夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

柴田コレクションより 古伊万里色絵皿 寿字唐草花繋文六角皿

2019-07-19 00:01:00 | 掛け軸
展示室に飾られている作品は基本的に収納箱のない作品が優先されています。順次、収納箱に収める価値があると判断した作品には収納箱を依頼して作ってもらっていますが、資金のある場合に限られますので、収納箱が用意できるまではしばらく時間がかかります。



収納箱がないと作品を整理するのにスペースをとることとなり、また作品がどこに収納されているか分からなくなるので、収納箱は陶磁器や掛け軸、漆器などの骨董品には必須です。やたら部屋に並べたり、積み上げたりしておくのは感心しませんね。

さて本日紹介する作品はずいぶん前に入手した古伊万里の作品です。原稿はもしかしたら以前に紹介しているかもしれませんので、その場合は「リメイク」の投稿となります。

古伊万里色絵皿 寿字唐草花繋文六角皿
合箱入
最大幅192*奥行128*高さ31 高台径101



この古伊万里色絵皿は、同一作品が柴田コレクションⅣに掲載(P68 No100)されています。

盛岡の古陶庵の御主人が九州で、柴田コレクションを整理して資金調達するために放出する際に落札した作品とのことでその品を当方で購入した作品です。信憑性はともかく柴田コレクションの本に掲載されているというよりもその作品そのものの可能性があります。

1700年~30年代の作。高台内の寿の字が面白く、縁起の良い品である。上品に絵柄もまとまっており、佳品といえるでしょう。

柴田コレクションは著名ですのでご存知の方も多いでしょうが、あらためて下記の記事にて紹介します。

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柴田夫妻コレクション:柴田明彦(1940~2004)・祐子(1944~ )御夫妻から佐賀県立九州陶磁文化館に寄贈されたものです。

平成2年(1990)に2,476点、平成3年(1991)に299点が寄贈され、平成5年(1993)には柴田夫妻コレクション展示室のオープンを記念して627点が寄贈されました。その後も平成15年まで、19回にわたって寄贈され、14年の間に合わせて10,311点の一大コレクションになりました。

平成18年(2006)には、有田の磁器を網羅的・体系的に収集した磁器のコレクションで、世界的に見ても類例が無く、学術的にも極めて貴重な資料として認められ、「有田磁器(柴田夫妻コレクション)」の名称で国の登録有形文化財(美術工芸品)に工芸部門の第1号として登録されました。このコレクションの特徴は、江戸時代の初めから幕末までの有田磁器の歴史的変遷がわかるように、様々な種類の作品がそろえられていることです。展示室ではいくつかのテーマを設け、有田磁器の各年代の様式の特徴、技術の変化などを紹介しています。



柴田明彦氏:昭和15年(1940)東京に生まれる。昭和38年(1963)慶応義塾大学を卒業し食品会社を経営。20代から有田焼にひかれ、江戸時代の有田焼の歴史的な変遷と、消費地の生活文化の歴史を照合しながら体系的に収集を行う。生産地有田の歴史文化の遺産として末永く保存されるよう、収集品を佐賀県立九州陶磁文化館と大英博物館に寄贈された。平成16年(2004)5月21日逝去(享年64)。



柴田祐子氏:昭和19年(1944)東京に生まれる。昭和42年(1967)清泉女子大学を卒業、同年柴田明彦氏と結婚。昭和48年(1973)より貿易会社経営。10代より古美術にひかれ、江戸時代を中心に有田焼の収集を明彦氏とともに続け、すべてを佐賀県立九州陶磁文化館へ寄贈された。

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手元には一作品も残さずに後世に伝えるべくすべて寄贈されてようです。会社経営者ですが、普段の生活は質素でありながら、蒐集には大いに投資したようです。蒐集家の手本となる蒐集家といえるのでしょう。


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