音楽にこんがらがって

音楽制作を生業としている加茂啓太郎の日常

ナンバーガールのライブを見て

2019年08月21日 | ライブ
日比谷の野外音楽堂でナンバーガールの再結成ライブを見てきました。


僕は1997年秋ナンバーガールの「スクールガール・バイバイ」を渋谷のHMVでジャケ買い(死語)して、「このバンドは何なんだ!」と衝撃を受け、彼らとコンタクトを取り、当時東芝EMIとの契約
アメリカ、テキサスSXSWでのライブ。デイブ・フリッドマンのプロデュース、宣伝の諸々などを解散までコーディネートしました。

2002年の解散ライブでは曲が終わるごとに、もう聴くことはないんだろうと、1曲が終わるごとにブラックホールに飲み込まれていくと様な感慨で見ていたのを思い出します。


解散後にメンバー全員各々がフロント・マンとなりボーカルまで担当するなんてビートルズくらいしか思いつかないです。
そこまでの才能と自己主張が強いメンバーが福岡というローカルでバンドを組んだ事が奇跡です。


そして、何度か向井君に再結成の打診した事もあったのですが、その時はつれなのふりや(byパンタ&HAL)だったのに、今回はまさかの再結成。
その知らせも情報公開前日に向井君からの電話で知りました。

嬉しかったですが、その反面不安もあったのは事実です。


17年ぶりに昔の彼女か子供に会う様なものですから。

古い話ですがセックス・ピストルズの再結成の様に、ただのノスタルジー・ショウになっていたり、音楽性が時代とずれているのを感じたら、どうしようという不安はライブが始まり、まさかの1曲目の「大当たりの季節」が始まった途端に吹き飛びました。
(リハの段階でメンバーをそれを感じたら今回の再結成はそもそもなかったと思いますが)

冷凍保存されたモンスターが蘇りました。

それはナンバーガールがすでに普遍的な時代を超える音楽性を持っていた事と、そもそも円熟や成熟とは無関係な音楽性を持っていた事なのかもしれません。

一番の驚き、興味深かったのは後期では、当時でも後期ではあまりやらなかった初期の曲を演奏した事です。

真意のほどはメンバーに聞かないと分からないですが、サービスとしてのヒット曲を演奏したのではなく、自分たちの作品の普遍性に自信が持てたのではないでしょうか。

ローリング・ストーンズが「サティスファクション」を、ポール・マッカートニーがビートルズ・ナンバーをてらいなく演奏する事にノスタルジーは感じません。

サブスクで音楽を聴くのがスタンダードになりジャンルも時系列も関係なくなりつつある今「出会った時が、その人にとっての新譜」という世の中になると思います。

そういう時代ではナンバーガールは永遠の新譜になるかもしれません。

後は彼らに影響された若いミュージシャンがさらに出てくる事を願います。











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