音楽にこんがらがって

音楽制作を生業としている加茂啓太郎の日常

雑音の王様

2010年10月14日 | 
非常階段というバンド(?)がある。結成は79年で現在も活動中

京都の小さなロック喫茶が出会いの場になって結成したという。

初期の彼らの音楽は言ってしまえば頭でっかちな観念と20歳前後の若者の暴力(表現?)衝動が一緒くたになり、ステージで爆音でノイズを鳴らし、汚物をぶちまけ、放尿し、会場を破壊した。

欧米ではGGアレンというパンク・ロッカーが客に〇ン〇を投げつけ、殴るというのが居たが音楽は一応パンクの体をなしていた。

ここまで非音楽を追求したバンドは世界中にもないかも。

僕は当時、彼らの存在を知り、すでにスターリンのバイオレントなライブの洗礼を受けていたので、楽しみに彼らの東京ライブを慶応大学、日吉校舎81年6月27日、見にいった。

僕の記憶ではいきなりノイズ爆音、消火器がぶち巻かれ会場は視界ゼロ、イスが投げられガラスが割れ、僕も一緒にイス投げてゲラゲラ笑ってました(時効ですが本当にすいません)滅茶苦茶になった会場でさらにスターリン(PAは壊れたので生音とトラメガ)眩暈がして、灰野敬二とかも出たような記憶があるのだが、あんな暴力的な気持ちになったライブはなかった。でもその後、誰が責任取ったんですかね。

その後もロフトが出禁になるライブ(納豆行水!)も行った。

僕の当時やっていたバンドも影響を受け、そんな出禁になるような事は出来なかったが、割とコンサバなライブハウスでリハで「ノイズでやります」とサウンド・チェックしたら、その小屋の人に「今夜、出なくていいから」と言われました。

非常階段が京都の小さなコミューンで結成されたように、僕の当時住んでいた横浜にも夢音というロック喫茶、週末ライブという場所があり、僕はそこに行っては入手が難しいアバンギャルド系プログレ(ファウスト、サードイヤーバンドetc)を聴いていた、そして、そこで出会った人とバンドやったりイベントやったりしていた。
全く、何も知らずにシンクロした事が京都と横浜で行われていたというのを、この本を読んで知りました。

そうです、僕も一歩間違えれば、あっち側の人間になっていたかもしれないです。

例えばホークウィンドのシルバーマシーンを聴いたことがない、ほぶらきんを知らない(普通知らないですけど)人とかにはマニアックな固有名詞が多すぎる(注釈はありますが)
ですが、
同世代(1歳上)のエクストリームな表現者JOJO広重氏にシンパシーありまくりで、何か
自分のパラレル・ワールドの自伝を読まされているようで、こんな不思議な感慨に読後耽った本はなかったです。

万人にはとても勧められませんが、怖いもの見たさな気持ちで読みたい人は読んで見てください、ちなみにDVD付きですが見ると食欲がなくなるのでダイエットにお勧めです

非常階段 A STORY OF THE KING OF NOISE
JOJO広重,美川俊治,JUNKO,コサカイフミオ,野間易通
K&Bパブリッシャーズ


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (野崎)
2010-10-14 15:13:58
なぜ?その…非常階段なるバンドに興味を覚えたのですか?一般の感覚だと拒絶をすると思うのですが。
Unknown (加茂)
2010-10-14 23:50:50
僕は当時、最高だと思いました
Unknown (野崎)
2010-10-16 12:21:51
ユーチューブでみました。動物になることがコンセプトなんでしょうか?それとも精神破綻者なのでしょうか?日本にもいるんですね。怖いです。
Unknown (野崎)
2010-11-20 12:02:47
JoJOさんのツイートみたらものすごい深い人だった。反省。

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