ここらあたりの名産品くるみの佃煮。
これは、先日母がかわいい孫娘に送るために手作りしたものである。
市販品は値段も高いし、ちょっと固かったり甘すぎたりするものもあるため、
母は自分で作る。
実は私はまだ自分でくるみの佃煮は作ったことがない。
母は「私は老い先短いから、そろそろあんたひとりで作れるようになりなさい」
と言って今回は説明しながら作っていた。
以下、その時の聞き書き。
しかし、なにぶん大雑把な年寄りのためものすごくアバウト。
材料のくるみは、これ。
塩味のついていないもの。
これは190グラム入り。
小さいジップロック2個分くらいになる。
本当は国産くるみがいいのだが、今回は手に入らず中国産のくるみ。
アメリカ産のくるみは柔らかすぎて
佃煮には向いていないのではないかと母は言う。
真偽のほどは、試したわけではないので分からない。
これをひたひたの水に入れ、茹でる。
このときミョウバンを少々加えると苦みが消えるらしい。
ざるに揚げて、水分を切りなべに戻し、
カップ1杯の水に、みりん、酒、砂糖、塩、醤油で味付けをして
汁気が半分以下になるまで煮て、
最後に俵屋の飴をスプーンにひとさじ加えて照りとコクをプラス。
あとは汁気がなくなるまで炒りつける。
飴をいれたあとは、焦げやすいので注意が必要。
ちょっとでも焦げ付くと、いやな苦みが広がって台無しになる。
最初は調味料を計り、大さじ1杯とか2杯とか母は言っていたのだが、
結局味を見ながら、どんどんそれぞれの調味料を足していったので、
結局正確な分量はなぞのままだ。
私にひきつげと言いつつも、調味料の配合は秘伝かっ。
目で見て、舌で覚えろと言う母。
あんたは、下っ端を鍛える、老舗料亭の板長さんかいっ。
鶏レバーの甘露煮も、鮎の甘露煮も、
そういえば正確な調味料配分(今はやりの黄金率ってやつか?)は
教えてもらっていない。
教えようにも、おそらく母はいきあたりばったりで作っているんだろう。
でも美味しい。
誰にさしあげても絶品だと言われている。
それが、母流。
次回は私ひとりで作ってみようかな。
私流で。