夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

リメイク再投稿 影青

2014-12-23 05:48:15 | 陶磁器
なんとなく本ブログを見直していたら、意外に「影青」と呼ばれる器の数が多いことに気がつきました。古いものや新しいものが混在している可能性がありますが、ちょっと整理してみました。すべての作品が現在は手元にあるわけではないので、ブログからの写真を転用しています。

常に蒐集作品は整理し、勉強していないと逆に蒐集の質が低下することすらあります。「買うべし、売るべし、休むべし(勉強するべし)」が骨董蒐集の大原則ですね。

「影青」というと最近は出光美術館に陳列されていた作品を思い出しますね。



東京美術倶楽部で開催される骨董店の中国陶磁器になども出品されていることがありますが、十数万くらいが相場のようですが、出来のよいものは少なく、出来のよいものはいかほどの値段かはわかりかねますが、かなり高いかも。

本ブログ掲載作品としては

影青刻花輪花皿合箱入
口径150*高台径450*高さ45



そもそも影青というものはなにか?

インターネットからの引用を羅列すると下記のように掲載されています。

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青白 (ちんぱい) ともいう。白色素地に淡青色の釉 (うわぐすり) をかけた白磁。素地に施した彫刻文様の彫り込み部分などに,釉が透明な青白色にたまってみえることによる名称。中国,宋代の江西省,景徳鎮窯で大量に作られており,その始りは宋代以前にさかのぼるといわれる。

淡青色を呈する白磁の一種。青白磁とも。宋~元代にかけて中国江西省,福建省,広東省一帯で多く焼かれているが,宋代景徳鎮窯の作品が特にすぐれる。文様のないものもあるが,一般に影青とは釉(うわぐすり)の下に美しい彫り文があり,その部分が影のように青く見えることからの名称。

中国宋代,江西省景徳鎮で焼かれ始めた磁器。白色半透明の薄い胎土にわずかに鉄分を含む透明の釉(うわぐすり)をかけたもの。模様部に釉がたまってほかの部分よりも青く見える。青白磁。白青磁。

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どうも彫りがあり、その部分が青く見える磁器らしい。

問題はその時代のを見解るかですが、次に時代の見分け方は??

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<北宋 青白磁の特徴> → 中国陶磁の鑑定と鑑賞 常石英明著 より

(1) 北宋朝がが北方民族に滅ぼされた時に、北宋朝の官窯、定窯に従事していた陶工達が景徳鎮に移住してきて作陶したと言われる作品です

(2) 土は景徳鎮近くのカオリンから算出され、含有鉄分が少なく純白で、耐火度が高いので薄作でも焼成中に歪んだりへたる事がなく姿が崩れず、古来中国随一の磁土と言われています

(3) 作柄は薄作で、碗、皿、鉢などは器を通じて向こう側が薄く見えるほどです

(4) 素地には簡単ですが、丁寧な陽刻、陰刻などが施されています
    多くは片切り彫りです

(5) 釉色は透明な微青色で、下地の文様の凹凸によって淡い青色は濃淡を異にしていて、全体的に非常に清涼感がみなぎり、いわゆる淡い雨過天晴色に近く、欧米の学者は古作の柴窯系であるとさえ論じています

(6) 器種は碗、皿、鉢、合子、水差し、小壷などの日常品から装飾品まであります

以上ですが、唐時代の青白磁は、後代のものに比較すると青味が少なく、柔らか味があり、やや厚造りで、おっとりしています。北宋時代の青白磁は紙のように薄造りで、しかも鋭さのある技術の冴えを示していて、素地には丁寧な陽刻、陰刻などが施されています。釉色は、透明な水色で、濃淡の差は少なく、調和がとれていて、清涼感と気品が溢れています

南宋時代にはいると厚造りになり釉色は透明度を欠き、丸みを帯びてきて鋭さがなくなってきます。

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これだって、真似る輩はたくさんいる・・、わかったようで解らないのが陶磁器の骨董。

なんでも鑑定団で「影青」の器に高値がついて、物議を醸し出しました。「そんなに高いはずがない。」と・・・・。これは北宋時代の作と断定したものからでしょうが、ちと高いかな。

時代が下がって南宋や元の頃になると安くなるようですが、50万はまだ高いと思いますね。

本ブログの下記の作品は南宋時代かな?

影青刻花碗 その2合箱入
口径176*高台径59*高さ69



下記の作品は完全に南宋時代・・??

影青刻花碗(宋時代)
口径182*高さ67



作品としての出来は完璧です。

この作品は白磁としての出来もいまひとつで、元の頃?

青刻花文輪花碗 その2箱入
口径151から154*高台径45*高さ43



下記の作品は汚れもひどく、最初は模倣品として投稿しましたが、どうも北宋の作品に近い出来ですね。発掘品かもしれません。

倣青白磁(影青)刻花文輪花碗→「倣」除去
化粧箱入
口径160*高台径49*高さ40



下記の作品は厚作りとなり南宋以降・・。

青白磁印花草花紋皿口径150*高台径57*高さ36



下記の作品もまた南宋以降の作品でしょうが、よく見かける作品群です。本ブログにも近似した作品が他にも投稿されています。

影青劃花輪花碗合箱入
口径115*高台径*高さ42



下記の作品群は近代作か?

影青陰刻草花文様輪花碗口径180*高台径*高さ50



下記の作品はもう薄いだけですが、このような器を影青の逸品と思っている人も少なくないようです。

青白磁草花文輪花鉢口径190*高さ64*高台径65

中国陶磁器は真作、贋作、模倣品などさまざまな作品が存在する魑魅魍魎たる作品群です。

いずれにしても使うのが愉しい












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