凛太郎の徒然草

別に思い出だけに生きているわけじゃないですが

N.S.P.「さようなら」

2005年07月05日 | 好きな歌・心に残る歌
 ちょっと日記風になるけれども、昨夜(7/4)僕は、いつものようにPCに向かってカチャカチャとキーを叩いていた。
 一昨日、友人の明石屋さんのブログ記事「ジャンボ鶴田」に触発されて「フライングボディシザースドロップ」なる例のプロレス技の記事を即座に書き始めた。しかし、一昨日は睡魔に襲われ記事を完成させることが出来ず保留とし、昨日、その続きを書いた。半分以上出来ていた記事なので容易に書き上げ、明石屋さんにTBしようと思ったのだがサーバーが不安定で(こうブログの発展速度が速くてはサーバー管理も追いつかないだろう)なかなかトラバ出来なかったため、当の明石屋のにぃちゃんに「いやートラバ出来ませんわ」と話しかけ(これはメッセンジャーでです)、そうこうしているうちに日付を越えそうになったので、「おやすみ」と打ち込んでPCを閉じようとした。
 おっと、その前に明日の天気予報だけ見て寝るか、とニュースサイトを開いて天気予報をクリックしようとした時、僕は別の見出しに目が留まった。夜中であるのに、思わず声が出そうになった。

  天野滋さん死亡 「NSP」のリーダーとして活躍 享年52歳

 愕然とした。ネットではそれ以上の記事が出ていなくて詳細もわからない。釈然としないまま布団に入ったが、寝付かれなかった。頭の中をN.S.P.の名曲「さようなら」が駆け巡っていた。

 今朝、新聞をめくり死亡記事を探した。社会面に小さく記述があった。

  「NSPのリーダー」
  天野滋さん(あまの・しげる=フォークグループNSPのリーダー、ボーカル)
  一日、脳内出血で死亡。52歳。葬儀は近親者で済ませた。
  73年にレコードデビュー。NSPには「夕暮れ時はさびしそう」などのヒット曲がある。

 以上の小さい記事。笑顔の天野さんの写真が載せられていた。その程度の扱いか…。ちょっと寂しい。

 以前に僕はN.S.P.については「八月の空へ翔べ」という記事を書いているので重複するのだけれど、今日は追悼という気持ちで記事をアップさせていただく。
 3年ほど前に、約16年ぶりに再結成したN.S.P.。コンサートに行く余裕は残念ながらその時はなかったのだけれども、当時、関西ローカルのバラエティ番組(「ちちんぷいぷい」のことね)にゲスト出演したことがあった。昼間の番組とて見られなかったのだけれども、同居人が気がついてVTRを録っておいてくれたのでその模様を見ることが出来た。天野、中村、平賀さんいずれもそんな時間を経たとは思えない外見で、なんだか「コッキーポップ」を見ているのではないかと錯覚をするくらいだった。そのとき「さようなら」を歌ってくれたわけなのだけれど、そのみずみずしい天野さんの声は全く変わらず、あいかわらず叙情たっぷりのメロディーを聴かせてくれた。
 そのときのVTRは保管してある。さっき取り出して観た。

  やけに真っ白な雪がふわふわ 真っ裸の木を凍えさせ

 スタジオのキャスター(N.S.P.のファン)に、「この"さようなら"を歌うとき、時々天野さん泣いているように声が震えていませんでしたか?」と聞かれ、「いやぁそんなことないですよ(笑)」と否定していた。けれども確かにレコードすら泣いているようにも聴こえるくらい哀しい歌声だった。
 今は、この歌声を聴いている僕が、哀しさが胸に迫って声が震える。

 今年になって、フジTVの「僕らの音楽」に出演。「もともと僕たちはロックバンドだったんだ」と言い放ち、ちょっと尖がった感じの天野さんだった。いいなぁ、まだまだ若い空気でおられる、と喜んでいたのだが、その時はもう既に癌細胞に侵されていたのか。
 一ヶ月ほど経って、その番組の総集編が放送され、また天野さんが出ていた。そのとき、本編では流れなかった「さようなら」がフルコーラスで「未公開映像」として流れた。

  昨日までそうだったように 明日もこのままでいたかった

 以前に書いたことではあるのだけれど、僕がフォークを好きになってギターを弾きだした頃、いつも「コッキーポップ」にN.S.P.が出ていた。初心者だった僕は一生懸命コピーしてうたった。「北北東の風」「さくら草」「弥生冷たい風」「五月雨」「君と歩いてみたくて」「八月の空へ翔べ」「めぐり逢いはすべてを越えて」…。

 天野さんは昨年初めにはもう病魔に侵されていたという。カムバックしてコンサート活動も再開され、秋には全国ツアーを行うはずだったらしい。しかし6月に容体が急変。癌は全身に転移していたらしい。
 1日午後、脳内出血のため都内の病院で死去。葬儀は天野さんの希望で既にメンバーと近親者でとりおこなわれ、そして昨日の発表となったらしい。

  楽しかったわだなんて それが最後の言葉かい

 再結成を果たし、新曲も出した矢先の悲劇だった。その叙情的で哀しく寂しいメロディーを奏でたN.S.P.はもう帰り来ぬグループとなってしまった。52歳はあまりにも早い。今日何度も「さようなら」を聴いた。「さようなら…さようなら…」のリフレインがあまりにも哀しく響く。

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6 コメント

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悲しいですね… (Alice0001)
2005-07-06 01:55:32
こういうニュースは哀しいですね。

私はあまりNSPのことを知らないのですが、

寂しいです。

私のブログも緊急的に取り上げてしまいました。

凛太郎さんに色々教えて頂くことが多いです。



私のblogにコメントいただきありがとうございました。
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追悼 (Mami)
2005-07-06 13:23:50
TBありがとうございました。

本当に悲しいですね。

まだまだこれからだというのに・・・

本人が一番無念だったでしょうね。
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>Alice0001さん (凛太郎)
2005-07-06 23:09:32
ちょっと急でありすぎましたよね。以前に高田渡さんが亡くなったときは、既に倒れたという情報が流れていて、しかもああいう無頼派の人だったのである程度予想が出来たのですが、今回は全く心の準備が無かったということもありショックでしたね。合掌です。
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>Mamiさん  (凛太郎)
2005-07-06 23:16:14
一時期僕は、N.S.P.とふきのとうばかり聴いて過ごしていた時期がありまして…。寒い感じのするN.S.P.の旋律が心にちょうど貼りつく時があったのです。「何時までも心にしがみついて…」というやつですね。

残念です。誠に残念でなりません。
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さようなら (kasokage)
2005-07-11 01:03:55
はじめまして、kasokageと申します。

N.S.P.について調べている内にこちらに辿りつきました。10歳にも満たない頃親の影響で聞いていた彼らの曲ですが、カラダに沁み込んでいるのか20年近く経った今も歌うことが出来ます。「北北東の風」「弥生冷たい風」等々、ギターも弾けそうです。訃報を聞いて凛太郎さん同様「さようなら」が頭の中でずっと流れていました。

ホント寂しいですよね…。
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弥生冷たい風もいいですね。 (凛太郎)
2005-07-11 22:10:55
ようこそおいで下さいました。

お話によるとまだお若い様子ですが、寂しさは変わりませんよね。カラダに沁み込んでいらっしゃるのでは尚更でしょう。本当に残念でした。(_ _。)・・・シュン
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