パペット劇場ふらり旅 ~広島~

芝居好きの私がめぐり合った人形劇の魅力、たっぷりとお伝えします。

映画というものの何たる敷居の低さよ

2007-01-17 | お芝居ひとりごと
↓下の「親密すぎるうちあけ話」のほかに、今年は「プラダを着た悪魔」「フラガール」と2週間ほどのあいだに3本の映画を観に出かけている。

映画は普通にチケットを買うと1800円だが、1000円で観られるサービスデイも多く
ちょこっとした割引券も文庫本の栞や情報誌のページの端っこ等で簡単に手に入る。
映画館によっては何度か入場すると無料で入場できるポイントカードまである。

演劇ホールの椅子のすわり心地といえば芝居がつまらないときにはまるで拷問のようだが、今どきの映画館は座席にもこだわっているようだ。
座り心地のよい観客席でゆったりと観られるのも捨てがたい魅力である。

映画館も少し前には、お気に入りの場所でのんびり観られていいなと思っていたが、
「フラガール」は開演前に長蛇の列、空席を必死でさがすハメになった。
映画館に観客が戻ってきたことを、日本映画界の好況が物語っている。

映画をほとんど観に行くことのなかった私でさえ、今年はこんな状況。
演劇の場合は、
前売り券の確保の時間的・経済的・気分的大変さ。
当日無事に(地方公演は一日きりが多い)劇場に足を運ぶまでの困難さ。
やっと会場までたどり着き、慌ただしく腹ごしらえを済ませ体調を整えて何とか終演まで眠らずにいること。
演劇鑑賞はある意味で「気力と体力」の勝負だ。
これで舞台がツマラナかった日には、この疲れが数倍になってわが身に
降りかかってくるのだ。
私の経験からだと選び抜いて観に出かけた芝居の「いい芝居だった」確率は約3割。
初心者が、いわゆる「地雷を踏む」(外れの舞台に当たること)ことなくいい芝居にめぐり合うチャンスはもの凄く少ないのではなかろうか。

思い立ってふと出掛けられる映画の気軽さとチケットの安さには
私など呆れるほどに感激してしまう。
「プラダを着た悪魔」を観た直後、思いっきりおしゃれをして仕事のできる女に
すごく憧れ、頑張ろう!と気分一新の私。
「フラガール」映画の中で何度も泣いたせいで、すっかりお化粧が落ちてしまったのに、本気でフラダンスを習おうと思い込んでしまったり。

事前にHPなどで予告編を観ることができるが、やはり映画館の上質の音響設備と大画面の迫力には、足を運んでよかったと思わせる魅力がある。

映画の魅力はストーブでいうとファンヒーターだ。
たちまち体中を暖かくしてくれる。
それに較べると演劇は、例えていえば薪ストーブだろうか。
上手く火を熾せたら身体の芯まで暖かく、それがいつまでも続く。

心が寒い時、人はどちらを選ぶのだろうか。



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