♪おみそしるパーティー♪

「ほにゃらか」の
古典・短歌・ことば遊び
『 題詠100首blog 』に参加中

色彩

2005年11月09日 22時48分00秒 | ★ほにゃらかの短歌

夕焼けに柿の甘さを思ひつつ さあさ御飯の買ひ出しにゆこ

酉の市 しあはせのいろ寄せあつめ熊手よもつと大きうなあれ

あね色の着物と揺るる髪飾り おなじきものがきたかつたのに

とつぷりと暮れても家に帰らねば腹ぺこ色の子がさわぐらむ

湯気までも母さん色の味噌汁だ 心ゆくまでおかはりしませ

                      短歌:ほにゃらか



☆makoさんの「二進法の恋」 題詠11(「もの+色」の色彩語を自分で創作する)はこちら。

makoさんの『色彩語』と、みなさんのお歌はこちらです。

いいわ~。この歌♪ 034:「背中」

2005年11月09日 15時36分50秒 | ★題詠マラソン(感想)
ここでは、「題詠マラソン2005」に出詠されている短歌の中から、
私が「いいな~」と思った歌を、お題ごとに紹介しております。

あくまでも、素人の私が「いいわ~」「好きだわ~」という基準で
選ばせて頂いております。

以下、出詠者のお名前は敬称を略させて頂きますことを
あらかじめご了承くださいますよう、お願い申し上げます。


   「034:背中」から



★背中掻く母の手ずれてわれ詰(なじ)るわが痒き場所わからぬ不当を (謎野髭男)
 ( http://blog.goo.ne.jp/nazohige/ )


   ほ:その頃はきっと幼くて、お母様を不当に思い、責めてしまったのですね。
     しかし、今となってはそのことを申し訳なかったと思っている。
     ご自分を責めていらっしゃるのでしょう。
     こういう作り物でない気持ちを、心の中から拾い上げて詠むというのは
     とても大切なことだなぁと、あらためて思いました。



★湯上りの夫の背中の痩せたりと不意に思ひて涙したたる (浜田道子)

   ほ:愛情のあふれるようなお歌です。「痩せる」というのは悲しいですね。
     それが愛するご主人あれば尚更でしょう。
     言葉を飾らず、シンプルに詠われていて、とても実感がこめられていると
     感じました。
     「涙したたる」が、けっして大げさではなく感じられます。



★あんなこと言ってごめんねシャツの皺背中が喋るなんてずるいね (ハナ)
 ( http://www14.plala.or.jp/nemu31/ )


   ほ:「シャツの皺」を見て、急に「ごめんね」と思えてくる気持ち。
     わかるような気がします。きっと切なくなるのですね。
     「シャツの皺」に視点をあてているところと、
     「背中が喋るなんてずるいね」という可愛らしい愚痴が
     とても良いと思いました。


★孵化を待つ卵のごとし講堂の体育座りの子らの背中は (丹羽まゆみ)
 ( http://blog.drecom.jp/mako9344/ )


   ほ:子供達が講堂で体育座りをしている後ろ姿を、卵に喩えています。
     孵化をを待っている卵。まるく、小さく、きっと温い背中でしょう。
     心にはなにを抱えているのでしょうか。うまい喩えだと思いました。
     思春期を迎えた子供たちは、あと少ししたら、急に成長して
     羽ばたき、飛び立ってしまうでしょう。
     寂しくもあり、待ち遠しくもあるような、しんとした風景です。



★少年の華奢な背中に貼りついた8月の嘘とんがったまま (暮夜宴)

   ほ:少年の華奢な背中と8月の嘘が、よくマッチしていると思います。
     「少年」と「背中」って、切り離せないイメージがありますよね。
     「とんがったまま」という結句が良いと思いました。
     どんな嘘が貼りついているのでしょう。
     それがもっと具体的にイメージできると、さらに良いような気もします。
     


★信号を守る背中がいっせいに生い立ちを捨てかっこうと鳴く (ジテンふみお)

   ほ:目の不自由な人に、信号が変わったことを知らせる「かっこう」の
     メロディーが頭に浮かびます。
     「いっせいに生い立ちを捨てかっこうと鳴く」という部分が
     とても良いと思いました。一番大事な「背中」の意味が、最初わたしには
     掴めなかったのですが、「信号を守る背中」は、信号を支えている柱と
     いう意味で良いですか?その前後左右の柱にスピーカーがあって、
     それから、いっせいに音がするということですよね。
     柱であるという生い立ちを捨てて、かっこうと鳴く。
     うん。なんか、人のためにがんばる柱が、格好良く思えてきます。
     え?かっこうと格好のダジャレです。

     p.s.作者さまよりコメントを頂きました。
       ほにゃらかの解釈は、かなり頓珍漢だったようなので、
       作者さまの自歌解釈(コメント欄にあります)も
       合わせてご覧頂ければと思います。申し訳ありませんでした。
     


★黒い毛の背中に花びらのせ帰宅今日は何処を冒険したの (渡部律)
 ( http://blog.goo.ne.jp/ura_kuroneko/ )


   ほ:散歩に行った猫が、身体にゴミなどをつけて帰ってくることがありますね。
     ひげに蜘蛛の巣なんか付けていると、どこを歩いて来たんだろうと
     思ったりします。
     黒猫ちゃんが背中に花びらをのせて帰宅。花見でもしてきたのでしょうか。
     「背中に花びらのせ帰宅」という部分がやや早口で説明的なので、
     ここの表現をすこし変えてみると、さらに良いお歌になるように思います。



★とうさんの背中はいつもまっすぐに空へのびてる 悲しいくらい (みあ)
 ( http://blog.drecom.jp/a_yaya/ )


   ほ:お父様の生きる姿勢を詠われているのだと思います。
     きっと真面目で一本気な方なのでしょう。それは悲しいくらいに。
     素敵なお父様の背中を見てお育ちになったのだと思います。
     とてもあたたかく、愛情のこもったお歌だと思いました。
     「とうさん」「まっすぐに」という平仮名表記も良いですね。



★さりげなく流しに立てばほぐれくるその声背中を耳にして聞く (前野真左子)

   ほ:夫婦ゲンカでもしたのでしょうか。子供を叱った後でしょうか。
     相手の口調が、すこしずつ「ほぐれて」ゆくのですね。
     その声を、背中を敏感にして聞いている、その気持ちが伝わります。
     「ほぐれくる」「背中を耳にして」という表現がとても良いと思います。



★陽の匂い剥がすあそびの背中から夏はまだらに遠ざかる (しのざき香澄)
 ( http://kasumi25.jugem.cc/ )


   ほ:このお歌は面白いです。日焼けした肌を、すこしずつ剥がすのでしょう。
     「陽の匂い剥がすあそび」と表現しているところが巧いなぁと思います。
     「夏はまだらに遠ざかる」日焼けの肌は、全部いっぺんには剥がれませんね。
     この「剥がす」あそびは、思い出をたどる遊びでもありますね。
     だから、ちょっとずつ思い出も遠ざかっていくのだと思います。



★生き物のようにファスナーが前を行くひとの背中にまみれた街は (鈴木英子)

   ほ:このお歌は、発見のお歌だと思います。
     ひとの背中にまみれた街を歩いていると、どこを歩いたら良いかと
     困ることがあります。
     人の背中と背中の隙間に、狭い通路をひらきながら進みます。
     ひらいては閉じ、ひらいてはまた閉じる通路?をファスナーに喩えて
     いるのだと思います。それはまるで「生き物のように」うごめいている。
     「ファスナーが前をゆく~」とあります。
     前を歩いている誰かの後についていき、前の人のひらいてくれた
     「ファスナー」のあとを辿っているのでしょう。
     都会のラッシュアワーを、見事に表現されたものだなと思いました。



★あすごとは明日きめてよしアユタヤの遺跡に熱き背中をもたせ (光森裕樹)
 ( http://www.duralumin.net )


   ほ:アユタヤの遺跡というのは、タイでしょうか。
     地理とか歴史が嫌いなもんで、間違っていたらごめんなさい。
     きっと作者はアユタヤの遺跡に立って、その国の、ゆったりとした
     時間の流れに感動されたのだと思います。
     「あすごとは明日きめてよし」それがその国の考え方なのでしょう。
     あくせく働いて、焦って、急いで生きていた。そんな日常との対比。
     興奮で背中に熱もこもるのでしょう。



★火の色を背中に見せる男より水の深さを目に湛ふべし (島田牙城)

   ほ:「火の色を背中に見せる男」というと、格好いいサッカー選手などが
     頭に思い浮かべます。
     「水の深さを目に湛」えた男っていうと、サッカー選手なら中田英寿?
     できれば、両面を兼ね備えているのが理想的です~。
     「背中」と「目」、「火」と「水」の対比が面白いと思いました。



★黒字の「ほ:~」の部分が私の感想です。

「背中」は、好きな歌がたくさんありましたので、感想が一言ずつになってしまいました。


こちらでご紹介する短歌は、私がとても「良い」と思ってピックアップし、
そういう気持ちを前提に感想を述べております。

私の言葉が足りなかったり、私の表現がへたくそであったりするために、
作者の方が不愉快に思われることも、もしかしたら、あるかもしれません。

しかし、こちらでご紹介した作品に対して、批判の気持ちは決してないということを、
どうぞご理解くださいますよう、お願い申し上げます。

もし、何かお気づきの点、ご意見などがございましたら、
どうぞご遠慮なくコメント欄へお書き下さいませ。




他のお題からのピックアップ「いいわ~。この歌♪」は、
カテゴリー「★題詠マラソン感想(2005)」からご覧下さい。

私ほにゃらかの歌は、カテゴリー「★題詠マラソンのお題で短歌」か、
カテゴリー「★ほにゃらかの短歌」などをご覧下さい。

11.9:換気の日

2005年11月09日 09時35分33秒 | ★記念日俳句

子の声もわれの怒声も換気の日  ほにゃらか




11.9:換気の日

日本電気工業会が1987年(昭和62年)に制定した。
11月9日の「いい空気」の語呂合わせから。
最近の住宅はアルミサッシの普及などで密閉度が高く、十分な換気が行われず、
カビが発生することも多い。そこで、もう一度室内の換気を見直してというわけ。

                       (日本記念日協会HPより)

「里俳句会」
日本記念日協会
記念日俳句


うちの子、声が大きいんです。妙に明るいし……。
窓をあけていると、ご近所迷惑になるかと思うくらい。
だから、日頃はなるべく窓を閉めているんですけど、たまには換気しないとね。
家の中に「ふきだし」があふれてしまって、息苦しくなりますから。
それに、窓をあけてると、私も大きな声では怒鳴れないし…(^^;)
むかついたら窓をあける。これだけでも、すこしクールダウンします…か??