農文館2

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稲わら、枯葉を田んぼで焼却

2018-11-22 10:10:04 | 日記
 10月末に脱穀を終えた後、松本の美術館の休館日に、残された稲わらのほとんど、ほぼ9割ほどを田んぼで焼却しました。草取りや稲刈りの際、田んぼに散らばったイネモドキ、ノビエの種を絶滅するためです。しかし稲わらだけでは田んぼ全体にまでには行き渡らず、加えて稲わら自体が完全燃焼しないこともあって、焼け跡はまだら模様でした。そこで例年田んぼの堆肥として散布している枯葉を、今回は全て、といっても稲わら同様燃え切らないところもあるのですが、ノビエの種を焼き切るために焼却することにしました。1メートル四方のビニール製の箱に入れて約20箱分、数日間かけて、家の周りに落ちたケヤキやモミジ、それにクルミなどの枯葉を収集し田んぼまで運搬、そして散布した後焼却したのです。
 
 それでも残念ながら、まだ田んぼ全てには行き渡りませんでした。出来ればあと何回か枯葉の散布・焼却をしたいところですが、他の仕事もあり、体力と相談のうえ、決めたいと今は思っています。でも恐らく、焼却しきれなければ来年も思いやられるのでは、という天の声が数日前から耳に響いてきています。

昔のお百姓さんは、やはり偉い!

2018-11-03 08:14:24 | 日記
X様

 すっかり秋めいてきましたが、いかがお過ごしでしょうか。
 海抜850メートル、我が家周辺は、眼下に浮かぶ雲海と北アルプスを背にした紅葉風景が最も美しい時候で、秋風秋雨の中、愁殺されそうになったつい先だっての田んぼの雑草取りが嘘のように思われるこの頃です。

 一昨年に続き、今年は最も大事な時期である6月7月に体調を崩し、田んぼの草取りができずにいたところ、予想を超える雑草・ノビエ(稲モドキ)が繁茂し、稲よりも背丈の高いノビエがほとんどの稲を覆ってしまいました。それはそれは見事なまで、敵? ながらあっぱれと言わされるほどに。米作りをして18年、初めてのことでした。体調の回復に背を押され、9月に入って除草を始めましたが、手遅れであることは一目瞭然でした。半世紀前に読んだ武田泰淳の小説『秋風秋雨人を愁殺す』を思い起こしながら『愚公山を移す』の心境でもありました。それでも10月初旬にかけて雑草交じりの稲刈りを終え、はざかけ、そして10月末には脱穀、お陰様で何とか気持ちだけでも晴れ晴れと実りの秋を実感することもできました。

 もとよりそんなわけで、収穫は予想に違わず大幅な減収となりました。いつも「一口ですが、」とお断りしているとおり、正に今年は本当の本当の一口が地となりました。落語の地口落ちではありませんが、「多かあ(大岡)食わねい、たった一膳(越前)」、味も不出来を承知で麻績村の秋一口召し上がって頂ければ幸いです。

 それにしても度々の「愁殺」を乗り越えてきたに違いない、昔のお百姓さんはやはり偉い! と、改めて教えられた今年の田んぼの草取りでした。      
                                      不一   2018年11月4日