吉田拓郎「誕生日」

　　何回目かの記念日が今年も明日またやってくる
　　もうひとつ年を重ねるわけだね　祝ってなんかくれるなよ

　「吉田拓郎 '85 ONE LAST NIGHT in つま恋」の冒頭の一曲。もう20年経つのか…。
　吉田拓郎は一度書いているので繰り返すのは止めようと思ったのだけれど、どうしてもこのうたが耳を離れない。明日4月6日は僕の40回目の誕生日なのです。
　最近誕生日を迎えることになんの感慨もなくなってきているのだけれど、さすがに大台を迎えるともなるとどうも虚無と諦念の思いがアタマを駆け巡る。このままでいいんだろうか。
　明らかに歳をとったということを自覚しなくてはいけないのに認めたくない自分が居る。まだ髪の毛は何とか無事だけれども、白いものはかなり混じってきた。体力も続かない。深酒をすれば翌日に響く。昨年椎間板ヘルニアを患ったときも、「原因は?」と医者に聞くと、「直接的な事はわかりませんが、結局は椎間板の老化なのです」と言われた。老化ですか。身体のあちこちにガタが来ているのは紛れもない事実らしい。
　抗ってもしょうがないことはわかっているのだけれども、少しは抵抗してみたい気もして若ぶってみたりもする。いや、抗っているのではない。僕が精神的に成長していないのだろうな。気持ちが二十歳の頃と全然変わっていないのだから。
　「初老」とか「不惑」とかいろんな言葉がある。でもそんなふうに老成することなんて出来ないや。惑わずに生きていけるわけないですよ。
　結局、泰然自若として生きていく事は僕には出来ないらしい。あちこちにぶつかりながら、迷い迷って生きていくよりしょうがないらしい。でもこれって僕だけなのだろうか。
　いや、そんなに同世代の人たちがみんなサトリを開いているわけでもあるまい。

　　道行く人よあなたの行く先々に幸あれ　僕は今日を最後に雲隠れ
　　いつの日からか今日までの思い出みんな捨て去って笑って暮らしていたいと思います

　　駅の階段を駆け下りる通勤ラッシュは今日もまた
　　一つの方向へ押し進む　僕は流れに逆らっていた

　うーん。うたは身に沁みるけれどもなんか暗いな。やはり拓郎さんのうたで始めちゃったことに原因があるな。やっぱりサザンの「Happy Birthday」なんかの方が良かったな。こういう時はご陽気にいかなくちゃ。そういえば「Happy Birthday」が収録されているアルバム「KAMAKURA」には「吉田拓郎の唄」というのもあったっけ。

　とりあえず「無自覚」でいこう。外見はいかにオッサンでも心までオッサンになってたまるか。こうなったら開き直ってやる(笑)。顔文字だって使ってやる。(￣0￣)/ オォー!!
　でも携帯はまだカメラ無しのを使っているし、メールもちゃんと使いこなせてない。言いたくないけどこうやって記事書いていても実はカナ入力だ。ローマ字入力が出来ないっていうのはオッサンの証明らしいですね(そう言われた)。しかし、カナ入力でブラインドタッチをやる自分はすこしエラいのではないかい? と開き直っている。
　あれ、なんの話だったっけ?
　いやぁもう深く考えるのは止めよう。

　　自分の心を確かにしておこう　二十歳の頃もきっとそうだった

　「僕の時計はあの時のまま」それでいいじゃないか。そうやって、30代最後の夜を過ごしているのである。なんのこれしきですわい。