大倉草紙

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【奈良】 談山神社

2008年11月21日 21時16分16秒 | 旅 - 奈良県
7月21日(月)
当日の行程:(車) → 【信貴山】【當麻寺】【談山神社】【山田寺跡】 → 【大官大寺跡】


   
                  東大門

談山神社は、神仏分離以前は寺院であり、多武峯寺と呼ばれていた。
藤原鎌足の長男・定慧和尚が鎌足を弔うために建立した妙楽寺にはじまる。
中大兄皇子と藤原鎌足が、大化の改新の秘策を練ったという「談い山(かたらいやま)」が後ろにあり、「談山神社」という名はこれに由来するといわれる。


          
       後醍醐天皇御寄進石燈籠(重要文化財)

後醍醐天皇が寄進したものだと伝わる石燈籠は、駐車場から神社へ向かう途中、道路に面して建っている。
竿には、南北朝動乱の始まった年、元徳3年(1331)の刻銘があるという。


   
             総社拝殿(重要文化財)

創建は延長4年(926)だが、現在の拝殿は寛文8年(1668)に再建されたもの。
外部小壁(正面)や内側壁面には、狩野永納による障壁画が描かれている。


          
             閼伽井屋(重要文化財)

元和5年(1619)の造営。
閼伽井屋の中には、「摩尼法井(まにほうい)」と呼ばれる井戸がある。
定慧和尚が法華経を講じたとき、そこから龍王が出現したと伝わる。


   
            末社・比叡神社(重要文化財)

寛永4年(1627)造営。
飛鳥の大原にあった大原宮で、この地へ移築された後、明治維新までは山王宮と呼ばれていた。


   
             神廟拝所(重要文化財)

神廟拝所(しんびょうはいしょ)は、定慧和尚が白鳳8年(679)、父・藤原鎌足を供養するために創建した妙楽寺の講堂。
現存のものは、寛文8年(1668)に再建されたもの。
内部壁面には、羅漢と天女の像が描かれている。
写真の後方に見えるのが十三重塔。
神廟拝所の内部が公開されていたので、拝観する。


   
            鎌足公御神像(神廟拝所)


   
           伝・運慶作 木造狛犬(神廟拝所)


          
            如意輪観音像(神廟拝所)

如意輪観音像は、定慧和尚が唐から持ち帰った像を模して造ったもの。
右足の甲には、信者の身代わりになったという傷があり、「足の観音さま」として足腰や膝の病に霊験あらたかだといわれている。
「足守」もあった。
夫はすぐに足を挫くので、「足守」のお守りを受ける。


   
               宝庫(重要文化財)

元和5年(1619)造営。
本殿の左右に同じ形式の宝庫が一対置かれている。
写真は、楼門の前にある西宝庫。
かつては、談山神社の名宝を収蔵していたそうだ。


   
               楼門(重要文化財)

   
                 手水舎

楼門の前にある手水舎。藤丸は談山神社の神紋。神使は鳥なのだろうか。


   
              拝殿(重要文化財)

   
               拝殿の吊り燈籠

朱塗舞台造の拝殿は、永正17年(1520)の造営。
屋根は桧皮葺。
吊り燈籠が美しいかった。


   
楼門を入ったところ。
左手の建物が本殿、正面が祈祷殿、右手が拝殿。


   
              本殿(重要文化財)

大宝元年(701)創建。
以後、11回造替がなされ、現在の本殿は、嘉永3年(1850)年に再建されたもの。
三間社隅木入春日造り。
藤原鎌足を祀る旧・別格官幣社。


  
             十三重塔(重要文化財)

定慧和尚が父・藤原鎌足の供養のため、白鳳7年(678)に創建した塔婆。
現存のものは、享禄5年(1532)の再建。
わが国唯一の木造十三重塔。
高さは17メートルもあるという。
桧皮葺の屋根は、平成19年(2007)秋に葺き替えられたばかり。


          
                 菴羅樹

菴羅樹(あんらじゅ)は、定慧和尚が唐から持ち帰った霊木と伝わる。


   
                 竜神社

中大兄皇子と鎌足が密談した「談所の森(だんじょのもり)」へ向かう。
登山口から少し入ったところに、竜神社が見える。
水の神・竜神が祀られている。


   
               「御相談所」の碑

談山神社の裏山の「談所の森」と呼ばれる場所には、「御相談所」の碑が建っている。
ここで大化の改新の密談がなされたのだと思うと、不思議な気持ちになる。


   
               藤原鎌足の墓所

海抜618メートル、御破裂山(ごはれつざん)の山頂に藤原鎌足のお墓がある。
国家に不祥事があるときに、神山が鳴動したという記録が残っているという。


   
              御破裂山からの景色

曇った日の夕刻だったので、遠くまではっきりとは見えなかった。
晴れていれば、大和平野が一望できるそうだ。


   
              談山神社のてぬぐい


          
              談山神社の御朱印


談山神社をあとにし、山田寺跡へ向かう。
道中、崇峻天皇倉梯岡稜を見つける。

   
              崇峻天皇倉梯岡稜

          
どうやら、犬の散歩に訪れる人が多いようだ。