、第二次訴訟を提訴した。
6月19日(火)10時~17時に、権限がないのに校長提供の虚偽情報に基づき不採用の内申を都教委に出した成田秀和・元豊島区教委指導室長への尋問、さらに7月24日(火)13時~16時半には、ありもしないできごとを頭の中に浮かぶように作文し、田畑さんが、さも「怠け者の教員」であるかのような虚偽の報告書を作りあげた中神嘉治・元校長(被告)への尋問が行われる。裁判官は教員の独特な職場環境をなかなか理解できないので、ぜひ傍聴に来ていただきたい。

3 連帯の挨拶
国労闘争団、東京清掃労組組合員、山谷争議団、なのはなユニオン三栄紙製品分会組合員など労組関係者、八街市教委から解雇されそうになったが支援闘争により4月から現場復帰した千葉学校合同の小川和則さん、小学校教員、被処分者の会の高校教員、被解雇者の会の方、都高教退職者会の方、退職教職員の方など教育関係者、昨年10月31日対法務省・入管訴訟で退去強制処分、難民不認定は違法と勝訴したイラン人難民ジャマルさん、死刑廃止国際条約の批准を求めるフォーラム90など一般市民の方から激励とアピールがあった。

注目すべき発言をいくつか紹介する。
東京都交通局の方から「改札口で、バッグから犬が首を出しているのをみかけ『他のお客さまのこともあるので』と一言声をかけただけで、客からクレームが付き、そのあげく当局から拷問にも似た長時間の取調べを受けたり、客が転んでも『お前が悪い』といわれかねない職場になっている。6段階評価が始まり当局のいいなりの職員が高い評価を受ける時代になっている」との悲惨な報告があった。
有料老人ホームに勤務している方から「17時始業で連続16時間の一人夜勤で、33人の入居者の世話をしている」という報告もあった。
退職教員の方から「初めから闘いを放棄している教職員組合になっている。闘わない組合には組合費を払う必要はない」と、闘う組合・東京都学校ユニオンを賞賛する言葉があった。別の方から「憲法99条のとおり憲法擁護は教育公務員の義務である。いま憲法改正が俎上に上っているが、小異を捨てて大同団結することが重要だ。かつて『勤評は戦争への一里塚』というキャンペーンを張っていたことを思い出す」という発言があった。
生田暉雄弁護士(香川)が安倍晋三総理大臣と愛媛選出の国会議員7人を相手取って、教育基本法改正は憲法99条(憲法擁護義務)違反とする違憲訴訟を提訴したが、全国的に訴訟を広げたい、との話が神奈川県の方から紹介された。
最後に神野一夫・西部全労協事務局次長のリードで「団結がんばろう」を行い会を締めくくった。

☆この日は早稲田の優勝決定日だったからか、駅前で「都の西北」を大合唱している若者たちがいた。なつかしの早稲田松竹(「フラガール」上映中)周辺も若い人が多かった。かつて早稲田駅から800mくらいのところに住んでいたことがあった。当時は自分が若かったので気づかなかったが、高田馬場は若者の町であることを実感した。
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