つれづれに 

老いてゆく日々、興味ある出来事に私見を添えた、オールドレディーの雑記帳です。

東京五輪を中止にできない理由・・・

2021-03-28 | やりきれません

 山にも春がきた。遠目には山桜やツツジの花、道端には新芽の緑がみずみずしい。


 東京五輪の聖火リレーが25日、福島県からスタートした。約1万人がつなぐ「平和の火」は121日間かけて全国を巡り、7月23日の開会式で国立競技場の聖火台にともされるという。が、コロナ禍収束の兆しが見えない中、果たして本当に開催できるのだろうか。 
 この東京オリンピックは当初からすったもんだ、色々あった。まず発端は「公式エンブレム」の選定で発生した盗作騒動。エンブレムの再公募という前代未聞のスキャンダルだ。その後は新国立競技場で発生した巨額経費問題とそれに伴う再コンペ。さらには「マラソン・競歩」競技の開催地が北海道・札幌へと変更。そしてとうとうコロナ感染症拡大で1年延期となった。
 それだけでは終わらなかった。今年2月には組織委の森会長の女性蔑視発言で、世界中からな批判を浴び辞任に追い込まれた。そしてまたもや、である。開閉会式の演出企画の責任者による女性タレントへの「女性侮辱発言」が週刊文春にスクープされ、18日辞任した。
 それに加えてコロナウイルス変異株の感染拡大だ。頼みの綱のワクチン接種スケジュールは供給に大きく左右され、綱渡りの状況だという。高齢者向けワクチンは6月末に配送完了とされているが、接種日程は各市町村によって異なる。そうなると一般の人へのワクチン接種は7月以降か、それもいまだ未定だ。これではオリンピックにはとうてい間に合わない。
 アンケート調査によれば約7割の人が反対しているという。高いチケット費用を払い、コロナ感染の危険を犯してまで見にゆこうと思う人がどれだけいるだろうか。それでも中止できない理由は何なのか、先日の記事でその理由が分かった。
 五輪の主催者はIOCだ。IOCが決定権を持っており、日本、東京都の立場は「場所貸し」だ。このため、日本側の判断で開催を返上した場合には、IOCから損害賠償請求を受ける可能性があるという。   
 一方、IOCが自ら中止を決めた場合、日本側はIOCに損害賠償を求めることはできない。開催都市契約では中止になった場合、都や組織委は補償や損害賠償などを放棄すると規定しているからだ。またIOCから中止を切り出すことは、収入を得る機会を自ら手放すことを意味するため選択肢にはないという。
 日本側も中止となると、組織委は国内スポンサー68社との契約や企業との調達契約で問題を抱える恐れがある。さらに各方面への影響は大きい。中止になった場合の経済的損失は約4兆5151億円と試算されている。また保険会社が被る損失は史上最大規模の約2200億~3200億円に上る恐れがあるという。

 20日、海外からの一般観客は受け入れ断念を決定。大和総研のアナリストは海外からの観客受け入れが見送られることで消費支出が600億~700億円減少するとの試算をまとめた。それに海外客へ五輪で約60万枚、パラリンピックで約3万枚のチケットの払い戻しをしなければならない。払い戻し総額は公表しないそうだが、だれが支払うのだろうか。

 国内の観客だけでオリンピックを盛り上げるのはとうてい無理だろう。だが専門家は「たとえ無観客でも開催すべきだ。中止にすれば負のイメージだけが残る。五輪以上に景気浮揚効果が期待できるものはない」と指摘したという。開催しても地獄、中止しても地獄だ。それでも「損する人がいれば得する人がいる」というのは世の常だが、一体、得するのはだ~れだ?

 

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