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『震災のためにデザインは何が可能か』

2011-03-24 01:28:32 | Weblog

『震災のためにデザインは何が可能か』

hakuhodo+designとstudio-L、そして学生たちによる「震災」の課題解決に関するデザインプロジェクトの本。
うちの会社の講演会にもいらした博報堂のデザイナー・永井一史さんも参画されています。

「201X年、首都圏で直下型の地震発生。震度7」

という書き出しで始まるこの想定が、もはや想定ではなく現実となったということに、読んでいて非常な胸苦しさを覚える。

それにしても素晴らしい提言がてんこ盛りだ。具体的、かつスマートで美しい。
このように有用な数々の課題解決型デザイン提言が、このように優秀な人たちによって、このような長い時間をかけて練り上げられ、このように立派な本にまとめられているというのに、なぜ、どれひとつとして実際の大震災が起こる前に実行に移されることはなかったのか?(2009年刊行)

それは彼らのせいでは全然ないし、多分お役所のせいでさえないのだけれど、悔やんでも悔やみ切れない何かが、舌の上のざらりとした感触として残る。
「デザインができることはまだまだある」と彼ら自身が語っている(いた)というのに、だ。

「知行合一」 …知っていることと、実行することは違う。

誰しもが我と我が身の出来事として起こって初めて腰を上げる。
解決案を1つ1つよく見れば、金がなければ実現出来ないようなことばかりではないし、政府や自治体が動かなくても自分たちで出来そうなこともある。なのに、やらない、できない。実際に起こるまで…。
その当事者感覚をどうすれば平時からすべての人が持つことが出来るのだろうか?

そういう“関心のない人をも動かすしかけのデザイン”も、もしこの本の中に入っていたら、今の被災地の避難所生活での実際はもう少し違ったものになっていたかも知れない。

そのことは、取りも直さず自分自身に突きつけられた課題でもある。
とりあえずこの「みかん箱タイプのダンボールがあればハサミ1本で作れる避難所パーティション」の作り方を広めよう。(※この本とは関係ありません。)明後日また発送される被災地行きの支援物資のダンボールの中に1枚1枚プリントを入れよう。

「デザインは、人をしあわせにするためにある」 後輩ちみちゃんの名言だ。






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