釜石の日々

国力低下

もう日射しは夏の日射しだが予想最高気温が21度で、風の涼しいいい天気だ。それでも毛に覆われた犬たちには暑いようで、日射しを避けて、常に日陰に移動している。特にドイツ・シェパードの方は毛が黒く、尚、日射しは厳しいのだろう。家の中だと暑くもなく、ちょうどいい気温だ。玄関先の杏の実もようやく色付き始めて来た。7月に入り、沿岸部の河川は本格的な釣りの解禁を迎えた。鮎や岩魚を獲る人たちにとって今日のように晴れるといい釣り日になる。家の近くの甲子川だけでも4~5人、鮎を釣る人たちを見かけた。先日お会いした同門の方のお話では、3月に釜石に住むようになってから、川釣りが好きで、すでに35cmもの岩魚を2匹上げられたそうだ。匠の方にこの話をすると、ほぼ同じ川で50cmにもなる岩魚を釣られたとのことだった。以前匠の方に同行いただいた時は27~28cmくらいのものが最高だった。同門の方はお一人で川へ入って行かれるそうだが、熊の出没を考えると、ちょっと一人で川へ入るのは躊躇する。小さい岩魚であればすぐそばの甲子川で簡単に釣れてしまうが、それだとあまり面白味がない。それに放射線の濃縮の問題もあり、積極的に釣りをしたいという気持ちも萎えている。ほんとうに原発事故はこの釜石の自然を汚してしまっている。先日読売新聞で日本の技術革新力が低下しているとスイスの世界知的所有権機関(WIPO)が発表しているのを読んだ。「起業のしやすさ」や「創造的なサービスの輸出」などの項目で評価が低かったようだ。総務省統計局の「統計でみる日本の科学技術研究」を見ると2007年まで増加傾向にあった官民合わせた科学技術研究費は2008年から毎年漸減して来ている。2010年には17兆1,100億円となった。米国も2010年には前年より減らしているが、日本の倍以上の41兆1,573億円になっている。昨年3月日本経済研究センターが発表した今後10年間にどれだけ一人当たり国内総生産(GDP)を増加させることができるか、を測った「潜在競争力」ランキングを見ると日本は人口を考慮したランキングで第4位となっている。日本の指数を100とすると中国は591で世界一である。米国が第二位で312、第三位はインドで204になっている。しかし、国際化、企業、教育、金融、政府、科学技術、社会資本、ITなどを含めた総合評価は日本は14位である。同じく総務省統計局の「平成23年 労働力調査年報」を見ると15 歳以上の労働力人口ば 6261万人で1998年の6793万人をピークに2005 年から 2007 年の一時的な増加を除いて確実に減少して来ている。共働き世帯と専業主婦世帯を見てみると前者は一貫して増加しており、後者は逆に減少し続けて、1997年に逆転し、前者が後者を上回るようになる。共働きが増える要因の一つは女性の進学率の変化もある。1994年をピークに女性の短大進学率は低下し、今やピークの半分以下になり、一方で大学への進学率は年々増加し、現在50%に迫っている。女性の高学歴化は少子化へも大きく影響していると思われる。また、共働きが増加している割には保育所へ入所出来ない待機児童が85万人もいると言われ、保育士の絶対的不足など、子供を預ける体制が整っていない。このことも少子化に拍車をかけている。労働力人口の減少、研究費の低下、技術力の低下、収入減や増税による教育費の家庭負担の相対的増加などを考えると、政府が将来の日本の国力を維持、強化しようという姿勢は全く見られない。10年後、20年後の日本は仮に世界経済の大きな変動がなくとも、確実に国力が一層低下しているだろう。
家の近くの甲子川の土手で見かけた紫陽花
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