釜石の日々

岩手県釜石市に移り住んで9年5ヶ月が過ぎ、三陸沿岸部の自然の豊かさに感動する毎日。

長野県南部地震

2017-06-26 19:14:06 | 自然
昨日の朝、長野県南部(北緯35.9度、東経137.6度)を震源とするM5.6、最大震度5強の地震が発生したが、長野県南部ではもう10年近く前から毎月、あるいは月に何度も小さな地震が発生している。東日本大震災の翌日になる2011年3月12日にはM6.7の長野県北部地震も起きている。長野県には東西の日本列島が合体した地帯であるフォッサマグナ(中央地溝帯)と九州まで伸びている中央構造線が走る。フォッサマグナにはいくつもの断層があり、中央構造線も巨大な断層だ。昨日の地震の余震は昨日に続いて今日も頻回に発生している。フォッサマグナと中央構造線が走る長野県は、本来日本列島の中でもさらに危険な地帯でもある。地震調査研究推進本部によると、762年と841年に大きな被害をもたらした地震があったと言う。762年の地震では美濃や飛騨にも被害が及んでおり、糸魚川-静岡構造線断層帯の活動によるものだった。1847年のM7.4の善光寺地震では地元民だけで5000人以上の犠牲者を出し、全国から善光寺へ参詣に訪れていた7000~8000人のうち生き残ったのは1割だと言われる。この他、1700年代、1800年代には2〜3度大きな地震が起きている。1900年代には8回の地震が発生している。長野県には多くの断層があるため、南海トラフの地震によっても、34の市町村が被害を受ける可能性があるとされている。長野県は一昨年、県内でM7~9クラスの巨大地震が発生した場合、7000人以上の犠牲者と3万7000人以上の負傷者が出ると試算している。ライフラインの被害は70万人以上に及ぶ。建物の全壊・焼失は2200棟、半壊は2万棟と見込んでいる。内陸地震はマグニチュードMが比較的小さくとも震源が浅く、被害が大きくなる。断層での歪みの解消が地震であり、その動きがまた新たな歪みを生み、地震をまた発生させる。また、今回の震源地は2014年9月に噴火した御嶽山からわずか10Kmであり、御嶽山への影響も心配される。日本列島は周囲の海の大きな断層と内陸の無数の断層を抱える、まさに火山噴火と地震の大国だ。
ツツジ
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人に従順な犬

2017-06-24 19:15:28 | 文化
昨日の東京新聞に、80歳になる女性で、現役の警察犬の指導士の話が出ていた。専業主婦をしていて、「近所の家で訓練されたシェパードに出会った。伏せの状態で前足に乗せられたりんごを合図が出るまで食べるのを我慢する姿に衝撃を受けた。」それがきっかけで、訓練所を回って、弟子入りをし、32歳で指導士に合格した。その後、自ら訓練所を開き、現在まで続けている。犬の嗅覚は人の3000倍鋭いと言われる。どんな犬も訓練をすれば、人の指示通りに動いてくれる。ただやはり大型犬の一定の犬種は特にその傾向が強いように思う。犬は生まれて3ヶ月は親犬や兄弟とともに生活することが大事だ。犬としての「マナー」を学ぶ。その後、生後6ヶ月くらいから1年目くらいまでに基礎的な訓練をする必要がある。犬種によっては1年を少し過ぎても可能だが、理想はやはり6ヶ月から1年の間だろう。この期間に甘やかした犬は人の指示に従わず、家族の中の順位も自分が上のような振る舞いをするようになってしまう。他人に対しても穏やかな犬に育てるためにもこの期間に出来るだけ他人に接するようにすることが大事だ。座れ、立て、伏せ、待てなどの基本事項をしっかり身に付けさせる。伏せの状態で、飼い主の姿が見えなくなっても、じっとその姿勢を何時間でも続けられるようになる。散歩も飼い主の歩調に合わせて歩き、決して飼い主よりも前に出て、引っ張るようなことのないようにしておくことも大事だ。それらの指示を指と言葉の両方で出すしつけをしておく。しつけ中に指示に従った時には大げさに褒めてやったり、場合によっては小さなおやつを与えてやる。そうすることで、どんな犬も指示に従うようになる。犬は猫と違って、飼い主の表情、気分をちゃんと見ている。前足も力を無くした我が家の老犬は、もうすっかり寝たきりになってしまった。目も虚ろになりがちだが、水入れや餌入れを口元に運んでやると、表情を変えて、起き上がろうとする。残念ながら、自力では起き上がれず、手を添えてやらなければならない。人と同じで、寝たきりとなっても周囲への関心はあるし、自由に動けない苛立ちも感じる。この週末は荷物運搬用の低い台車を使って、それに乗せて散歩をしてやろうと考えている。生後3ヶ月で北海道にいた頃の我が家にやって来て、家族を和ませてくれた。走ればこれほど早い犬種は他に見たことがない犬だった。昨年の秋には投げたボールを追いかけてもいた。気持ちの優しい、素直な犬で、それだけに最後までしっかり世話をしてやりたい。
咲き始めて来た柏葉紫陽花
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浸透する腐敗

2017-06-23 19:17:49 | 社会
政治は絶大な権力を手にし得る。従って、その権力を乱用させないように法で規制されるのが民主主義国家である。しかし、その民主主義国家が世界的にも形骸化し、腐敗が浸透しつつある。米国イェ ール大学法学部スーザン・ ローズ=アッカーマンSusan Rose-Ackerman教授は、論文『Political Corruption and Democracy(政治的腐敗と民主主義)』の中で、「競争的な政治システムこそが、汚職を抑制しうる制度となり得」るとされる。現在の日本の政治家は世襲政治家が増加している。三世、四世議員までいる。競争原理が働かない状態になっている。これに拍車をかけているのが、二大政党制を誘導する目的で導入された小選挙区制がある。さらには一向に改善されない一票の格差の問題もある。選挙の段階で既に競争原理が排除されている。戦後、長期にわたる一党支配は官僚や企業との関係も固定化してしまい、多様な関係性を失っている。現政権になると、その競争原理が一層排除され、「お友達」グループだけの閉ざされた関係だけが維持される。既にこの段階で、国家権力の私物化がなされている。長期のほぼ一党独裁は三権分立をも根底から覆してしまっている。立法府は名ばかりで、実質的な議論は無視され、形式的な「採決」のみが優先される。司法も行政府に従う体制が出来上がってしまっている。政治と結びついた企業も同じく腐敗が浸透し、まさに企業としての機能を失いかけている。行政を担う官僚にも同じく腐敗は既に浸透しきっており、政治優先の人事がまかり通ってしまった。さすがに国民の納得の得られない説明が度重なると、「世論調査」は政権へ背を向け始めているが、それが必ずしも政治家に顧みられているようには思えない。競争的な選挙制度を導入し、腐敗を排除するには、立法府での法改正が必要になる。しかし、機能していない立法府ではそれも叶わない。それでも競争が排除され、腐敗の進んだ政権では、その腐敗が加速し、腐敗は自らを蝕むため、どこかで自滅する可能性もあるだろう。
道端で咲いていたスミレ
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古代秋田の採鉱と貿易

2017-06-22 19:17:32 | 歴史
和田家文書の「秋田北譜」は「古きより秋田の地に山靼の国人、能く移民し来たりぬ。秋田の国に連峯せる山また山のかしこには、金銀銅の鑛ありて、是を採鑛せしむ溶鋳の法を傳へたるは、通稱オリエントなる古代シュメールの技法なり。」と始まる。「山靼」はオリエント地域を主に表していると思われる。そこの人たちが古くから秋田に移り住んでいたと言う。よく秋田美人と言われるが、秋田にはオリエントの血が混じっているからかも知れない。採鉱と精錬の技法がオリエントから伝わり、古代シュメールの技法だと言う。古代シュメール人の国家は紀元前3500年〜 紀元前2004年まで存在した。メソポタミアに住んでいた彼らは国家が滅亡後も、紀元前525年に同地をアケメネス朝ペルシア帝国が統一する頃にもともに住んでいたと思われる。高度な製鉄技術で、メソポタミアを征服したヒッタイトは紀元前1680年頃から 紀元前1190年頃まで続いている。国家が滅亡したシュメール人も鉄器文化を身に付けたことだろう。「表掘り、横掘り、底掘りの探鑛法は古き代の秋田、火内、及び鹿角にぞ、そのただらをなせる山師の特技たり。またマツオマナイの住民も川に砂金を採る技を知り、安倍日本將軍に献ぜしは、古代より相受継がれし習へたり。」古代シュメールの技法が後の秋田にも伝わり、「ただら」が行われていた。「古来安倍一族の暮しに、吾が国の産金を得たる財を散財せずとも、海産物交易にて支那、満達、蒙古よりその益を得たれば、産積の金を費せることなかりき。また鉄は閉伊よりその産を得たれば、鉄をして鍛治の工法また倭国より先たる技錬あり。舞草刀もその先鍛治法なりと曰ふ。古きより鑛産と相互たるは、産馬及び漁撈の營みなり。更には海獸毛皮の商益にては、北域の民と相通ぜる物交にて交易の品を欠くことなかりき。秋田にては土崎湊、北浦湊、怒代湊を以て山靼交易とせる多し。」とあり、製鉄のみならず、産馬及び漁撈、山靼交易が行われている。「然るにや、是を掌握せんとて阿部比羅夫、海湊を侵せども、その了に達せず敗れたり。」と続き、658年からの阿部比羅夫の軍船による東北の日本海側の侵攻が失敗に終わったことが記されている。
白い露草
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農業

2017-06-21 19:18:54 | 社会
宇宙は米国のNASAによると137億年前にビッグバンにより誕生した。地球は46億年前に誕生した。現生人類の誕生はわずか30万年前だ。そんな中で現代など一瞬でしかない。しかし、その一瞬に、地球上では74億人が住んでいる。そのうち8億人は飢餓状態に置かれている。国連の予想では2050年には世界人口は97億人となり、2100年には、112億人となる。日本は年間6000万トンの食糧を輸入しながら、毎年2000万トンもの食糧を廃棄している。一人当たりの廃棄量は米国の1.5倍で、世界でももっとも多い。日本では必要カロリーを33%も超えて摂取している一方で、ソマリアでは16%不足していると言う。世界の食糧格差はかなり以前から言われているが、一向に解消の兆しが見えない。その上、今後はますます世界では人口が増えて行く。農林水産省によると、世界では毎年、日本の農地面積を超える500~600万haの農地が砂漠化し、世界の農地面積の25%で土壌の劣化が進行していると言う。食糧生産には農地が必要であり、それも人口増加を補えるだけの農地の確保を要する。日本国内を見ても、日本の耕地面積は470万haしかなく、農業生産者の減少により、その面積も減少しているのが現状だ。輸入食糧を全て国内で生産するには現在の耕地面積の2.5倍が必要だと言う。国土の3分の1に当たる。衣食住と言われるように食は人が生きるために欠かせないものだ。にも関わらず、カロリーベースで60%を輸入せざるを得ない状況だ。世界の人口が増加する中で、今後も食糧の輸入に依存し続けられるだろうか。今一度、農業を主要な産業として、生産効率の良い農業への発展を図ることが日本には必要なのではないか。さらなる機械化だけでなく、ロボットやAI(人工知能)を駆使して、農薬を出来るだけ使わない農業は可能だと思われる。高齢化する生産者による労力に頼るこれまでの農業ではなく、食糧の質と量を高める効率的な農業の育成がこれからの日本には特に重要だろう。新たな産業としての視点に立って、農業を主要産業の一つにすることが、斜陽化して来ている日本を救うかも知れない。
烏骨鶏(うこっけい)
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中央銀行の罪

2017-06-20 19:11:13 | 経済
1991年12月にソ連が崩壊すると、米国の一人勝ちとなり、米国の巨大企業によるグローバル化が一気に加速した。巨大資本が世界中に富を求めるようになる。各国の割安の企業を買収し、経営効率を最優先し、人件費が標的となる。買収されない企業も同様の経営方針に切り替わって行った。企業のこうした行動は中間層を脱落させ、格差社会を拡大した。このため各国とも消費が減退し、実体経済は低迷する。これをカバーするために先進国は国債を発行して、政府債務を積み重ねて行った。その政府を支えるために中央銀行はこぞって金融緩和に走った。すなわち低金利と、国債の引き受けによる大量の紙幣を印刷した。この恩恵は富裕層にのみ流れ、株や債券、不動産のような資産バブルが発生する。特に顕著なバブルは米国で発生している。米国は70年代で製造業が後退し、以後、金融資本主義を生み出すことで、活路を開いた。しかし、単にお金がお金を生み出すギャンブルであり、加熱したギャンブルは2000年のITバブル崩壊や2008年のリーマンショックのようなバブル崩壊に至らざるを得ない。2000年代からの中央銀行による金融緩和は史上最大のバブルを生み出している。これ以上のバブルの拡大を恐れた米国の中央銀行であるFRBは他国に先駆けて、金融緩和から離脱した。低金利から徐々に金利を上げ、買い込んだ債券を売る方向に舵を切ろうとしている。一方、日本の中央銀行である日本銀行は未だに金融緩和からの離脱が出来ないでいる。金融緩和が長引けば、長引くほどバブルは拡大し、中央銀行のバランスシートは悪化する。しかし、政府にとっては発行する国債の金利が低く抑えられていることは好都合だ。巨額の借金を抱えた政府は借金の利払い費が少なくて済む。永遠に金融緩和が続いて欲しいはずだ。先進国の中央銀行によって行われて来た金融緩和によって生まれた空前のバブルはいつの日か弾ける。このバブル崩壊は日本では財政破綻や年金の崩壊に繋がるだろう。歴史始まって以来の世界恐慌になると予想する著名投資家たちがいる。賃金低下により消費が低迷し、実体経済は良くないにも関わらず、中央銀行による見せかけの株や債券の高騰は資本主義市場そのものを歪めてしまっている。本来、株や債券は企業の業績や国の財政状況が好ましい状態であって初めて評価されるものだ。その評価とは無関係に高騰することで、不良企業や不良政府を延命させている。
紫波町勝源院の国の天然記念物、樹齢300年の「逆さ柏」
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麻(大麻)

2017-06-19 19:21:18 | 文化
気象庁はまだ東北地方の梅雨入りを発表していないが、ここ数日も曇天が続く。すっかり周りが緑になった職場の裏山ではウグイスが鳴く。日増しに弱って行く老犬の介護で、連日睡眠が不足している。寒い時期を脱していて助かる。6月に入ってからは庭の山野草もほとんどが咲き終わってしまった。 若狭湾にごく近い福井県の三方湖の南岸に鳥浜貝塚がある。12,000~5,000年前、縄文時代草創期から前期にかけての集落遺跡である。貝殻だけでなく、動物の骨、木や種子、葉、土器、石器、骨角器、木製品、漆製品、繊維製品など多種のものが捨てられていた。木の実の貯蔵穴や竪穴住居跡も発掘された。その他丸木舟や網漁に用いられる縄文草創期の石錘まで発掘されており、保存状態が良好であることから、「縄文のタイムカプセル」と呼ばれる。ヒョウタン・ウリ・麻・ゴボウなどの植物も見出されている。縄文の名は土器に縄目模様を付けたところから由来するが、この縄は麻で作られていた。日本各地の縄文遺跡からも麻の種や実も多く出土している。縄文時代は日本列島の全域に麻が自生したり、栽培されていた。麻は古来、「依り代」と言われ、邪気を払い、神霊が依り憑くものとされた。そこから、「大いなる」麻として、「大麻」と呼ばれるようになる。太平洋戦争の敗戦までは米とともに食料として、全国で栽培されていた。茎から繊維が作られ、種は食用として利用されたり、油を採取し、燃料などにも使われた。現代でこそ、麻は法的に規制されているが、米と同じく長く生活に密着したものであった。北海道に住んでいた頃、わざわざ本州から自生する野生大麻を取りにやって来る人がいて、警察がパトロールしていた記憶がある。縄文時代には現代の米以上に麻は生活になくてはならないものであった。茎から作られた繊維で衣類も編まれている。麻はかっては喘息やアレルギー、痛み止めなどに効く漢方薬として使われていた。麻の衣類をまとい、麻を食用としていた縄文人にはウイルス感染が少なかったとも言われる。列島に自生し、利用度の高い麻を縄文人は生活の中で、なくてはならない植物として、むしろ崇めていた。
家の近所で咲いていたバラ
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人と犬の老老介護

2017-06-17 19:24:28 | 文化
昨年は東北の梅雨入りは6月13日だった。今年は6月に入り、ほとんどが雨や曇天で、一昨夜は激しい雨と雷があった。昨日も日中に一時的に激しく雨が降った。今日は曇天だ。ここのところ連日のように釜石では熊の目撃情報が流されている。山よりも里近くが簡単に食物が得られることを知った熊が毎年出没するのだろう。人は熊を恐れるが、熊もまた人を恐れる。互いの恐怖心が事故に繋がる。 我が家の1頭だけ残った犬、ベルジアン・タービュレンは14歳と9ヶ月になる。大型犬としてはかなりの高齢になる。今年の1月まではそれまでと何ら変わりなく見えていた。しかし、2月に入ると突然のように後ろ足の筋力が落ち、足の運びが悪くなった。それでも4日前まではとても遅い歩行でいつもの散歩コースを歩けていた。それが4日前にはようやく家の周囲を回る程度しか歩けなくなり、翌日にはそれすら歩けなくなった。食欲だけは少し落ちてはいるが維持出来ている。雷が激しくなった一昨日には寝返りもままならず、夜半に何度も起こされた。全くの寝たきり老犬になってしまった。犬の様子を見ていると、老化は人と同じだと痛感する。最初に足に来る。犬だと後ろ足になる。動けなくなった大型犬は、重さがあるので、こちらも力を強いられる。人と違って、何をして欲しいのか理解出来ないことが、また介護を難しくする。これまでいつも心を和ませてくれて来た家族同様の存在なので、最期まで面倒を見てやるつもりだが、何を欲しているのか分からないと、十分な介護とは言えない。一日に可能な限りの寝返りやオムツやシーツの交換をしてやる程度しか出来ないが。たまに自力で寝返りを打とうとするが、結局は出来なくて、諦めたその目がとても哀れに見える。何度か腰を持ち上げて、立たせてもやるが、腰に手を添えてやらなければ、すぐに倒れてしまう。一説では犬は1年を過ぎると、毎年4歳ずつ年を重ねると言われる。3ヶ月が人の1年に相当することになる。それだけに老化の進みも人以上に早いのだろう。
クリオネに似た連鷺草(つれさぎそう)
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人類の適応進化

2017-06-16 19:19:30 | 科学
恐竜が絶滅した6500万年前頃に、地球上に霊長類が出現した。霊長類は樹上生活をしていた。その霊長類の中から、6000万年前に猿類の祖となる原猿類が出現する。そして現在の猿類に近い真猿類が出現するのは4000万年前である。猿類が樹上からおりて、猿人として地上生活を始めたのが700万年前になる。霊長類として出現して、猿人となるまでの5800万年間は樹上で木の実や葉、樹皮など植物性の食物を長く食べて来た。体は植物を消化吸収出来るように出来ていた。700万年前からは動物や魚も口に入るようになる。動物性タンパク源が得られるようになり、体もそれを消化吸収出来るように進化し始めた。小麦のような炭水化物が栽培され、本格的に人が食べるようになったのは1万年前からだ。米はそれから少し遅れて、8000年前くらいから栽培が始まっている。いずれにせよ、霊長類としての人間の体は果実や葉、次いで動物性タンパク質が消化吸収され、効率的に体で利用されるように進化して来た。それらに比べて、炭水化物はわずか1万年でしかない。まだまだ炭水化物の歴史は新しい。炭水化物が人間の体で効率よく利用されるには十分な進化の時間が経っているとは言えない。しかし、小麦にしろ、米にしろ現代の人間の摂取量は多く、体に負担をかけている。それが現代人の生活習慣病に繋がっているとも言える。人の体には野菜や果物、肉や魚がもっとも適合するように気の遠くなるような時間をかけて進化して来た。にもかかわらず、歴史ではごくわずかな期間に炭水化物を多く摂るようになった。人間も自然の一部であり、自然の変化には長い時間を必要とする。そのことを忘れて、人間は自然とは別の存在のように錯覚し、自然を破壊したり、変化に要する時間を無視する。生きている体には必ずその結果が影響して来る。また、現生人類がアフリカを出て、世界へ広がって行ったのはたかだか7万年前からである。それまでの何百万年かは暑いアフリカにいた。暖かい環境が本来の人間に合っている。人の体にはヒートショックプロテイン(HSP)と呼ばれるタンパク質がある。傷ついた細胞を修復し、免疫力を高めて病気を未然に防いだり、コラーゲンや筋肉の減少を抑制したり、代謝を活発にして脂肪を燃やしたりする。温熱よって誘導されることから名付けられた。実際には他にも炎症や活性酸素、紫外線、飢餓などでも誘導されるが。これもやはりアフリカと言う環境下で長く進化した結果だと思われる。皮膚や筋肉の老化を予防するHSPを誘導する入浴法などが話題にもなった。現代人の生活を人類の歴史を振り返りながら、見直す必要もあるだろう。
ドクダミの花
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ジギタリスの花

2017-06-15 19:13:38 | 自然
職場の裏山も今は緑一色となり、日射しの刺した淡い緑が清々しい。そんな緑の中に薄紫の花が咲き始めて来た。野生化したジギタリスDigitalisの花だ。ジギタリスの花は地中海沿岸を中心にヨーロッパ、中央アジアから北アフリカにかけて分布するヨーロッパ南西部原産の花だ。キツネノテブクロとも言われ、ジギタリスの名前の由来はラテン語で「ゆび」を表すdigitusから来ている。紀元前1000年頃、現在のフランスとドイツの国境付近にケルト人が住んでいた。紀元前400年頃にはケルト人はブリテン島やアイルランド、東欧や南欧にまで広がった。ケルト人の社会にはドルイドと呼ばれる政治的指導者も兼ねた祭司がいて、そのドルイドたちにジギタリスの花が好まれた。ドルイドが夏に取り仕切る儀式の頃に咲く花であることからだと言う。ジギタリスは根から茎、葉、花の全てが毒だ。そんなジギタリスも古代から切り傷などの治療に使われていた。18世紀には葉を乾燥させたものから強心剤が作られ、現代でも化学合成されたものが心不全や不整脈の治療薬として使われている。植物としてのジギタリスは乾燥を好むため、水はけの良い職場の裏山のような山の斜面で繁殖するのだろう。種が落ちて、雨などで流されると、斜面の下で芽を出すことになる。裏山をよく見ると、尾根に近い高さの所にジギタリスが密集して咲いている。その辺りから種が流されて、斜面の下の方にまでジギタリスが咲くようになったのだと思われる。日射しを好む植物だが、夏の強い日射しだけには弱く、ある程度はそうした強い日射しが避けられる場所で育つようだ。裏山でもよく見ると、ある時間帯だけ日射しが刺すような場所で咲いている。一般には二年草とされており、二年に一度咲く花とされているが、北陸や東北では毎年咲くようだ。実際、裏山のジギタリスは毎年今頃になると咲いている。そのためか関東以南ではあまり店頭ではジギタリスは売られていないようだが、東北だと産直で毎年売られているのを見かける。花の形は釣鐘状をしており、同じ頃に咲く蛍袋と似ている。20ほどの品種があり、花の色も紫や赤、白などいくつかあるようだ。
尾根近くに咲くジギタリス

山の斜面の下で咲くジギタリス
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