地球散歩

地球は広いようで狭い。言葉は違うようで似ている。人生は長いようで短い。一度しかない人生面白おかしく歩いてしまおう。

2006-06-12 22:55:42 | スペイン語

 Pescado(ペスカード)

 地中海と北大西洋に浮かんで…いるわけではないが、島国のようなスペイン。そして、川が多い。フランス寄りは寒く、アフリカ寄りは暑い。なんだか日本に似ている地理的条件である。日本人がスペインを好む理由が、ここにあるといっても過言ではないだろう。そして、日本人は魚が大好きである。魚が食べられる、それも自分たちになじみのある魚。

 食品の産地表示が義務づけられたとき、多くの人が衝撃を受けたのは、蛸がモロッコ産であることを知った時。これが、ちょっと上のスペイン産なら、誰も気にしなかったことだろう。モロッコは日本人にとって、まだまだ未知の国。しかしスペインとは、何百年のお付き合いだ。そのスペイン産の魚貝類を私たちは口にしているが、スペイン産ゆえに、以外に記憶していない。
 マグロ、かつお、ウニ…

   スペインに行って日本食を食べるなら、寿司にして間違いない。
 スペイン人は魚を生で食べる習慣が元々ない民族だ。しかし、寿司や刺身を出す店は年々増え続けている。これと関係あるのかどうかわからないが、バルで寿司風 ピンチョスを見ることがある。バルセロナのバルでは、絶対に食べて帰らないと気がすまない一品である。
 ピンチョスとは、切ったフランスパンの上にハムやオムレツなど、いろんなものがのっているつまみだ。これが、寿司屋のカウンターにあるガラスケースそっくりな中に入っているのだ。これはどう見ても、スペイン風寿司と言わねばなるまい。

 アンダルシアには、海の中の闘牛と呼ばれるマグロ漁がある。アルマフドラバ漁と呼ばれる、2キロに及ぶ大きな仕掛け網を使った漁である。大漁の時は、網に数百尾もかかるという。あの巨体が百尾も網の中で暴れまわる姿は想像を絶する。
 漁師は、二手に分かれる。この暴れるマグロの質を確かめつつ、網を破ろうものなら、すぐに補修するために潜水するのだ。水上では、網の上に飛び込んだ漁師が、手鉤を振り下ろし、マグロと格闘するのだ。
 こうして、格闘の末船に引き上げられたマグロは、一路日本へ。スペイン市場の倍以上の値で買い取られる。なんと、日本人は全世界のマグロの漁獲高の半分以上を食べているそうだ。

 高級魚アンコウから、庶民の味(とはいえ昨今は漁獲高が悪く、高級)鰯、川魚なら鱒にいたるまで、おなじみの魚が勢ぞろいのスペイン。スペインのどこかに、日本人は自分の故郷を発見できるに違いない。[a]

※アルマフドラバ漁…『GEO』1994年12月号参照 

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10 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんにちは! (amigoplaza)
2006-06-13 04:06:39
aoiさん、こんにちは。

TBありがとうございました。

一瞬わかりませんでした。。。

この間のTBとは別のブログだったので・・・。

こちらは、色々な言語で書いてあるんですね。

そして、何人かでリレー式?!

楽しそうですね。



スペインの魚は新鮮な物が多いので、

メルカードでマグロなどを買ってお刺身にします。

でも魚屋さんの扱いが悪くて、不安なので、

いつも最低3キロくらいの塊で買って真中の

きれいなところでサクを作ります。

日本人の板前さんがいるお店でお寿司やお刺身を食べるのは

安全ですが、最近多い、中国・韓国系、スペイン人の板前のお店は、

気をつけないと、ちょっと・・・・かもしれません。



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アンコウ (amigoplaza)
2006-06-13 04:15:44
アンコウはラペといって、よく売っています。

パエジャに入れたり、魚介のスープに入れると

美味しい出汁がでるので、ある程度の高級レストランのパエジャやブイヤベースには入っていることが多いです。

我が家でも、いつも冷凍庫に入っていて、

寄せ鍋やパエジャに大活躍です。

ヒレや骨の部分だけで売っていることもあります。

食べる所は殆どありませんが、よい出汁がでるし、安いので、

売っていたら、買ってしまいます!
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amigoplazaさん (aoi)
2006-06-13 22:51:38
こちらでは、かなり前からリンクさせていただいておりました!

現地情報に生唾ゴクリです。

そうですか、お刺身用の買い方、覚えておきます。

中国系板さんのお店多いですよね~

私は日本人板さんの店はまだ行ったことがありません。

こちらでもよろしくお願いします!
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スペインで (harula)
2006-06-13 23:39:45
こんにちは。魚の話を読んでいたら初めてスペインへ行った時バールで食べた魚のフリッターとタコのマリネそしてビールを思い出しお腹がグーーーっとなっています。

ギリシャも海沿いなので魚が豊富で魚料理がたくさんなーんて思っていたら魚は、高いし余り皆さん料理をしないようです。(肉に走る)

私は、肉より魚等なんですけど。。。



スペインもおすし屋さんが増えたんですね。

ネタがよさそうですね!
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Unknown (りん)
2006-06-14 02:18:35
読んでいるだけで食べたくなりました。



モロッコの蛸のお話が出ておりましたが、

その「モロッコから蛸が入ってこなくなる

日本のたこ焼きに危機」と数ヶ月前に

幾つかのニュース番組で騒いでおりましたが、大丈夫の様ですね。

何故かたこ焼きにはモロッコ産の蛸が向いているそうです。



話がずれておりますか?
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Unknown (PetaPeta)
2006-06-14 20:15:46
こんにちは。PetaPetaです。

いつもありがとうございます。



メール連絡したいと思うのですが、どちらにさしあげればよろしいでしょうか?

当方のブログにて『管理者のみ通知』のモードでお知らせいただければ幸いです。
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パブロフの犬状態 ()
2006-06-15 00:19:55
harulaさん

日本人はやっぱり魚ですよ!ネ!

地中海を眺めながら、魚を食べたいです





りんさん

あれ!そういえば、そんな記事を読んだ気がしてきました。鰯騒ぎですっかり忘れていました…

でもけさ、どこかの港町では、鰯が大漁とか…うらやましい限りです。



こんなにおなかのすく記事を書いたのは初めてです

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ピンチョス=スパニッシュ寿司 (elly)
2006-06-22 14:33:12
遅くなりましたがこちらにコメントをさせていただきますね。

気候・風土と共に、ある国との親近感を覚えるために欠かせないもの、やはり食べ物ですよね。

ピンチョス=スペイン風寿司、思ってもみなかったことなので目から「鱗」です。確かにカウンターのガラスケースに食べ物が並んでいるあの感じ、寿司バーっぽいです。

スペインのマグロ漁のお話を読んでいて、なぜか「老人と海」を思い出しました。(あまり関係ない気がしますが、単にへミングウェイつながり?)

マグロは本当にいろんな国から輸入されていますね。

台湾のものを始め、トルコのものも見たことがあります。スペイン産は今までお目にかかった覚えがないのですが、きっと気付いていなかっただけ?ちょっと意識して見てみようと思います。
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ellyさん ()
2006-06-22 23:51:40
我ながら、ナイス・インスピレーション!と自負しております。

『老人と海』わかりますよ!

私もスペイン産のマグロにはまだ…

知らないで食べているのかも知れませんね。



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美味しそう (siawasekun)
2006-06-29 03:38:42
美味しそうな写真ですね。



いい写真ですね。



私、こういうの、大好きです。



ありがとうございました。
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